山の古別荘のDIY記

食器を捨てられた

★目次ページに戻る


 この記事に出てくる別荘は築28年。
 前のオーナーさんが、もちろんいらっしゃって、その方はお医者さん。
 
 そのオーナーさんが亡くなられてから、この別荘を利用していなかった期間があり、家具やら什器類が約8年ぐらい放置されていました。
 私がこの家を購入した際は、それらの家具やら什器類一切合切を含めて購入しました。


 殆どの電化製品、布団類は使用に耐えられるものではありませんでした。
 電化製品は落雷の影響でほぼ全部OUT。
 布団類は虫、ダニの巣と化し、老朽化により表生地をちょっと引っ張っただけで裂けたりしました。
 まともに使える物は、大型家具類と工具類ぐらいのものでした。


 台所用品もたくさん置いてありました。
 その中で、鍋釜類、電化製品類は全て廃棄し、食器は木製品、プラスティック製品は全て廃棄しました。

 残った物は瀬戸物と金属製のフォークやスプーン。
 時間のあるときに洗おうと思ってひとまとめにしてありました。
 






 私の相方はこの別宅へ来ても感覚は「お客様」。
 片付けの手伝いはほぼいたしません。

 何か手伝ってよ。と言えば小一時間ほど掃除をして終わり。
 あとは昼寝してるかぼーっと景色を楽しんでいるか。

 変にいじられても困るので、私にとってはそれはそれでいいのです。



 先日、相方同伴でこの家を訪れたました。
 珍しく何か手伝おうか?と言うので、キッチンの片付けを頼みました。

 食器に関しては、一応私自身が目を通し、あきらかに使えそうにない物など、全量の半分ぐらいは既に処分してありました。
 残った食器類のうちで、欠けている物、どうしても汚れの取れない物、くすみのある物は廃棄して、残りは洗剤で洗って食器棚に並べるように依頼しました。







 端で見ていると、「これはダメ、これもダメ。」と言いながら次から次へと私が見てまともな食器をゴミ袋に捨てていきます。

 「なぜ、これがダメなの? 洗ったらきれいじゃない。」

 すると相方は、瀬戸物の一点を指さし、

 「ほら、ここに汚れが付いてるじゃない。」
 と言います。

 私が目を近づけると、それは瀬戸物自体に元々付いている塗料の点。
 安物の瀬戸物にありがちな、塗料の点で、釉薬の下に付いている物ですから洗っても落ちるわけではありませんし、使用の際に付着した汚れでもありません。

 「こんなの言ってたら全部捨てなきゃいけなくなるじゃないか!?」

 ちょっとムカついた私はこう言って元に戻そうとします。

 「だって、使ってた人がどんな人かわからないもの、気持ち悪いわよ。 全部捨てて新しいのを買えば?」
 「はあ?食器集めるのにどれだけお金がかかるのかわかってるのか? お前が出してくるのか?」
 「家で使ってない物持ってくればいいじゃない。」
 「家に余分な丼鉢とか大皿とかあるのか!、家の食器棚にあるのはお前の趣味のティーカップとか、結婚式の引き出物に貰った小皿ばっかりだろ。」
 「・・・・・」

 「もったいない! なぜこんなところだけ潔癖症なんだ? 飲食店とかレストランとかで出される食器はどうなんだ? バイキングなんてよく行けるな!?」

 「わかったわよ。洗うわよ。」







 私の相方は変なところが潔癖症です。
 他人が一度使用した物はダメ。
 電化製品も家具も中古品は一切買わない、全て新品でないと受け付けない。
 服とかは私も嫌なのでそれは理解できます。
 でも、日用雑貨類は全く拒絶。
 オークションとかリサイクルショップに販売されている物でさえ拒絶します。


 そのくせ、浴室や洗面、キッチン周りに黒カビがはびこっていても無頓着。
       ↑私はこれはダメ。
 私に指摘されてようやく掃除すると言った具合。

 相方はお金持ちのお嬢様とか、良家の子女とかではありません。
 普通の家庭の人です。



 その後、私が建屋の表の作業を終えて戻ってきたら、食器の8割方はゴミ袋に入れられていました。
 残っているのは、さすがに買えば高いであろうと思えるお皿だけ。

 私はあきれかえりましたが、さすがにゴミ袋に手を突っ込んで取り戻す気力も失ってしまい、そのままゴミ置き場へ投棄されるのを見ていただけ。





 
 「買えばいいじゃない。」

 と相方は言うのですが、いざとなると自分からお金は一切出しません。
 鍋やフライパン、調理用具などを一から揃えると、やはり数万円は飛んでいきます。

 私はそんな無駄な贅沢をするために、この別荘を買ったのではないのです。


 私は心の中でつぶやきます。
 貴女がこの食器類を使うんじゃないんだから勝手な振る舞いはするな。  と。


 「もう二度とここへは連れてこない。 もしついて来ても一切家の物にはふれさせない。」


 以後、この山の家は私一人で通うようになりました。

 
 今回の記事で読者の方は賛否両論、様々な感想があると思いますが、私の愚痴ですので読み流しておいて下さい。
 尚、この別宅で料理をするのは私自身ですし、料理をお出しするのも私がお招きするであろうお客様です。







★目次ページに戻る

▲このページのトップへ



トップページに戻る