山の古別荘のDIY記

親孝行のつもりだが

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 この日はお袋を別宅に招待しました。

 お袋は実家が農家。

 大阪に嫁いできて50年以上都会暮らしで、最近は「土が恋しくて」「畑でもやりたいね」なんてつぶやいているので、自然あふれた山間の別荘は気に入ってくれると思いたち、親孝行を兼ねての招待です。


 現地に到着して、雨戸を開けてベランダへ出てみます。
 お袋も山間の眺めには満足した様子。


 スズメバチ被害が各地で発生して報道されていた週のことです。
 「ハチに気をつけてね。 飛んできたら部屋内へ逃げて。」
 と言った途端に軒下にとまっていた蛾がバタバタと飛んできます。( ̄▽ ̄;)


 お袋は何も言わずそそくさと部屋内へ。(;´Д`)ノ



 お袋は大の虫嫌い。

 この人本当に田舎育ちかい?とは思うのですが、長い間の都会暮らしですっかりと虫嫌いになったようです。



 「ぼけーっとしてていいよ。 お茶でも飲んでくつろいでいて。」

 最近、腰が痛い膝が痛いとのたまうお袋を思いやってこういう言葉をかけたのです。

 「こんな何にも無いところでぼけっとしていたら退屈で仕方ないよ。 何かすることない?」

 と、こう言われてしまいました。

 「じゃあ、キッチンの掃除して。 食器を片付けてくれたら助かる。」

 と言うとお袋はキッチンを覗きに行きます。

 「古い食器だね~。 気持ち悪いし捨てればいいのに。 食器棚も拭き掃除して棚に敷物ししなくちゃね。」

 「食器を一から買うとやっぱりお金がかかるから、黄ばんだり欠けたりした物以外は使いたいんだよ。 消毒すれば使えるよ。」

 「え~! やっぱり気持ち悪いわねぇ。」

 「それじゃあ、食器棚拭いてよ。」

 「・・・・他にやることは?」

 「(・ω・;)  う~んと。 それじゃあ押し入れの中の布団とか毛布をゴミ袋に入れて。 さすがに布団類は古すぎて使う気になれないから。」


 
 お袋はさっそく押しれを開けてゴソゴソ始めてくれました。

 「ゴミ袋どこ?」

 私も自分の用事をさっさと開始したいので着替えを始めましたが、ゴミ袋を取りに行きます。

 「たくさんあるねえ。 気持ち悪い。 これは使えないねえ。 大きくて重いよ・・・」

 ブツブツと大声で私に言います。

 「大きい布団は切らないと粗大ゴミになっちゃうんだよ。 出来たら切って小さくしてゴミ袋に入れて。」

 と告げて、押し入れの中身と格闘しているお袋を尻目に、私は軒天の補修に取りかかるため表へ。




 
 しばらくして、休憩のため建物内に戻ってみると、ゴミ袋が山のよう!ΣΣ(゚д゚lll)
 布団類がこんなにあったんだと改めて知りました。 

 「布団は片付いた?」

 聞きながら押し入れを見ると、大きな布団類はそのまま残っています。

 「この大きな布団は大きすぎてゴミ袋に入らないよ。」

 「大きな布団はハサミとカッターで切るといいよ。


 とお袋に話しかけます。

 「大きなゴミ袋がいるねえ・・・・。 他にやることは無い??」

 「・・・・
(一番たいへんなところ絶対にしないんでやんの)(;´Д`)ノ  玄関先の植木手入れぐらいかな。 雑草がすごいから。」

 「あら、そう。 どういう風にしたらいいかね?」

 「好きにしていい。 任せるよ。(;´д`)」



 
 昼食を終え、お袋が一服している間に物置から植木バサミや熊手を取ってきて玄関先に並べました。

 「道具は全部玄関先に置いたからね。」

 そう言って私は建物横の洗浄にチャレンジするためベランダへ。
 お袋は表へ。


 
 高圧洗浄機をセッティングしていると・・・・

 「ほうきはどこ~?」

 大きな声で聞こえてきます。

 「玄関先にあるよ~!」

 大きな声で言い返します。


 「植木バサミはどこ~?」

 「玄関先に置いてあるよ~!」

 「ノコギリは~?」

 「玄関先~!」

 「高バサミ無いかしら~?」

 「玄関先に全部あるよ!!」

 「持ってきてくれてもいいじゃない!」

 
「・・・・こっちも別の用事で忙しいの!!!!」



 
 全くどこのお嬢様だよっ!! (;´Д`)ノ




 連れてくるんじゃなかったかな。(;´д`)トホホ


 後日談:
 普段、腰が痛い背中が痛いと言っているお袋なので、帰ってきたら寝込んでいるんじゃないかと心配して、休み明けに職場に行ったら、ピンピンして元気。
 「あれぐらい何ともないわよ。」
 と、のたまう。
 汗をかくほど仕事をしたのに、腰も膝も背中も痛いところは無し。
 逆に気持ちの良い目覚めだったとか。
 やはり田舎育ちは、土の上で作業するのが体質に合っているらしい。







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