山の古別荘のDIY記

高原の夏の夜

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 今年ももうすぐ梅雨明けのはず。
 ムシムシとしてちょっと動くだけで汗が噴き出してきます。

 標高の低いこの地は高原とは名ばかりで、平地とほぼ変わらない湿度と気温。


 救いなのは、ビルが建ち並ぶ都会のようなコンクリートの照り返しが無いことと、山を抜けて吹く風が常にあること。
 気温30度と言っても下界よりはずいぶんすごしやすい。


 バルコニーから見上げた空は・・・






 ん~・・・、夏の空じゃないよな? (◎_◎;)


 なんかスジ状の雲が出てるし、また雨になるのかな?







 来る途中にスーパーに立ち寄って、夕方に到着した山の家。
 日没までにやらなければいけないことがたくさんあります。

 夏の太陽に蒸された屋内は、窓を全て開放してもなかなかこもった熱は逃げていかず、パンツとシャツ1枚になって家の中をウロウロします。


 家の中の熱は扇風機で逃がしているけどまだまだ暑い。
 だから、今夜はきれいな緑の森と青い空を眺めながらバルコニーで夕食にします。

 ヤブ蚊の数が半端ないので、蚊取り線香を短めに切って取り巻くように配置します。



蚊取り線香



 日が沈んでしまうと小さな明かりに魔物達(主に蛾)が群がってきますから、少し慌て気味に準備をします。

 今の時期は完全に暗くなるのが午後7時過ぎ。
 まだまだ余裕はじゅうぶん。


 いつもは使っていない籐のテーブルに一人用コンロを乗せて、少しばかりの食材を洗っているうちに、別の場所で着火剤を使って炭の火付けをしておきます。



一人用炭火コンロ







 準備を整え終えてチェアに座り、買ってきたビールのリングプルをプシュッ!っと引いて、吹き出してくる泡に唇をつけてすかさず一口。



 くぅ~~~~っ!!! 







 ・・・冷えてねえっ!∑(´□`;)




 気温が高いもんだから、持ってくる間にすっかりぬるくなって、電源入れたばかりの冷蔵庫の中も蒸し風呂状態だったから、更にぬるくなっちゃって。
 こんなことならブロックアイスも買ってくるんだったよ。(;´Д`)ノ




 木炭は、かれこれ30分も火付け器の中で炙られているのに、着火剤が足りなかったらしく炭もぜんぜん火が回ってない。

 備長炭は気むずかし屋さん。


 今日は冷静に沈黙を守り通しています。
 着火剤を継ぎ足して、もうしばらくいぶすことにします。




 ちょっと手持ちぶさたになったので、バルコニーを注意深く見回していると、床板の1カ所に穴が空いています。



キクイムシ被害



 ええ~っ!キクイムシってこんな所も食っちゃうのかよ。(;´Д`)ノ
 裏面から入り込んだのだろうか?

 それぞれの柱を見ると他にも数カ所。
 キクイムシってのは手強いなあ。
 なかなか駆除しきれない。



キクイムシ被害


 殺虫剤がちっとも効きやしない。
 まだまだ被害は続きそうです。








 炭に火を熾し始めてから小一時間。



 っざけんなよ! てめえっ!!(--#




 まだ炭には完全に火が付いていません。
 炭が熾きてくれないので、ガスコンロまで持って行って文明の利器を使うことにしました。


 ガスコンロであぶって、ようやく表面が赤くいこってきた備長炭をコンロに入れて、お総菜のサラダをぱくつきながら、網の上に今夜のメインを乗せていきます。


一人焼肉を楽しむ



 次第に薄暗くなってくる夕空を眺めながら、ささやかな夕食。
 ビールは生暖かいけど、次第に回ってきて体にしがみついている緊張を、少しずつ解きほぐしてくれます。

 小鳥たちと、ニイニイゼミの声の中から、次第にヒグラシの鳴き声が混ざってきて森は賑やかです。
 今日一日最後の住人達の合唱に耳を傾けます。

 おにぎりを食べて、メインディッシュの最後のひとつまみを口に放り込んでお腹いっぱいになりました。
  (*゚∀゚)=3


 夕闇がどんどん迫ってくるバルコニーから食器や炭火を片付けて、室内へ退散します。
 洗い物を終えたら、今夜はゆっくり過ごします。








 一人で過ごす山の家はちょっと退屈。
 音楽聞いたり本を読んだり。







 夜も更けてきた頃、窓にバシバシと何かがぶつかる音がしてきます。

 窓から漏れる部屋のあかりに誘われた多くの夜の訪問者が、人のいないバルコニーを大勢で占領して饗宴を始めています。


 どんなお客様がいらっしゃってるのだろうと興味を持ってカーテンをめくってみると、小から大までバラエティに富んだ蛾達。

 その中に混じってひときわ大きいのがシロスジカミキリ。
 体長がゆうに5㎝を越える大型の昆虫が飛び回って、ガラスにゴンゴンぶつかってきます。


 元気ですか~っ!(゚∀゚)



 虫達にとって短い夏を謳歌しているようです。




 ふと、網戸を見ると、ちょっと形の変わった影が写り混んでいます。

 おっ!もしかして・・・


 と思って、さっと網戸を開けて、そいつをふっと掴み、部屋の中へ。



コクワガタ


 コクワガタ君!!


 体長3㎝ほどで、日本の山では珍しいという種族ではありませんが、やはりクワガタムシ。
 幼い頃、都会に住む私は、デパートの屋上のペット売り場でしか見たことがない勇姿です。
 いきなり明るい場所に連れてこられて驚いたのか、しきりに私を威嚇します。

 写真を数枚取った後、すぐに森に返してあげます。




 そうこうしているうちに山の森は更けて、そろそろ眠くなってきました。


 おやすみなさい。 またあした。






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