修繕決定
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見積もり依頼していた業者さんより見積書が届きました。
不安と期待を抱きつつ開封して見積金額を確認します。
おお~っ!(◎_◎;)
絶妙な見積金額です。
山の中だとか、市街から離れてるとか、ユーザーがお金持ちだとか、様々な要因から、リゾート物件の修繕は多額の修繕費をぼったくるような業者が多い中で、
良心的な金額が提示されています。
感心しました。
職業柄、こういう建物の修繕についての金額というのは、頭の中である程度描けるほど身についています。
見積書の1ページ目に記載されていた総額を見た時、ほぼ想定通りだったので驚かされました。
中身の細かい明細を精査してみます。
・屋根
洗浄、破損部補修、塗装、軒天補修
・バルコニー(デッキは腐食部分のみ)
柱全交換、デッキ板(前列2枚目まで交換)、基礎材交換、根太補充
・鉄骨基礎
サビ取り、塗装
・建屋外壁
塗装
・その他
足場費用、樹木伐採
必要最低限の修理で施工してもらえるようにお願いしていた項目 + ついでだから建物の塗装も見積もりしました = これぐらいかかります~という金額。
これ全部やって私の想定金額の範囲内。
で、早速現地の業者さんに電話して、細かい内容と施工方法の確認をしてみました。
「屋根のスレートは年数の割にはまだまだ大丈夫で塗装だけでもぜんぜん保ちますよ。」
「雨漏りしてると思われる箇所は上からカバーかけるだけで大丈夫。」
「バルコニーの柱は全部ダメで、木材にするとまた腐るから鉄使いましょう。」
「手すりは既存の奴が使えるので再利用します。」
「せっかく足場組むんだから基礎鉄骨も外壁も塗装したほうがいいです。」
担当者さんの言われることにおおむね賛成。
ただ、屋根の修理が老朽している箇所の補修と塗装だけだったので、天井裏に光が漏れているのと、他の場所の軒の破損の修理を伝えると、
「え!? それは気付きませんでした。 もう一度屋根屋といっしょにチェックし直します。」
で、また数日待つことに。
数日後、電話がかかってきて、棟包みに隙間があるのを確認しましたので、新しい部材を上からカバーして、細かい箇所はコーキングで対処するとのこと。
外壁塗装のうち、白い壁の部分はどの場所も再塗装する必要のないほどきれいなので、それだけ取りやめて、その分、屋根全体の修理にお金を回してくれるよう伝えます。
最初の見積金額より少しだけ安くなりました。(^ヘ^)ウーン♪
工期は1ヶ月強。
「こっから幾らにしてくれる?」なんていう値段交渉は、不動産、建築関係の片隅で職業を営んでいるので、あまりやりたくありません。
何をかっこつけてるんだよ!と言われてしまうかもしれません。
建築コストは大半が職人さん達の日当(手間賃)です。
電化製品や生活用品のように薄利多売で商品を右から左へ売っていくのとは異なり、 工期1ヶ月なら職人さんは1ヶ月間現場に縛られるわけですから、1ヶ月分の給料が出ないと食っていけません。
職人さんの体は一つなので、多売なんて出来ないですからね。
あれもこれも完璧にやって、しかも値段を下げろと言うのでは下手したら怒らせてしまいます。
やっぱり気分良く仕事していただきたいですからね~。
『あれとこれをやめて値下げして、その代わりこれとそれはやってもらって見積もりに加えて。』というように調整を要求したほうが、工務店さん側も値段の調整がやりやすいです。
で、言われちゃいました。
「バルコニーも外壁の木部も、素人が中途半端にペンキ塗ってあってやりにくい。(-_-#)」
ス、スミマセ~ン。_| ̄V)ヒィィィ
そりゃそうです、ちゃんとペンキ乗せるために、下地をきちんとしなきゃいけないですから。
異なる素材の塗料だと、一度剥離作業しないと塗れないですからね~。
ここまでやってきた樹脂での木部補修は無駄な作業に終わってしまった。
何度も考え直します。
本当に無駄な作業だったのか、何の役にも立たなかったのか。
過去にアップした樹脂補修の各ページの評価は、役に立ったという意見が出るかもしれないし、こんな物無意味だという忠告が出てくるかもしれない。
読者の方々のそれぞれの評価を待ちましょう。
現在手を付けた柱、3番柱4番柱、それと軽傷で済んでいる2番柱は直す自信がありました。
でも、1番柱と6番柱は正直途方に暮れていました。
あまりにも腐朽が進行しすぎている。orz
防腐剤を1番柱の内部に入れる際、ドリルで数カ所穴を開けると、1㎝ほど穴を開けたところでガクンと手応えが無くなる。
そして再び木材の固い層に戻る。
ガクンと手応えが無くなる層は腐朽して空洞化している層。
この腐朽した層が柱の全周に渡っており、そして高さは一番下の手すり上まであった。
下の方へ行くほど腐朽層は広く、中芯以外はほぼ全部腐食していた状態でした。
ほぞも正常かどうかわからない。
柱の基部のデッキ板を外すと同時に重みがほぞに集中して破壊されて、柱が傾く恐れが充分にあった。
腐食部中央の黒ずんだ部分は腐朽菌の固まり。
どこからどこまでがデッキ板で、どこからが柱かわからない。
手すり下部に落下防止の束柱を入れてデッキ板を外す事を考えたが、柱の手すり接続部分自体がズンと重量が乗る衝撃に耐えられるかもわからなかった。
下の基礎材も釘穴から亀裂が入っていて、ほぞ穴の内部まで腐朽していることは目に見えていた。
これが単なる化粧柱だったら何も悩むことはなく、ぶった切って新しい柱を入れれば済むこと。
しかし現実はこの6本の柱は、屋根を支えている重要な主柱でした。
今回、修理を行う業者さんは、毎度のごとく出てくるこの構造に、またか・・・という感じ。
この時代の建物でこの構造は、この別荘地に無数と言っていいほど有ります。
屋根をジャッキアップして柱を切断し、再びほぞを切って新しい柱をはめ込むという作業、手間ばかりかかり神経の使う作業。
既存と同じ木材の柱は絶対にお勧めしないと強調して言っていました。
鉄製柱にした一番の要因。
コストは木製柱の方が安いんです。
大工さん一人の手間で済みますから。
金属製は手すり取り付け部やら溶接加工やら錆止め塗装やらで、全くのオーダー品となって値段が張る。
それでも鉄製を強く勧めたのは、木材にして今と同じように知らぬ間に腐朽が進んでしまって脆弱になったら、地震か何かの衝撃を受けた時は倒壊しやすくなるから。
屋根の棟の明かり洩れの箇所を見ていただきました。
確かにスレートと棟包みに2箇所ほど隙間が空いているとのこと。
だけど、ここから雨が入ることは激しい吹き降りでもまずありえないとのこと。
この隙間はコーキング剤で塞ぐだけで済みます。
こういう場所からハチが入り込んで来たんでしょうね。
屋根は高圧洗浄後、プライマー下地処理の後に二液性のエポキシ変性ポリウレタン樹脂塗料を塗ります。
使用塗料は
エポーレという製品。
調べたら良いと言う意見もあり、あまり・・・という意見もあり。f(^ー^;
外壁、でもトタンでもスレートでも塗れるらしいので、ペンキ屋さんが扱いやすい製品みたいですね。
耐用年数は約10~15年。
10年後にはまた塗装しなきゃです。
一度下地処理からやっておいてもらえば、重ね塗りは楽になりますからね。
今度は自分でやってみたいな~。
それまでに高所恐怖症を克服せねば! p(-x-〃)
今回、バルコニーの修繕で要望したのが「
柱とデッキ部分の分離」でした。
バルコニーに木材を使用している限り何年かごとの大規模修繕が必要になってきます。
バルコニーとデッキが一体になっている仕様だと、デッキ材、基礎材や根太の交換をする度に屋根や柱の心配をするのではたまったものではありません。
そこで提案していただいたのが柱だけ金属製にしてデッキと異なる構造にすること。
鉄製の柱は基礎鉄骨に直に溶接します。
鉄製にすることで耐久性と耐震性を高めることが可能となります。
デメリットは錆びることですけど、定期的に塗装チェックと重ね塗りで対処していきます。
木材用塗料と異なるので、養生をしっかりしなきゃいけなくなった。
今まで木材だったので、木材の感触が無くなって少し寂しいのですが。(;´Д`)
あまりにも味気ないならば、外側に材木の板貼り付ければいい。
彫刻入れてトーテムポール風にしようか。
←趣味悪~
軒天直下の軒梁はまだまだ現役。
これが腐ってしまうなんてことはよっぽどでないと起きないのでこのままです。
バルコニーの修理部分は基礎材と痛みの激しいデッキ板前列2枚目まで。
これは人工樹脂材を使用します。
途中で終わってしまったデッキ板の交換でしたが、実は私は樹脂材を準備していたのです。
購入した樹脂板は物置ステップの床板用に転用する予定。
樹脂材の欠点は木目や手触りなど樹木特有の風合いが無くなること。
日光に晒されると高温になること。(表面温度80度ぐらいまでになるらしい)
温度変化により±5㎜ほど伸び縮みすること。
温度による伸縮があるため、デッキ板同士の隙間、ビス穴のゆとりなど計算しながら組む必要があります。
値段はそんなに高い物ではありません。
25㎜x90㎜x2mで1枚2000円ぐらい。
ネット通販で購入するハードウッドのデッキ板より少し安いぐらい。
*樹脂材のみでデッキを組む場合、専用の連結金具が大量に必要になってそっちの方が高く付きます。
シロアリ来ません腐朽菌にやられません。
でも、樹脂材は腐らないか?
いえいえ劣化します。
寿命は約15~20年と言われています。
よく行く日帰り温泉の露天風呂にこの樹脂材のデッキがあるのですが、施工から8年目の状態で表面がずいぶんと劣化しています。
毎日水がかかる場所なので当然なのですが、この劣化は削っていくしか補修方法がありません。
塗料で保護する考えもありますが、メーカーサイドは基本的に塗料は乗らない(はじいてしまう)という説明をしています。
実際に実用現場では塗装している方が多いので一概には言えないようです。
このページの読者の方からハードウッドを使用されたらどうかとメールをいただきました。
アイアンウッドと呼ばれるウリン、イベ、イタウバ。
使用したいですが今付いている板の寸法が異なっていて、部分補修出来ないので今回はパス。
今の修理が終わったら、残りのデッキ破損部分の交換もぼちぼちしていくことになります。
その時には基礎材や根太だけでも、ハードウッドを使ってみようと思っています。
この家は280万円で購入したけど、5年目にまた200万円以上使います。
中古車を購入して、頻繁にメンテしてた車がとうとう壊れちゃって、また1台中古車を買う感じ。
この繰り返しかな~。(;´Д`)ノ
さて、こんな風で工務店による修繕が始まります。
工期の間はお仕事の邪魔にならぬように頻繁に行かないと思います。
工務店さんは他の仕事もいっぱい抱えている状態なので、着工は11月前ぐらいからだろうと思います。
完成は12月初旬頃。
それまでの間、周囲の木を切って遊んでおこう。
更新が滞りがちになりますが悪しからず。