作業道の終点
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前回までのあらすじ。
昨年、山の家の目の前に広がる谷あいの底の沢に到達した私は、小川の流れに沿った作られた道らしい形跡を見つけ、その道筋を辿って森の中をさまよい歩きました。
そこで見つけた物は、貯水池の手前に明らかに人の手によって構築された砂防堤と、更に森の中に延々と続く自動車1台分が通れる幅の作業道でした。
結局、その作業廃道の終着点は森の中へと消えていき、最終的に道の痕跡を見失いました。
幹線道路からどうやってその作業道に通じていたのか、未だにわからずじまいです。
探索時間が少なくなってきた私は、山の家の直下の元の場所へと引き返したのですが、山側へと向かう方向にも道が伸びていることを発見したのです。
今回はその山側へと伸びている部分の終端部を探すべく、久しぶりに森の中へと分け入ります。
参考:
原生林に立ち入るなら持って行きたいアイテム

LIFELINE FIRSTAID
(ライフライン ファーストエイド)
ファーストエイドキット(L) |

ドクターヘッセル
インセクトポイズンリムーバー
5個セット |

フルックス
強力虫よけはっかスプレー |

AMK(アドベンチャーメディカルキット)
ヒートシートサバイバルブランケット |

スター 熊よけ鈴 |

COGHLAN S(コフラン)
ベアーベル |
装備は極めて軽装。
薄手の作業服上下にヘルメット。
胸ポケットにはGPS代わりのスマホ。
腰にはマチェットと園芸用ノコギリをぶら下げて。
イノシシ除けに熊鈴も忘れずにぶら下げていきます。
森の中へ入っていく前に、建物基礎の状態を確認しました。
写真では非常にわかりにくいのですが、目視ですと明らかに雨だれによって、軒下部分の土がえぐれ始めて来ているのがわかります。
夏前の雨期が来る前に何とかしないといけません。
前回拾ってきた石の残りはたったこれだけ。(;´Д`)ノ
とりあえずひどく掘れている場所だけでも、石でカバーしておかないといけませんね。
今は冬の雨の少ないシーズンなので、これからぼちぼちと作業していきます。
谷底へと下りていきます。
雑草がはびこってきて道幅が狭くなってきました。
草刈りもやっておかないと、どんどん狭くなってきます。
しばらく進むと倒木が。Σ(゜д゜;)
倒木自体は道を塞いではいませんが、倒木にもたれかかられた細い木がしなって進行方向の障害物となっています。
この倒木を蹴倒して、折れ曲がって障害物になった細い木を切り払って、容易に進行できるよう整備しながら歩を進めて行きます。
このような場所が他にも数カ所。
たった1年間来なかっただけで、伸びてきた木の枝や、倒木の障害物で様相が変わっています。
人間一人が通れるスペースを確保するために細い枝を切り、道を確認しながら谷底へ下りていきます。
やがて谷底の小川に到達しました。
ここから少し後戻りして、立木が密生している場所の向こうがわにあるはずの、奥へ続いている道を見つけ出さなくてはいけません。
作業道は平らになっていて、若木しか育っていないような場所です。
地形を見定めてここだと思える場所から立ち木の密生地帯へと侵入開始です。
現在位置に戻りやすくするために木にテープの目印を巻きます。
今回は青テープが無かったので黄色テープ。
木々の向こう側の明るい方、明るい方へと進むと、徐々に道幅が明確になってきて、作業道の行く手が見えてきます。
森の中にぽっかりと開けた幅の広い一筋の空間を歩きます。
冬場だから太陽の光がさんさんと届いていますが、夏場だと多くの木の葉に遮られて、こんな道があるとは気付きにくいことでしょう。
距離にして僅か50mほどで前回捜索終了したカーブ地点に到達。
行く手正面は急斜面となって藪になっています。
左手は小川の流れ。
正面方向に登って行くような道は無いかと凝視しますが、全くそんな形跡はありません。
行く手右方向へと歩を進めます。
ありゃ、倒木が道を塞いどる。Σ(゜д゜;)
写真で見えにくいのですけど、数本の倒木が道に横たわって、斜めになった木はかかり木になっています。
下をくぐるのが不気味なので根の方へ回り迂回します。
細木をかき分けて迂回し、倒れた木を跨いで通ります。
足下は水があって、歩くと地面はたちまちぬかるみ状態。
どうやらここは上の小さな沢の水が流れ着いている場所らしい。
ずっと登って行ったら私の家にまで続いているんだろうな。
・・・・おっと!!
これは見覚えのある缶。
コカコーラ社の「紅茶花伝」(1992年2月発売)。
デザインが古いタイプですね。
現行製品は数年前から紅茶の文字の斜め上に、茶色のリーフマークが入っている。
その前は赤いリボンが描かれていたはず。
この缶はそれよりも前。
ただ、昨年見つけたNCAAの缶といい、この紅茶花伝の缶といい、この作業道が作られたであろう年代とは異なってもっと新しい物。
ここの周辺の家の人がこの谷に入って探索したことあるんだろうね。
途中に藪があるから、その人が貯水池まで辿り着けたかどうかわかんないけど。
って言うか、山の中にゴミ捨てて行くなよ。(`△´+)
昔の林業や鉱業の従事者が、山の中に一升瓶や空き缶を廃棄物として残していったのはよくあるケース。
未開の深い山の中に小屋を建てて、何日も生活し続けていたので自然と生活に伴う廃棄物を残置していました。
でも、これはそれとは異なる。
この谷の回りの一軒に心ないオーナーがいるってこと。
先へ進みます。
道の中央がぬかるんでいるので、端を通って歩きます。
立木を押しのけながら進むこと約50m。
突然道が狭くなり。
行き止まり。
これより奥は一筋の沢が流れているだけで、両サイドがV字型の小さな谷筋。
車が通れるような幅ではない。
どこかに曲がった進入路があったのかもしれないと、後ろを振り返り見回しても右も左も壁になっていて、道が続いているような形跡は皆無。
右は壁
左も壁
どうやらこの道はここが行き止まりのよう。
辿ってきた中で見落としがないか、横に逸れる場所があったのかもしれないと思い引き返します。
あっ!!
またもや空き缶を発見。
来る時に気が付きませんでした。
今度は錆びて非常に古い年代物。
殆ど文字が読み取れないぐらい錆びていたけど、ひっくり返して文字を判読してみます。
サントリーコーヒーの白い仮名文字が書いてありました。
サントリーについてはBOSSブランドが販売された年からはよく覚えていますが、それ以前の物は残念ながらわかりません。
実は私は建物管理業ということもあって、建物の前に置かれている自動販売機で飲料の取り扱いに長い間携わってきました。
大手各社の飲料を仕入れ販売してきたので、こういう古い飲料缶に懐かしさを感じるのです。
帰ってから調べてみました。
「サントリーUCCコーヒー」と呼ばれている物らしいのですが、ネット上ではこの製品缶と同じ物を見つけることが出来ませんでした。
ロング缶で波打つボディが特徴の物。
唯一類似の製品で、「アメリカンコーヒー」という製品がありますが、少しロゴが異なります。
サントリーは現在「BOSS」ブランド(92年発売開始)、その前が「WEST」(87年発売開始)で、上記の製品はそれよりも前の製造。
以上のことから1980年代半ば製造販売の製品と推定します。
空き缶のあった地点から左手の土手に上がり、尾根筋に沿って登ってみます。
藪をかき分け数m登ると、
げっ!!Σ(゚д゚lll)
なんじゃ?こりゃあ!
複数の倒木が折り重なって複雑に絡んで、まるで柵のように進路を塞いでいます。
くぐることも乗り越えることも出来ないので、大きく迂回して柵の向こう側へ出ます。
全く通路の無い細い立木ばかりの森の中を歩いて行くと何か見たことがあるような物が。。。
これは私が木に巻いた青テープ。(;´Д`)
森の中をウロウロしている間に、家と谷をつなぐ道の途中に出てきちゃったみたい。_| ̄|○
目印があるからいいけど、無かったらここは迷いの森だよ。
そこから谷へ下りずに来た道を引き返します。
そして再び倒木の柵付近へ。
まるでジャングルですよ。
夏場は絶対に入れない。
柵を迂回してどんどん戻り、元の地点に戻ります。
戻ってきたら、小川の奥や反対側に何か道らしき物が無いかどうか見回します。
谷の反対側の斜面は、私の家のある斜面より急な角度の傾斜で、とても車が直登出来るような斜面ではありません。
人間が登って行くのもきつい。
下の写真は、最後の曲がり角付近で、小川に沿って下流方向(貯水池方向)に向かって写した写真。
右手に小川の流れがあります。
もう少し木を切れば、車がすれ違えるぐらいの余裕があります。
これだけの幅のスペースが長い距離に渡って自然に出来ているとは思われない。
増水時に水が流れるスペースの河原だとしたら、小川に沿う太い樹木などあるはずがないからです。
別荘地の造成は本来ここまで開発される予定ではなかったのか?と思うのです。
道を引き返すついでに小川の対岸に渡って、向こう側の斜面に何か無いかと捜索しながら歩いて行きます。
この昔の航空写真にある、森の木が切り払われた場所へ通ずる何かがあるのではないかと思って。
ただ、道らしき物を見つけても、この領域はお向かいさんの敷地になるのと、かなりな急斜面なので登っては行きませんけど。
小川を対岸へと渡ります。
対岸は急な斜面。
何も無いですね。
そろそろ家へ戻る道との分岐点。
ただただ、木が生い茂るばかり。
家に戻ることにします。
探索を終えて戻ってきました。
今日はここまで。
このページを書くために写真を編集すると同時に、何か見落としが無かったか机上での精査をします。
2枚上に載せたこの写真。
え?
石積み??
それとも自然のイタズラ??
この森の中では大きめの石がまとまって露出しているのは、急な崖っぷちか定期的に水の流れに洗われる場所にしか見当たらない。
どこもかしこも大量の落ち葉の下に埋もれてしまっているのだが。
なぜここだけ?