ある夏の日
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この山小屋の日記には夜の記事は非常に少ない。
この山小屋を購入したての頃は、何回も泊まりがけで来たけれど、最近はもっぱら日帰りばかりです。
それにはちょっとした事情があって、なかなか泊まりに来ることが出来ません。
我が家のペットである2匹の猫。
このページの前身であるブログをご覧になられていた方はご存知と思います。
私にとっては子供のようなもので、かわいい2匹。
今年15歳になる老ネコのまるお。
先天性心臓疾患を持つもうすぐ5歳になるさんかく。
私がいないとこの子達の世話をする人がいないから。
基本的に私が殆どのことをやっています。
家には人がいるんだけどね。┐('~`;)┌
たまに私がお付き合いで飲みに行って遅くなったりすると、ご飯もやってないしトイレ掃除すらしていないなんて事がしばしば。
酔っぱらいながらネコトイレの掃除します。
夜に帰って来ないと2匹ともずっと玄関先で私の帰りを待っています。
一晩帰って来ないと次の日はニャーニャーとつきまとってたいへん。
この2匹がいる限り、長期旅行や宿泊は無理です。
自然と山小屋での夜の滞在はあまり無いのです。
年に1度くらいは山小屋で寝泊まりしたいと、会社から一度帰宅してニャンズのお世話をした後で家を出ました。
山小屋に到着して、まだ日中の熱が残っている家の中に、涼しい夜風を入れてやります。
ベランダから空を見上げたら月。
今夜は雲が多い夜空で星はあんまり見えません。
今年は猛暑と言っていたけれど、朝晩がとても涼しい。
ここ数年、日中は37度、38度となっていた気温もまだ32~3度止まり。
もしかしたら、今年は冷夏なんじゃないか?と思うぐらい夜が過ごしやすい。
この時期、母屋に明かりを付けたら、たちまちどこからとも無く虫達が飛んできて、網戸が開けられなくなるぐらいなのに、今年は殆ど虫が来ない。
夜に鳴く虫達の声もあまりありません。
例年とは何かが違う夏の里山。
こんな山奥のあばら屋では、
夜はな~んにもすることがねえですよ。(;´Д`)
何度か読んだ雑誌か本を眺めるか、撮り溜めしてある映画を見るかぐらいしかすることはありません。
せっかく涼しい晩になったのだから、山小屋らしくランプ一つで過ごすことにします。
プリムスのガスランタン。
蒸し暑い夜だとこの発熱でさえも暑苦しい。
でも、今夜のこの気温ならば大丈夫でしょう。
問題はだ・・・・
このガスカートリッジ。
物置から出てきた、約30年物!! (゚Д゚;)・・
ガス缶の表面がところどころ錆びていて、ガス漏れは起きていないけれど非常にあやしい。
カートリッジ上部の口金内部にはゴムパッキンが入っている。
このパッキンが正常に動作するかどうか?
メーカーページによると、ガスカートリッジのパッキン部の劣化による事故を防止するため、2-3年以内に使って欲しいと書いてある。
大丈夫とは思うけど、いきなりガスが噴出してボンッ!っと爆発するんじゃないかと戦々恐々。
ランタンのホヤを焼いて準備完了。
カートリッジに本体を装着します。
しっかりとねじ込んで、本体のバルブを少しずつ開けます・・・・
あれ?シューッとも言わない。(・ω・;)
ダメなのかな?と思ってカートリッジから本体を外そうと緩めたら、シューッとガスが漏れてきました。
こ、怖え~よぉ~。(ノД`)・゚・
あわてて再度ねじ込み、もう一度バルブを開けていくと、しばらく間をおいてシューッとホヤの内部にガスが流入する音が聞こえてきます。
すぐさま点火スイッチをON!
爆発することもなく、炎が燃え上がることもなく、無事周囲を明るく照らし出し始めました。
バルブをひねって明るさを調節します。
やはりこの手はオイルランタンと異なり明るいですね。
夜を過ごすにはこれで十分です。
明かりに近づくとやはりまわりの温度が高い。
蒸し暑い夜だったら無理だな。
このカートリッジは1度っきり。
本体を外してもガスの噴出は止まりそうもないので、朝まで炊いて使い切ってしまいます。
まだ6缶も残ってるよ。(;´Д`)ノ
深夜にエアマットに敷いた寝袋の上に横たわりました。
寝ている間、寒くなってきて一度目覚め。
広げていた寝袋を体にかけ直して熟睡。
ここ数ヶ月、毎日の睡眠時間は5~6時間ほどでした。
夜明けの早いこの時期、ニャンズが朝メシをくれと、遊んでくれと早朝に起こしに来ます。
無視して寝ていてもどうしても眠りが浅くなる。
今日は、ふと目覚めても、「寝ておけ、寝ておけ」と自分に言い聞かせうとうとします。
外も室内もすっかり明るくなり、徐々に室温が上がってきて眠れなくなってきたので起床。
時計は午前10時半を指しています。
久しぶりによく寝た。
起き出してきてコーヒーでも飲もうとお湯を沸かします。
温度計を見ると28度。
こんな時間に朝食と言うのも中途半端だし。
ちょっとおしゃれにブランチとしますか。
お湯を沸かしている間に洗顔と歯磨きを済ませます。
私は料理は出来ます。
和食、中華は一応基礎は学んで、レシピさえあれば料理をすることを厭いません。
たった一人で一食作るために食材を用意すると後始末に困る。
常住しているわけではないので調味料を揃えるわけにはいかない。
自ずから食事はレトルト、又はインスタントになりがちです。
今朝のブランチもレトルトとインスタントの組み合わせ。
来るときにコンビニに寄って一食分のレトルトフーズを購入してきました。
メインディッシュは「
牛肉のデミソース煮 赤ワイン仕立て」。
1パック399円とちょっとお高め。
手に取って、うまいのか?大丈夫か?と呟きながら買い物かごに入れてきた物。
初めて買ってみました。
近頃のレトルトフーズは侮れない。
けっこう美味ではある。
とは思うものの所詮は冷蔵物。
と言う考えが頭の片隅にあります。
袋の中身を皿に移し、説明書きにあるとおり電子レンジで温めます。
出来上がったら、すっかり日が高くなった山の景色を眺めながらいただきます。
う、うまいじゃないか! ( ̄□ ̄;)!!
意外だった。
これは美味い!
赤ワインのソースが柔らかい牛肉を引き立てていてフレンチをいただいているようだ。
町中のレストランで同様の物を注文したら幾ら取られるだろう?
一皿1,200円か2,000円ぐらいか。
よくテレビでやっているような高級レストランなら、同量で5,000円ぐらいするんじゃないか?
中身は高級レストランの物とは異なる質だろうけれど、この味でこの値段なら文句を言うヤツなんていないだろう。
あまりにもおいしいので皿に残った汁まで舐めてしまった。
子供や人前では決してしないことだ。
誰も見ていなくて一人だからこそ出来る。
汁まで舐めて味わい尽くせるなんて何てメリットのあるレトルトフーズだろう。
至極の贅沢だ!(゚∀゚)
ここで一つ私はあることに気がついた。
すごく後悔した。
しまった、オレとあろう者が・・・
なぜもっと浅い皿に入れなかったのか!
舐めにくいったらありゃしない。
僅かに残った汁をぬぐい取って食べられるパンでも買ってくれば良かった。
残念だが仕方がない。
食べ終わったあと、未練を断ち切ってかすかにソースの残った皿を、キッチンシンクの洗い桶に沈めました。
さあ、今日は何をして過ごそうか?