山の古別荘のDIY記

今年はやっぱり変

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 夏は暑い。


 敢えて書くまでもなくそれは当たり前の事で、四季がくっきりと分かれたこの国では毎年やってくる高気温の時期。
 ここ数年は日中は35度前後、夜間でも30度を下回るか回らないかの猛暑が続く8月。
 昨年など日中の暑さに耐えられず、逃げ出すように山を下りてくることもあった。

 せめて夜の山の中だけでも涼しいんじゃないか?
 台風の余波で心地よい風が吹いているんじゃないか?
 と期待して山小屋へと向かいます。


 夜の高速道路の主役は大型トラック。
 8トン以上の大型トラックは最高速度規制がかかっているので、どの車もほぼ同じ速度で走っています。
 昼間のように極端に遅い車や、猛スピードを出して疾走する営業車などは殆ど無く、一定の流れが出来上がっているので昼間より安全。
 渋滞に巻き込まれることもなく、速い車に煽られることもなく、マイペースの速度で夜の里山へと辿り着きました。 






 真っ暗闇の森の中に前回取り付けたソーラーガーデンライトが明るく階段を照らしていました。
 毎回、必ず懐中電灯を取り出していたので、これはありがたい。
 階段の雑草が伸びてきていて、真っ暗だったら足に触って不快な思いをするが、全面が照らし出されているのでよく見える。
 

 階段の一番下のライトだけ点いていない。(*。*)ホヨ?






 これだけ不良品だったのかなあ?
 と思ってカメラで撮影すると、フラッシュの光がエネルギーになったのか、ほんの数秒だけ明かりがともってすぐに消えた。
 どうやらこの場所は母屋のひさしに近いため日照時間が短くて満充電とはならないようだようだ。
 明日、一番にこの場所からもう一段上の杭に移動させよう。


 鍵を取り出して屋内へと入ります。



 


 日中の太陽にあぶられた母屋は、むっとした熱気を帯びていて息苦しいぐらい。
 すぐに全ての窓を開け放ち、扇風機を付けて外気を呼び込みますが、外の気温はそんなに低いわけではない。
 来る時に国道に備え付けの気温表示は26度だった。
 建屋自体が熱を帯びているので室内気温は簡単には下がらないだろう。


 何もしなくても汗が出てくるので早速シャワーを浴びます。
 すっきりして浴室から出てきて、缶ビールを空けて一口すする。

 レンジの上に置いてある温度計に目をやる。




 
 30度を少し超えた室温。
 
 これは寝苦しい夜になりそうだ。(´ヘ`;)



 ビデオデッキ代わりにしているパソコンを立ち上げて、撮りだめしている映画を再生。
 扇風機の風に当たり、ビールをちびちびやりながらソファでくつろぐ。


 今夜の森は静かだな・・・・・


 えっ!?
 


 ソファから立ち上がって真正面のサッシのカーテンを開けて外を見てみる。
 いつもならびっしりと網戸を埋め尽くすほどの虫達が光に誘われて群がっているはず。

 いない!!


 恐る恐る網戸を開けてベランダに出てみる。
 蛾どころか蚊すら飛んでいない。

 ベランダに出て室内の方に振り返る。
 網戸にには小さな蛾のような虫が1匹とまっているだけ。
 毎年、網戸を開けた瞬間に数匹の蛾や蚊が舞い込んできて、耳元で蚊うなりを響かせ、あわてて殺虫剤を撒いたり蚊取り線香をつけたりするのだが。



 春から夏にかけてカメムシもいなかったし、雨戸を開ける時にあわてて飛んでいく蛾もいなかったし。
 今年はとにかく変。

 生態系に重大な影響を及ぼす特異な気候だったんだろうか。


 ベランダに出て夜空を見上げる。←こんなこといつもなら出来ない。
 静かにしているとすぐ下の沢筋の方角からゴソゴソ、バキバキと音が聞こえてくる。
 鹿か猪が沢のヌタ場で泥遊びでもしているようだ。

 時々、ジジッ、ジジッとセミの鳴き声だけ聞こえる。
 セミはいるようだ。


 静かな静かな、こんな夏の夜を過ごすのは初めて。
 こんな年回りもあるのだな。
 



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