山の古別荘のDIY記

焦らず焦らず

★目次ページに戻る


 我が家の老猫のまるおは今年の9月で16才になります。
 先天的に関節が硬くて骨瘤が出来やすい上に、足腰が弱ってきて高い場所にさえ飛び上がらなくなって、目立ってヨボヨボになってきました。
 夏場の暑い時期は家の中で一番涼しい玄関でひたすらゴロ寝。
 メシ時にしか動こうとはしません。





 約1年前から下痢が続き、水も通常の3倍ぐらい飲むようになって、毎日嘔吐。
 5.6kgあった体重が半年ほどで4.3kgにまで激減してしまった。

 医者に相談したところ、
 「高齢による消化器官の機能低下、もしくは、腎臓機能低下で水分を取りすぎるので、下痢になるのでしょう。 もしかしたら糖尿病かも。」
 「精密検査をしてみてもいいけど、おそらく年齢による物で医薬品などで治るような物ではない。」
 と言う見立て。

 食事内容を高齢用、消化器サポート用に切り替えて療養を続けていますが、1日ごとに下痢したり正常な便を出したりで一進一退。
 スープタイプの食事を多めにしたり、カリカリを砕いてあげてみたりして工夫しています。
 まあ、食欲だけは十二分にあるようなので、しばらくは大丈夫かな?


 この老猫のまるおは小さい頃から天然ボケだったけれど、最近痴呆気味になってきて人間の生活時間帯との境目が少しずつ薄れてきたよう。
 夜明けと共にお腹が空くのでしょう。
 表が明るくなる少し前に「メシをくれ!」と鳴き叫んで起こしに来ます。
 今の時期は午前4時半から5時の間。

 最初の頃は私も寝ぼけ半分だったので、「うるさいっ!」「あっち行け!」と追い立てたり、寝室の外へ放り気味に追い出したりしていた。
 数ヶ月前に認知症ぎみになってきたんだと気付いた。

 ペットも認知症になります。
 どんどん痴呆が進んで、暴れたり、足腰が弱ってもっとひどくなると言うケースも聞いています。
 人間も猫も長生きすれば同じ。
 オムツしてくれるかな~?( i ◇ i )

 もし、癌や慢性腎不全などで余命幾ばくかというような不治の病になってしまったら。
 もう立ち上がることも出来なくなって、死ぬまで苦しむしかないという状態になってしまったら。
 医師と相談して安楽死を選んであげようと思う。
 その時が来るまでこの爺さん猫を介護してあげましょう。



 今はまだ食ボケだけなので、お腹が一杯になれば収まる。
 眠い目をこすりながらしぶしぶ起き出して、食器にカリカリを入れてあげます。
 そして、出勤の準備に入る時間まで二度寝という日々。

 毎日の睡眠時間が4~5時間というのがずっと続いています。
 日曜日も祝日もおかまいなし。
 俺が生活習慣病になっちゃうよなあ。( ´Д⊂ヽ




 もう一匹のさんかくは今年で6才。
 この子は長生きは難しい。 天に任せるのみ。



 自宅で寝ているとネコに起きろ起きろとせがまれるので逃げ出してきます。

 山の家は私にとって唯一の朝寝が出来る場所になっています。
 最近は前日夜遅くにやってきてひたすら寝る。

 今日の目覚めは午前10時前。
 森はセミの声で埋まっているけれど、ぜんぜん気にならないぐらい深い眠りについていました。
 蒸し暑かったので扇風機をかけたまま寝ていたので体が少しこわばっている。
 遮光カーテンを開けると表は夏の里山。







 そろそろ活動しましょうか。






 コンビニで買ってきたカップスープで軽く朝食を済ませた後は、着替えして表に出ます。
 まずはガーデンライトの位置変更から。





 アルミワイヤーを取り外して、もう一段上の杭に取り付けます。

 太陽は既に中天にさしかかっています。
 鋭い日差しは熱いと言うより痛い。(>ω<)

 台風の余波の風があると思っていたのが、ほぼいつも通り。
 ほんの少し動いただけですぐに汗が噴き出します。
 堤防での釣りで太陽光には体を慣らしてあるとは言え暑いものは暑い!


 ささっと取付を済ませたら次は雑草の刈り取りと、木の剪定。

 6月に刈り込んだのにもうこんなに伸びてきている。





 驚異の生命力。
 切られても切られても尚、枝葉を伸ばして天へと伸びようとします。


 ガーデンライトの高さより低くなるように、植木バサミで徹底的に短くします。






 この木は冬になっても葉は全部落ちない。
 スカスカにはなるから中心部の切り株が見えるようになるのだろうか?


 お次は階段の雑草を刈り取り。





 今年は植物たちにとって最適な気候なのか成長の度合いがすごいです。
 木を切り倒して日当たりが良くなったせいか、シダ類に変わってススキがあちらこちらかで穂を伸ばし始めました。
 ススキも放置しておくと始末に負えなくなります。
 どんどん背が高くなって、メインの植木のツツジの上にまで葉を伸ばしています。
 階段の両サイドに生えた雑草はハサミで刈り込み、階段に生えた雑草は草刈り機で一気に刈り取ります。






 Tシャツは既に汗だく。
 頭に巻いたタオルも水分の保有限界を超えて額や頬に汗が流れてきています。
 箒で草をかき取ってちり取りに入れていたら、ふらっときました。


 ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!!


 熱中症の始まりの予感。


 夢中になって炎天下で1時間半ほどぶっ続けで作業をしていました。
 この間一滴の水分も取っていません。
 キリのいいところで涼しい風が通り抜ける木陰に入って休憩します。






 セミの声が山を埋め尽くしています。
 その他の虫や鳥たちは、木陰で熱気を避けているのでしょう。
 姿は見えません。

 暑い中での長時間の作業は無理がある季節です。
 釣りだと海で冷やされた風が吹いてくるのでそんなに暑さを感じないが、山の中は空気を冷やす物が無い。
 海と山とでは少し状況が異なる。
 作業は午前中だけにして、午後は早々に帰る予定です。

 汗でぐっしょり濡れたシャツをパタパタとめくって風を入れ、熱くなった体を冷やす。
 少し体力が落ちたかな?


 町内会の先輩に言わせると、

 「55才になったら一度ガクンと体力が落ちる。 60才を超えたらもう一回。」
 
 いつまでこういう作業が出来るだろうか?
 農作業程度ならけっこうな年になっても出来そうだけど、猛暑とか酷寒とかの時期は無理が出来なくなるんだろうな。
 そのうち車の運転も怪しくなって・・・・。


 『あと10年かな。』



 昨年もこんな事を考えていた気がする。f(^ー^;
 たぶん、来年もこの時期に同じ事を呟いているんだろうな。

 病気とかにならなければ、途中でくたばらない限り、まだあと10回以上ここで夏を迎えられる。
 焦ることはない、焦ることはない。







 アマゾンの釣り紀行「オーパ!」で有名な故開高健氏が著書で、

 『悠々として急げ!

 という言葉を残しています。

 20代、30代の頃にむさぼるように読んだ氏の著書に、この言葉が出てきても正直言ってピンと来なかった。
 人生の訓戒であるということは文字からわかるのだけど、もちろん言っていることもわかるのだけど、時間がたっぷりとあった若い私にはそこまで胸の中に染みることはありませんでした。

 人生の終盤戦へと突入してきて、満足に活動出来る残りの年数を両手の指で数えられるようになって、ようやくこの言葉に含まれている様々な意味合いの重みが少しずつ見えてくるようになりました。
 いや、まだ、まだ、おぼろげ。
 全部はわかってはいないけれど。

 おそらく、この言葉の中に見え隠れしている意味が全て実感として理解した時は、がむしゃらに必死に向こう見ずに進んできた活動が終わる時なのだろうなと思います。
 喜びも、悲しみも、笑いも、怒りも、希望も、憤りも、発見も、諦めも、全てその時、その場所に、残さざるを得なくなってしまう時。


 この森で私のやりたいことが最後まで出来なくてこの地を訪れることが無くなっても、この森は変わらないし、この谷はここにあるし、生き物たちは生を営んでいく。
 何も変わらない。
 焦らず、悠々と過ごしましょう。



 隣地に立っている松の木。
 このあたりで一番大きな木。
 私がいなくなってもこの木はここで谷を見下ろしているのだろう。



 私は毎日の通勤は主に電車を利用しています。
 朝が早いのでぎゅうぎゅうの満員ではないけれど、それでも少し混雑気味。
 終着駅に着くとまだ扉は開かないのに回りの乗客が一目散に出口に群がる。
 中には人の背中を突き飛ばすように押しのけて、我先に前へ前へと急ぐ。


 扉が開くと、狭い階段にアリのように群がってがむしゃらに上っていく。

 何をそんなに急いでいる?
 遅刻しそうなのかい。
 一分一秒に命をかけているのかい?

 まだ扉も開いてないのに。
 そんなに慌てて何を焦っている。

 人を押しのけてでも早く進めば、給料が10円でも上がるのですか?

 私と同年代か年下のサラリーマン諸氏。
 か弱き女性に体当たりして、スミマセンも言わずに必死で出て行く、腹の突き出始めた中年を見ると情けなくなる。

 みっともねえなあ。






 日陰で佇んでいると少しだけ熱くなった体が冷めてきた。



 ここで私は、正直に白状する。


 実は、今日は靴下を忘れた。 (;´д`)


 替えズボンもシャツもパンツも持ってきているのだけど、唯一靴下を持ってきていなかった。
 サンダル履きで来たから履いてもきていない。

 マダニや毒虫が怖いので屋外の作業はサンダル履きでは出来ない。
 仕方がないから素足のまま作業ブーツを履いて動き回っていたのだけど、そろそろ靴の中が限界だと言うことに気付いた。ΣΣ(゚д゚lll)

 これ以上中が蒸れると水虫になっちゃう。

 
 休憩のつもりだったけど昼食にしようと母屋へ戻ります。




 ぬ、脱げない・・・。( ̄▽ ̄;)


 ブーツの中が汗と蒸気ですっかり濡れてしまって、なかなか脱ぐことが出来ない。

 「うわあ!匂いが残るかな~!(>ω<)」

 と、独り言を呟いて強引にブーツをはずす。
 靴の中敷きも一緒に出てきて、冬場なら湯気が立っているのが見えるだろう。

 カビ生えないかな?
 ホウ酸水でも染ませておこうか。 
 



★目次ページに戻る

▲このページのトップへ



トップページに戻る