ペルチェ冷却ベスト(前編)
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それは別荘へ行く1週間前のこと。
1週間前の事柄から説明しないと今回の記事の趣旨が見えなくなる。
毎年、年に3回ほど北陸のご先祖の田舎の休耕田へ草刈りに行っています。
この休耕田は私が所有する土地。
相続で転がり込んできたもので、欲しいと思って手に入れた土地ではありません。
今年も梅雨前の草刈りは順調に終えていました。
梅雨前の休耕田
梅雨明けに行う草刈りが年に最後となるわけですが、ここ数年は35度平均の気温。
照りつける太陽の下、100坪ほどの小さな土地の草を刈り取るだけで熱中症寸前。
小便が真っ赤になるぐらい脱水症状を起こしてしまうほど、極限まで体力を消耗する重労働となっていました。
いつもなら家族同伴で訪れていて、道具の準備や脇のあぜ道の草刈りなど手伝ってくれていたのですが、今年は夏の暑さにめげて誰も来てくれない。(×_×;)
往復740kmを一人で運転して、しかも日帰り。 体力が持つかどうかわからん。(;´д`)ノ
これまで、通気性の良い夏用インナーシャツと頭に汗止めたおるという軽装でやっていましたが、さすがにそんな装備では持たないだろうと考え新しいアイテムを検討したのです。
空調服を着るのは当然のこととして、その中に更に涼を得るアイテムが欲しい。
保冷剤や水冷服は炎天下では1時間も持たないし重量が重くなる。
そして見つけたのが昨年ぐらいから販売された「
ペルチェ素子冷却ベスト」。
電気で温度変換をするペルチェ素子用いたベスト。
小型冷蔵庫やCPUクーラーなどに利用されている。
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*上の商品は代表的なワークマン社のペルチェベストだけど実売3万5千円前後と高い。
これを使えば最低でも熱中症は回避できるんじゃね?
そう考えた私は早速導入を図ったのですが、これが結構高価。
日本製は高いので中国製を物色して良さそうなものを選び出しました。
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*この2社の違いは付属するバッテリーの容量の差。
製品は同じものと思う。
クーポンと貯まっているポイントを用いて、モバイルバッテリー30000mAhが付属された右の製品を¥12900円で入手したのでした。
製品が届いてすぐに着用してテストしてみます。
冷却板がワークマン社の製品は首元にあるのと違って、この製品は背中の中ほどにあります。
(
これが後々しまった!と思うことになる)
電源をいれると1分も経たないうちに冷却板は冷たくなってきて、水滴が付くぐらい冷えます。
これはいいんじゃね!(゚∀゚)
普通にベストを着込む感じで着てみたら、ペルチェ素子の冷却プレートが肩甲骨の下に来ます。
冷却プレートが衣服から少しでも離れると冷たさは感じられない。
ベルトをぎゅっと締め付けて密着させないと効果がありません。
プレートが当たる部分は冷たいけれど、冷却ファンから排熱の温風が出てきて肩の部分が生暖かい。
これは空調服と併用する補助アイテムのようなもんだな。
最初からそう推測していたので上から空調服を羽織ります。
排熱が進んで冷却板がより冷たくなったような感じがしました。
使い方の習得と簡単なテストを済ませ、いざ現場へと持っていきました。
朝から車を運転して到着したのが午前11時30分。
既に気温は高く(あとでこの日の気温は34度だったとわかった)、車外に出るだけで暑い。
曇りという天気予報は思いっきり外れて、太陽がギラギラと照りつける田舎の休耕田にやってきました。
5月末に一度刈り取ったはずの雑草は腰の高さにまで伸びている。
前回、最後に除草剤を撒きましたが、時間が経てばこうなります。
除草剤を撒かなければこの草は目の高さぐらいにまでなります。(この草はカヤ)
向う側にある背丈以上に高く草が伸びてしまった箇所は他の方の小さな土地。
もう誰も来なくなったようです。
余力があればあれも刈ってやるよ。
だって、今回は新冷却アイテムがあるんだから。ヘ(~~▽~~*ヘ)
この時はそう思ってました。(;´д`)ノ
時間が惜しいので着替えて田んぼに向かいます。
いつものごとくポタ電を使った草刈りの開始。
・・・・それから30分後。
暑い! 空調服も冷却ベストも効かん!(;´д`)ノ
30分ごとに草刈り機のモーターを休ませるという段取りが、暑くて自分が30分ごとに休まないと体が持たないという現実。
こんなはずじゃなかったんだが。
ペルチェ冷却ベストは肩甲骨の下でかすかに冷えを保っているが、背中に密着しなくてあまりその効果を感じられない。
おまけに、帰ってから動画を見て気付いたんだが、草刈り機のハーネスが空調服の送風を阻害して意味のないものにしてしまっていた。
空調服のファンシステムは4年も前にホームセンターで購入したもの。
今の最新の爆風ファンと比較したらそよ風が出ている程度に過ぎません。
しかもご丁寧に太陽熱を吸い込むようなカラーの空調ベストを着ているし。(;´д`)ノ
基本的に私が空調服を使用するのは日陰の室内作業。
猛暑の炎天下では安価なファンでは何の役にも立たない。
これも誤算の一つ。
作業開始から3時間。
汗みどろになりながら、へとへとになって草刈りを完了しました。
もちろん、お隣の土地なんか出来る余裕などありません。
早くエンジンかけて車の中で涼みたい。
急いで片付けました。
あとはゆっくる帰るだけ。
帰路はかすかに熱中症気味。
少しだけ頭痛がします。
やっぱり小便は真っ赤になってたよ。(;´д`)ノ
腎臓壊すぞ、まじで。
ここまでの動画:
帰ってきてから悔しくて仕方がない。 大金はたいて新しいものを買ったのに役立たずだなんて。
ペルチェ冷却プレートはしっかりと冷えます。
電源入れると結露の水がうっすらと付着するぐらい冷えます。
完全にクソグッズというわけでもありません。
この素子冷却分だけでも効果的な位置に装着できれば決してお金の無駄にはならない。
ネッククーラーも冷却リングも首筋を冷やすものです。
首筋には太い血管が通っているので熱中症対策にもそこを冷やすのが効果的とある。
これは体に当たる部分が悪いんだと気付きました。
ベストの冷却プレートをもっと上に上げられないか?
自宅で色々検証してみることにしました。
ペルチェ素子の作動部はベストから取る外すことが出来るので、場合によってはベストを大改造しても構わない。
実験の結果はビンゴ!
ショルダーベルトを最短に詰めることで冷却パッドを肩の位置に持ち上げることが出来ました。
着心地も窮屈ではなく動くのも問題ありません。
冷却プレートは常に体に密着している状態を保っていて、冷感をしっかりと感じられます。
あとは炎天下の屋外作業でこれがどこまで通用するか。
いざ、別荘へ!
後編に続く