山の古別荘のDIY記

雨と雲が乱舞する森

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 車を運転している最中からぽつりぽつりと降っていた雨は、山の中に入ってきたら本降りになった。
 車を降りて荷物をおろして母屋へと降りる階段に足を運ぶ。
 暗い・・・・。
 いつもなら石段を照らしてくれているはずの数基のガーデンライトが点いていない。

 早々と電池の寿命が来てしまったのか。





 毎日充電を繰り返して、毎晩休まず階段を照らしてくれているはずの充電池。
 だいたい3年ほどでお亡くなりになる。
 物によっては1年ぐらいしか保たない。

 「また散財だよな~。」

 1個ずつは1000円ぐらいだけど、同じ時期に設置しているものだから一斉にダメになる。
 となると数千円の出費となって少しばかり痛い。


 傍らを見るとカマキリが雨宿り。
 ふと上を見上げると見事な女郎蜘蛛の巣。





 いつも思うが、しっかりと編み込まれた蜘蛛の巣は芸術作品。
 どれぐらいの時間がかかったろうか。どれぐらい空中を歩いただろうか。
 邪魔にはならないし壊すのは忍びないのでそっとこのままにしておきます。


 10月に入った途端に気温がぐっと下がり、今夜は肌寒い。
 春秋用の寝袋と毛布にくるまって就寝。




 翌朝も雨。
 雲が低い位置まで降りてきていて、向かい側の山肌をかすめて過ぎ去っていきます。
 幽玄とまではいかないが見飽きない。





 不快害虫がやって来ないのはいいのだけど、ベランダにずっと出ているのは肌寒い。
 
 車に積んだままの荷物を取り出すため屋外に出てみます。
 カマキリちゃんは相変わらず同じ位置で雨宿り。





 蜘蛛君も餌になる昆虫が飛んでこないのでじっとしたまま。
 種を残して秋が深まれば消えていく者たち。
 残り少ない命の時間は全ての昆虫たちに等しく与えられているよう。



 こんな雨の日は家の中で遊ぶ。

 カーテンを持ってきました。
 管理する物件の住人さんが引っ越しの際にいらないと言って置いていったもの。
 普通のカーテンならば廃棄してしまうのだけど、今回は一間半の大きさで遮光カーテン。
 新品で購入するには少し高いもので、一間半のサッシのある部屋数は少なく、めったに入手出来ないカーテン。
 きちんと洗濯を済ませてこちらに持ってきました。

 今、リビングに吊ってあるカーテンは一間用のもの。
 2枚ワンセットでは寸法が足らないので、1セット半、つまり3枚のカーテンを吊っていました。
 これも住人さんからのいただき物だったのだけど、この機会に廃棄します。





 この別荘の調度品はいただき物が多い。
 机もソファも絵画も前のオーナーさんの残置物。
 冷蔵庫もエアコンも住人さんの放置品をいただいた物。
 自分で購入したもので大きな物はテレビとラックぐらいのもんか。


 新しいカーテンを左右とも吊ってあることに気付いた。

 微妙に寸法が足らない!




 
 あと10センチ、僅か10センチ。
 隙間が空いてしまう。

 どんだけ長いカーテンレールやねん!(;´д`)ノ

 昔の1本物のカーテンレールなので、短くするにはカットしなきゃいけない。
 外すのは面倒だし、上手にカットできる自信が無いので、左側のカーテンは端っこのフックを利用せず、レールの途中にテープを巻いて止まるように工夫した。
 足りない部分は光が入ってこない位置なので問題無いでしょう。





 カーテンを吊り終えたら工作を開始します。





 作るのは「」。

 いい年をしてクレーンゲームに夢中になって、腕前が上達してグッズを幾つも取れるようになったのはいいけれど。
 アニメのフィギュアなんかが増えてきた。
 漫画ONE PIECEのものばかり。
 自宅に置く場所が無いのでこっちに持ってきたんだけど、いつの間にか山のようになってしまった。

 捨てるのは惜しいし、かと言って誰も貰ってはくれない。
 どうせなら飾って楽しもうじゃないか。と言うことで棚を作ってデコレーションすることにしました。



 ホムセンで売られている既製品の棚は小さくて、大きな物を乗せることが出来ない。
 そこで、採寸して木の板を買ってきました。


 棚は仕事でもよく作ります。
 賃貸の物件なので入居者は勝手に壁に穴を開けて棚を作ったり出来ない。
 部屋のリフォームの際に、ここに棚があったら便利だよな。と入居者のために棚を作ってあげています。
 洗濯機の上とか、トイレの壁とかに小物を置く棚があると何かと便利。
 評判は良いです。





 この棚と言うやつ、少しばかりセンスが要ります。
 何を乗せるものなのか、どれぐらいの大きさにするか、どこに付けるか、高さはどれぐらいか。
 色は、形は、ステーの形状は。

 壁に穴を開けるので失敗は許されない。
 イメージと実際が食い違っている場合があり、取り付けてみないとわからない。
 最悪、壁にビス穴を作ってしまうことになる。
 ビス穴の補修方法は心得ていますが、よく見ればわかってしまう。


 2枚の棚板を作って予定の位置に取り付けます。





 片方を仮止めしてから水平を取って本止めします。

 1つ取り付けたらその上にフィギュアが充分に入るよう間隔を開けてもう一つ。





 ソファに座って見上げてみる。

 ちょっと高いか・・・・(×_×;)

 ここ以外いい場所を思いつかないので今回はこれでいいでしょう。



 フィギュアの中から数点選んでジオラマ風に置いてみる。
 白ひげとシャンクスのワンシーンを再現してみた。





 (゚∀゚)アヒャ♪ いいんじゃない!

 なんかカッコイイ!


 すっかりリビングがオタク部屋になってしまったが・・・・(;´д`)ノ





 表は土砂降り。
 落ちてくる水滴が写真に映るほどの猛烈な雨。





 「やる事が無くなっちゃったな。」

 後片付けと少しばかり掃除をして帰り支度を始める。
 窓から見える風景は刻一刻と姿を変えて見飽きることがない。
 それもあと僅かで闇に包まれていく時間。





 また冷たく厳しい季節がやってきます。
 冬を越えられない生き物は消えていきます。
 命は受け継がれてまた新しい生き物が姿を現すでしょう。
 森は終わらない。


 次回は灯油を買ってきたほうがいいな。 


 動画:*動画の内容は記事とは少し異なります。





 脳梗塞で入院した母は、一日の殆どを寝ている状態。
 左半身麻痺が残ってしまったけど完全に動けない状態ではなく、寝返りも打てるし、リハビリの時間には介助してもらって車椅子に座ることも出来る。
 お見舞いに言ったら目覚めて返事もしてくれるし、思考もはっきりしている。
 床ずれになりにくいのが幸い。
 でも、すぐに寝入ってしまう。

 脳の細胞に酸素が充分に行き渡らないのか、懸命に回復させようとしているのかはわからないが、すぐに脳が疲労してしまって休もうとするらしい。
 脳梗塞の後遺症。

 こんなになる前に二度ほど前兆があった。
 春先と真夏に。
 医者に診てもらったにも関わらず、夏には救急搬送されて精密検査を受けたにも関わらず、脳梗塞を発見できていなかった。
 私自身に医学の知識が無いし、経験も無かったので仕方がないと言えば仕方ないが、もっと早く気付いておればと悔やまれて仕方がない。


 病室に入ってもすやすやと寝ている母の顔をただじっと見ているだけ。
 会話も何もすることもなく10分ほど過ごして帰る。 



 母の人生は苦労ばかり。
 悲しいこと、辛いこと、苦しいこと。
 我が家に嫁いできてから60年以上、影で家族を支え辛苦を重ねてきた人。
 だから、もう寝させてあげよう。
 最後の時が来るまでゆっくりと休ませてあげよう。
 そう自分に言い聞かせて病室を出る。

 安心して、次の世代はちゃんと育ってきているから。






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