山の古別荘のDIY記

シロアリがどこかにいる

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 今年は虫が非常に少なく感じます。

 昨年の今頃はまだ多くの昆虫たちが飛び回っていました。
 バルコニーでぼーっと景色を眺めていたら、ハチか虻か何かが、コチンと私の頭に当たって飛び去っていく、なんてことが往々にしてありました。マジ話です。




 雨が多いせいで出てこないのか、朝晩涼しくなって早々とその一生を終えたのか。
 なんにせよ、安心してバルコニーでぼーっと出来ます。
 スズメバチはこれからだが。


 玉砂利を敷設していたとき、「蟻道」(ぎどう)があるのを発見しました。


 蟻道とはシロアリが家屋に侵入するために、土などで作ったトンネル状の通路。
 見つけたときにはシロアリの存在はなく、トンネル自体が崩壊していました。
 蟻道の辿り着いたところが鉄板で遮られてていて、、家屋への侵入をあきらめたような形跡と判断。


 この山の家の敷地内かそれともすぐ近くに、シロアリのコロニーがどこかにあるみたいです。

 もしかしたらもう既に家屋の中に侵入しているかもしれない、再び侵入を試みるかもしれないということで、徹底調査と殺虫剤散布を行いました。



 木部には浸透性の高いスプレー剤、予防のためにベイトタイプ(アリが巣の中に持っていって全体を壊滅させる物)。
 これ以外に粉剤等数種類用意した。




 室内外の木部を目視と、壁など叩いての音でのチェック。
 開いて内部を見ることが出来るところは開いてみる。
 蟻道のあった場所は特に念入りに。
 
 ヘルメットを被って床下に行きます。
 こう言うとき、高床式は簡単に入れるのでいいですね。






 ライトで照らし、写真撮影(後でパソコンで拡大して細部まで見るため)。
 全ての接地面、全ての基礎、全ての床面下部をチェックします。

 一通り見ましたが、他に蟻道は見当たらず、屋内にいるような形跡が無いので、次に床下にある落ち葉や枯れ枝、木材類を片付けて基礎部から遠ざけます。


 この家の玄関部分は西向きですが、建屋と山の傾斜と樹木類に遮られていて、一日のうちで日が差す時間はわずか。
 しかも、雨が降ると雨樋からの水滴が泥などをはね上げて、建屋の壁に湿気をもたらしてしまいます。

 そのために、雨水跳ね返り防止で玄関先の玉砂利敷設となったわけです。




 雨水の跳ね返りで泥が付いて汚れてしまった壁。



 建物周囲に殺虫剤をしっかりと撒き、ベイトタイプの殺虫剤を埋め込みます。

 粉タイプの殺虫剤はシロアリの天敵であるクロアリも寄せ付けなくなるので、本当は撒きたくなかったのですけど、シロアリに目を付けられてしまったのでそうは言ってはいられません。




 ベイト殺虫剤を埋める。
 草木の根がじゃまをしてなかなか掘れない。(>ω<)




 作業を終えましたが、これで安心できるわけではありません。
 なんせ自然に囲まれた山の家。
 既に家屋内部にシロアリが入り込んで、今でも浸食されているかもしれません。

 しばらくの間は注意が必要です。








 意外に思われるかもしれませんが、シロアリは弱い生き物です。

 蜂や蟻と同じく女王を中心としてコロニーを作っていますが、他の生き物を襲ったりしません。
 主食は腐った倒木や枯れた樹木の中身です。

 シロアリの天敵はクロアリです。

 クロアリが畑や花壇などの家の周囲にいて、時々家の中に入ってきて不快な害虫扱いをされていますが、家の柱を囓るわけでも農作物を荒らすわけではありません。
 家に重大な被害を及ぼすシロアリを食べてくれます。
 つまり、家の周囲にクロアリを見かけるおうちは、シロアリは嫌がって寄りつきにくいと言うことです。
 花壇などにいるクロアリは退治などしないほうがいいのです。


 他の多くの肉食生物の餌食になるため、土や木の中に隠れて住んでいます。
 非常に臆病者です。
 何か少しでも危害が及びそうな物があれば、そこへは決して近づきません。
 コロニーが近くにあれば、集団で引っ越していってしまいます。

 この家は危険だ!と感じたらシロアリは入ってきません。
 逆に安全だと感じたら家が潰れるまで食い荒らされます。
 ですから、シロアリが危険だと思わせるように、建物の周囲をシロアリの嫌がる環境作りをすればいいのです。

 

①シロアリは湿気が大好きです。
 とは言え、びしょびしょに濡れているような状態はシロアリにとってもダメな状態です。
 シロアリが好む適度な湿り具合の環境がシロアリたちを呼び寄せます。
 (湿度80%以上、木材の含有水分25%以上を超えると今度は腐朽菌が発生しやすくなります。)

 
 建物の木材が湿気を帯びていたら、シロアリに来てください。と言っているようなものです。
 別荘地のような環境の建物では、床下の調湿には特に気を配ってください。

 濡れたままの材木を縁の下に置いたり、雨水が吹き込むような軒下に材木を放置してはいけません。
 落ち葉や枯れ枝も放置せず定期的に清掃します。
 樹木の枝が建物に触れないように剪定します。

 雨天には雨水がかかるウッドデッキが建物外壁に近接しすぎていると、ウッドデッキの柱を伝って母屋に来ることもあります。
 ウッドデッキを組むときは、デッキとの隙間にも配慮してください。


 家の壁などに雨だれが跳ね返って泥で汚れてしまうと、湿気を帯びた壁を通り道にしてシロアリを寄せつけやすくなります。
 玉砂利などを撒いて雨だれ跳ね返り防止の処置などもします。



②界面活性剤に弱い
 界面活性剤(洗剤、石けんの主成分)はシロアリだけでなく昆虫という生き物にとって猛毒です。
 昆虫は界面活性剤に触れると窒息して簡単に死に至ります。
 ゴキブリ殺虫剤はこの特性を利用して作られています。

 家の周囲に洗濯用洗剤、食器用洗剤、中性洗剤と名の付く物なら何でもいいです。
 雨のかからない軒下などに、洗剤を水で10倍に薄めてまんべんなく散布します。
 シロアリの偵察隊が地中を通って、この洗剤の地面に到達したら死んでしまいます。
 仲間のシロアリは危険を察知して近づかなくなります。
 雨が降ると洗剤成分は分解して流れて行ってしまいますので、年に2回ぐらい散布を行えば充分です。
 家全周に洗剤を散布するには結構な量の洗剤が必要です。 もちろん粉状の撒布用殺虫剤でもOK。

 私の山小屋の床下には切った材木が散乱していますが、毎年上から洗剤水をかけています。


 但し、この界面活性剤の向こう側に、シロアリが好む湿った木材や、シロアリにとって最適な住環境の建物があったら。
 シロアリたちは仲間の屍を乗り越えてやってきます。
 洗剤撒布が絶対の防御法とは考えないでください。
 あくまでも簡単な予防方法の一つです。 




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