殺戮、再び
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「これから我々が行く場所は、ポンポン山へのハイキングではない!
ましてや、南紀へ魚釣りをしに行くわけでもない!」
「サー・イエッサー!」
「これから行く場所は、毒針を持ったソルジャー達が待ち構える裏の物置小屋だ!
1カ所刺されただけでも、1ヶ月は苦しむことになる!
怖いか! クソ野郎!」
「ノー・サー! 大変お得でありマース!」
「そして、その向こうに鎮座ましましているのはスズメバチの本拠地だ!
怖いか! 小便小僧!」
「ノー! 自分はどこからともなく部屋に入ってくるカメムシの方が怖いデース!」
「制圧に失敗したら、『アナフィラキシーショック』が目の前で起きることになる!
怖いか! 木偶の坊野郎!」
「サー・ノー・サー! 自分は、二日酔いの方が怖いでありマース!」
「この作戦が失敗したら、我らの山の家は滅亡の危機に陥る!
そうなってもいいのか!」
「ノー! 夫婦喧嘩したら逃げる場所が無くなりマース。 正義がゆるしまセーン!」
「OH・・・、古女房か・・・。 アレは既婚男にとって最強の天敵だからな・・・
よし! 敵を殺せ!殺し尽くせ 1匹たりとも逃すな。 敵基地を壊滅しろっ!!」
「イエッサー!!!」
台風が近づく週末。
再び山の家へと車を走らせました。
高速に乗っている時からポツポツと降り始め、終日雨になることが予想されます。
前回、スズメバチの巣への核心部分への殺虫剤散布を的確に終えた自信はありましたが、現場確認を済ませていないので、下手をすると今回もハチの攻撃におびえながらの駆除を行わなければならないかもしれません。
そのために、今回は新たな兵器を携えて、別荘へと臨みました。
山はどんよりとした曇り空。
時折、ポツッと顔にしずくが落ちてきますが、まだ本格的な雨降りではありません。
本日の平野部の気温25度。
じっとしていれば暑くはないのですが、熱帯性の低気圧がもたらす空気はじとっと蒸していて、少し動くだけで汗ばんできます。
家の中に入り、雨戸を開けて空気を入れ換え、まず最初はお掃除。
それから、ベランダに出てみて、物置小屋を上から見ようとした時に・・・・
ブーン!!!
頭の上を見上げると、1匹のハチがひさしの下を旋回しています。
えっ!生き残っていたのか!??
ハチをよく見ると、前回にいた連中とは色が異なります。
そしてハチが飛ぶ行方を見ると、新たなハチの巣が!!
ア、アシナガバ・・・・・
いや!違う! スズメバチの一種だ!!∑(´□`;)
うそ~ん!m(;∇;)m
軒の天井には以前スズメバチが巣を作った形跡のある場所に、お椀を逆さまに伏せたような形状の新しいハチの巣。
そして巣の色は独特な茶色の縞模様。
アシナガバチはこういう巣を作りません。
新しい敵が現れたようです。(;゚◇゚)
帰って調べてみたら、巣の形状からモンスズメバチと思われます。
オオスズメバチほどではありませんが攻撃性の高い種族です。
今年はなんなんだよっ! ハチの当たり年か!?
襲われてはたまらないので、すぐに室内に入り駆除の準備をします。
新たな兵器登場!
ハチ駆除のプロ御用達の業務用薬剤です。
射程距離3m。
ネットで1本¥1980円と、殺虫剤としてはメチャ高価なんですよ~。( ´Д⊂ヽ
これをいきなり使用することになろうとは思っていませんでした。
頭に白いタオルを巻いて、片手に殺虫剤、そしていつでも逃げられるように体勢を低くして巣のある場所に近づきます。
まだハチの巣は小さく、3-4匹がいるだけです。
殺虫剤のノズルを巣に向けて狙いを定めて、ボタンをプッシュします。
びちゅーっ!!
え? ( ̄▽ ̄;)
中身が霧状に噴射されると思っていたのですが、出てきたのは一筋の水。
高性能な水鉄砲のように薬剤が出てきました。
なんじゃこりゃ?と思ったものの、薬剤は的確に巣の中心部に当たり、ボタッボタッとあっと言う間にハチが落下してきました。
巣から1匹だけ表へ逃げ出したのが見えましたが、
残り3匹は即死。
ス、スゴイ製品だ!Σ(゜д゜;)
ただな~、これは飛んでるハチには使えないぞ~。
守る者のいなくなった巣を、伸縮棒を伸ばしてはたき落とします。
ちょうど茶碗ぐらいの形状で、幼虫はいませんでした。
女王蜂を射止めたかどうかわかりません。
この後、逃げた1匹にしつこくつきまとわれるのですが、それが女王蜂だったのかもしれません。
我が身を守るためとは言え、また罪のない者を虐殺をしてしまった。(;´Д`)
地獄への切符が確実なものになっていく。
それでも、敵を見つけたら、殺らずにはいられない・・
これが・・・、
俺のさだめか!?
前回の物置小屋の後始末は、午後になってから始めました。
既に天気はすっかり雨。
森にシトシトと降り続き、じとっとした風が吹いてきます。
準備した物は、穴を塞ぐための埋め木とパテ。
これらは、この山の家を買った時に、いつか役立つ時が来るだろうと購入しておいた物。
ホムセンの夏休み工作コーナーで一袋100円で売ってましたよ。
乾くとゴム状になるシール材。
これらの材料に、カッターナイフと金槌の道具を道具箱から持って行きます。
まずは現場の偵察からです。
物置に入って、壁の裏側で羽音がしているかどうかの確認です。
セーフ!
次にステップから、巣の入り口の節穴がある面を覗き込みます。
壁にも周囲の空中にもハチの影は見当たりません。
どうやら、この場所のハチ達は壊滅か引っ越ししたようです。(゚∀゚)
この物置の壁は急傾斜の地面の上に建っているので、けっこうな高さがあります。
脚立を持ってきて立てかけます。
頭上がちょうどバルコニーなので、ここは雨がかからずにゆっくりと作業が出来るのが救いです。
埋め木の角をカッターナイフでちょうどはまる大きさに修正した後、それぞれの節穴にはめ込んでいきます。
固くてなかなか入らないので、金槌を使って押し込みます。
そして、隙間と表面をシール材で埋めていきます。
合計5カ所の穴と、微妙に隙間が空いている部分をシール材で埋めて完成♪
中に残っているはずの蜂の死骸と巣の形骸は、建物の壁を解体しないかぎり取り出すことはできません。
昆虫標本のようにいつまでも残って、次第に風化していくと思います。
この作業を行っている間に、先ほど脱出したスズメバチが戻ってきて、しきりに周辺を飛び回っていました。
時々接近してくるので殺虫剤を携えて、時々噴霧しながら作業を続けていました。
ヤブ蚊もたくさんいたからね。
生き残りの働きバチならば気が立っているはずなのに、いっこうに攻撃してくる気配はありません。
もしかして女王蜂?
次に来た時、新たなる戦いが始まる予感がするのは気のせいかな・・・?
(ノД`)・゚・