ジグソー(BOSCH)
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木材を切断する工具はいろいろな種類があります。
森林やアウトドアで使用するのはチェンソー。
建築現場など大工さんが使用するのは丸鋸が主流です。
私が木工に使用するのはもっぱら「
ジグソー」と呼ばれる製品。
今回はそのジグソーについて書いてみます。
まず最初に、ジグソーは切断工具の中でも、比較的初心者向きで扱いやすい工具と言われています。
力でそのパワーを押さえやすい部類の工具です。
ジグソーの鋸刃の上下運動のストロークは、1分間におよそ500~3000。
木材の切断時に実際に使われている刃先は、2cm厚の板を削る際で15刃ぐらい。
1秒間約700回ぐらい木材を削り取るらしいです。
一方丸鋸の刃の回転数が3000から5000ぐらい。
円盤ですので板の厚みに関係なくすべての刃先が使われます。
標準的な52チップの刃の場合、1秒間に約3500回ほど削り取っているそうです。
ですので、丸鋸と比較したらジグソーはずいぶんと大人しいです。
切削能力が低いと言うことは切断時間が遅いと言うことで、大工さんのように毎日、終日材木の切断を行うような環境ですと、丸鋸の方がはるかに使い勝手が良いです。
ジグソーみたいな切断能力の低い、切断精度の出しにくい工具でちんたら切っていたら仕事に支障が出ます。(^^ゞ
丸鋸を使いたいという方は、一度はメーカーや組合が主催する講習会などを受講して、基礎を学んでおいた方がいいです。
「丸鋸 講習会」で検索!
また、工具の世界というのは、値段=性能が一般的です。
高価になればなるほど、使いやすく、耐久性が上がり、精度が出しやすくなります。
同一メーカーの製品で、値段の安い機種が高価な商品の性能を上回るなんて事はあまり聞いたこと無いです。
頻繁に使用する、使用時間が長い、精度が要求される、と言う方は迷わずプロ用と書かれた製品をチョイスすることをお勧めします。
作業の疲労度も正確さも格段に異なります。
メーカーにもよるけどね。☆(ゝω・)v
所持しているのは電動工具メーカーで有名なボッシュの価格の安い製品。
一般家庭、ホームDIY用として製造された物です。(現在は型が代わっています。)
一応書いておきますが、私はボッシュ信者ではございません。f(^ー^;
物が良ければどこのメーカーでもいいです。
正直書くと、ボッシュ製品ってやっぱり大陸的思考で設計された物なんだなあと言う感想。
ボッシュはドイツ。
ある意味大ざっぱな作りと言うか、細かいところは荒いと言うか。
静音とうたっていても音は大きいし、反動はあるし、重いし。
でも、価格の安さと信頼性は国産メーカーと何ら変わりはないので、満足して使ってます。
ジグソーの基本的な性能や、基本の使い方などは私が説明するより、プロの方々が様々なページや動画で説明してくださっています。
私みたいなド素人のこんなページより、諸先輩方のページを参考にしてください。
よく言われるように、ジグソーは円などの曲線切りを得意とする工具です。
長い直線や90度、45度などきちんとした角度を切るのには不向きな機械です。
直線切りの精度においては安物の丸鋸にさえ勝てません。
切断面の状態も丸鋸に軍配が上がります。
実は丸鋸は切断角度を少しでも誤っていると、曲がって切れて行ってしまいます。
いくら真っ直ぐが得意と言われる丸鋸でも、きちんと直線を切るためにはある程度の慣れを必要とします。
長い距離の切断では精度を出すために治具を使います。
また卓上丸鋸やスライド丸鋸などの製品もあるぐらいです。
ジグソーは切断スピードが遅い上に、ブレードと呼ばれる鋸刃に幅が無いため、直線切りは苦手です。
でも、途中で切断コースが曲がったなと気付いたら、元のラインに戻ることが比較的容易なのです。
それがメリットでもありデメリットでもあります。
注意:曲線切りの得意なジグソーですが、きれいな円弧を切断するには熟練を必要とします。
通常は円切り用の治具を使用します。
プロの大工さんのように材料の歩留まりを考えて、一発で材料を切り出すことはジグソーではちょっと無理かも。
私たち素人DIYでは、少し削り代を残して余裕を持たせて切って、失敗しかけても後からサンダーやカンナで削って修正しようという気持ちで臨むのが良いかと思います。
かと言って、実際の木材切断をやっていて、切断ラインがぐねぐねに曲がったり、切断面が斜めっていたりするのは後で修正するのもやっかいです。
ジグソーで、できるだけ正確に、切断面が直角に、真っ直ぐに切るようにするにはどうすれば良いか?
これがこのページの主題です。
①ガイドの利用
材料の切断面を直角に、より真っ直ぐ直線に切ることは、丸鋸には勝てません。
そのため、メーカーではジグソー用に直角、直線に切るために平行・曲線ガイドなどのオプション製品を販売しています。
それらの製品や自作のスケールなどを併用して作業に当たります。
また、ジグソー専用というのは少ないので、丸鋸用の定規やガイドを転用しても良いわけです。
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木材を切るときは必ずけがきします。
ケガキ用ペンは三菱が評判いいです。
私も使ってますが扱いやすくて芯は簡単には折れません。
②機械の調整をきちんとしておきます。
ジグソーを購入したままの状態で使用していませんか?
安価なホームユース用のジグソーは、本体下部にあるガイドプレートの取付が適当な物があります。
多く
の製品は、ガイドプレートを左右に回転させることによって90度、左右45度の切断に変更することが出来ます。

左45度切断時のプレートの向き。
本体をひっくり返すと、プレートの位置変更のネジと固定位置突起が見えます。
この固定位置の突起の大きさが非常に曖昧で、左右の遊びが大きいのです。
下の写真は90度位置に合わせたのですが、遊びが大きすぎてプレートが傾いている状態。
これでは直角に切れるはずはありません。
目視でもいいので刃とプレート面が直角になるようにきちんと調整します。
こだわる場合は指金を当てながら調整してもいいぐらいです。
まだ微妙に傾いている。(;´Д`)ノ
ベースプレートが傾いていると、切断面が斜めになるだけでなく、曲線切りの時にもあらぬ方向へ曲がろうとします。
材料切断前には一度は必ず確認してください。
無名メーカーの安物ジグソーはブレード取付部から歪んでいて、どんなに調整してもダメな物がある。
③ブレードの選択
ジグソーに用いる刃のことを「ブレード」と呼びます。
現行製品のブレードはボッシュ式とマキタ式いう形状が主流です。
ボッシュはもちろんボッシュ式。
このブレードは様々な種類がありまして、木工用、金属用、合板用。
直線用、円切り用、仕上げ用と様々な製品が販売されています。
他の方のページにはさらっとしか記述されていないのですが、
このブレードの選択がかなり重要なのです。
ボッシュジグソーを購入したときに付属しているサンプルブレード。
切断スピードと経済性を重視した物。
材木を切っていて、「どうしても刃がたわんで斜めに切れてしまう」と言う方います。
それ、ブレードは円切り用を使っていませんか?
円切り用の刃は刃厚が薄く、刃の幅も細いです。
どうしてもたわみがちで分厚い板などを切断するのは不向きです。
もしくは、5本セット入りのお徳用の外販安物ブレードを使っているとか。
ボッシュから販売されているの純正のブレードは、
木工用だけで28種類以上あります。
刃厚も刃の幅も長さも材質もそれぞれ異なります。
木材の材質や厚み、使用用途によって使い分けることで、理想的な切断が可能です。
ボッシュの回し者ではないので念のため。(;^_^A
一般的なジグソーブレードは全長が10センチ前後。
機械に装着したら有効な切断ストローク幅は5センチぐらい。
3センチぐらいの厚みの板を切るのが限度だと思われている方が多いです。
これは、全長126ミリのブレード。
刃の厚みは1.7ミリ。
横に置いてあるのが標準的な物。
刃厚を見比べてみると、外販品は1ミリぐらいしかないのでとても貧弱。
このブレードは極厚で、簡単にはたわみません。
機械に装着してもこんなに長さがあります。
有効切断長は100ミリ。
90ミリの角材でも一回で切れます。
50ミリ厚の板材は余裕。
切断前の画像です。
このブレードは「
正確な切断重視、刃に厚みを持たせ垂直に保つ」という目的の物。
他の種類ではスピード重視で有効切断幅が155ミリというブレードもあります。
刃が長いので、固い材や節に当たったら、やっぱりたわんだり曲がったりするだろうな。
それは仕方ないかも。
このブレードを使って25ミリ厚の平板を切ってみました。
ちなみにガイドや治具は使っていません。
これは50ミリ厚の板
切断能力も高く、スイスイと切れてくれました。
アウトメーカーの安物ブレードとは明らかに異なります。
バリが出るのが難点ですが、私は十分に実用的だと思いました。
全種類を購入して試したわけではありませんので、どういう状況どれを使えばで良いかはまだわかりませんが、幾つかのブレードを付け替えることで、ジグソーでも精度を高めることが可能だと思います。
大事なことなのでもう一度書きますが、ボッシュの回し者ではありません。\(^o^)/
下の動画は海外(ロシア?)の動画ですが、メチャ長いブレード使った木材の切断テストです。
木材は150角みたいですが、さすがに切断後の切断面の直角が出てないような気が・・・
ってか、こんな長いブレードどこで売ってる?(゚Д゚;)・・
T1044DPという型番のブレードらしい。
理想的なのは用途に合わせて丸鋸もジグソーも使いこなせるようになることなのですけどね。
道具は使い方と熟練次第でしょうね。
どうぞ参考にしてください。
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おまけ:
ボッシュ純正ブレード、木工用(画像はAmazonより拝借)





最後に
日本の建築や木工の現場ではジグソーの使用率が5%にも達しません。
プロの世界では殆ど丸鋸での作業で占められています。
なぜならジグソーは作業効率が非常に悪いから。
丸鋸はチェンソーと共に非常に危険で怪我をしやすい道具と言われていますが、大工さん全員が致命的な怪我をしているわけではありません。
基本動作と安全確認さえ怠らなければとても効率の良い道具です。
それは自動車の運転と同じ事が言えます。
ジグソーでも扱い方を間違えれば大怪我をします。
危険な道具の1つであることを忘れないように扱ってください。
ネットで見つけたどなたかが書いた名言を1つ。
丸鋸はジグソーの代わりにならない(曲線切り)。
ジグソーは曲がりやすいが丸鋸の代わりになる。
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ボッシュの最上級モデルが欲しいが高価でなかなか手が出せん。(;´д`)ノ