大阪の不動産事情
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*2016年4月4日に掲示板上で紹介した記事を編集し直した物です。
大阪の不動産取り引きで、賃貸契約の時に出てくる「敷引き」は関東で言う礼金と同じ物です。
敷金(保証金)を預からない場合に礼金という言葉が用いられています。
お客様からいただくのにお礼という概念は変です。
本来は大家がお礼をしなければいけないぐらいです。
関西でも各都市によって商習慣は微妙に異なります。
大阪の商習慣で言うところの礼金という物の実態は、『原状回復費用の先取り』という意味合いの費用です。
数年前までは、敷金(保証金)をお預かりして、退去時に入居者が室内の備品や造作を破損・汚損させていた際に、敷金からその補修費用をいただいていました。
ところが、近年、敷金0円が一般的になって敷金を預からなくなってくると、入居者の退室時に原状回復費用の請求でトラブルが頻発しました。
自然消耗部分まで請求する大家。
故意に汚してしまっているのに、逃げてしまう賃借人。
こういうトラブルが多発したので、契約の最初にある程度のお金をいただいておこう。
入居から退室後までの住居内の破損だとか汚損に関わる費用を先取りしておくシステムなのです。
業界用語の中でその意味合いに見合う言葉が無いので、礼金と言う言葉を用いています。

ベランダに粗大ゴミを放置したまま出ていった例。
ビニール袋内には美容師学校で使用するマネキンの首が山盛り。
産業廃棄物扱いで、プラゴミでも粗大ゴミでも引き取ってくれない。(>ω<)
こう言うのは日常茶飯事。
実際にお客様からいただいた礼金が、原状回復の費用に見合うかどうかと言うと、全く足りません。(^◇^;)
ひどい場合はほぼ泣き寝入りです。
長く住めば住むほど、どうしても室内の造作や備品を汚したりしてしまいますので、お客様にとってお得になってきます。
借り手に破損、汚損が全く無くて引っ越しで退去となった場合はどうなるのか?
と言う疑問が生じると思います。
経験から言うと、退去後に何もせずそのまま次のお客様に貸せる状態の部屋と言うのは1%もありません。
何かが生じしまった時の保険代わりと受け取ってお得だと感じるか、もったいない、無駄なお金だと感じるかは入居されるお客様の自由意志です。
原状回復は空き室後すぐに行います。
少々の破損で揉めてトラブル抱えこんで訴訟にまで発展するぐらいなら、さっさと修繕して次の借り手を募集します。
その方が住まわれていた方が、お友達を呼んでくれたりしたり、リピーターが現れたりでメリット大きいです。
あまりにもひどい場合は、損害費用をきっちりと回収します。
世の中には回収を代行してくれる会社があるので助かります。
賃貸業界は大阪では悲惨なものです。(2016年現在)
よっぽど立地の良い、築年数の浅い建物でないとしっかりした賃料は取れません。
敷金(保証金)を預かり、その中から「敷引き」と言うお金をいただく商習慣はオフィス・店舗の契約では今でもありますが、住宅での契約では消えつつあります。
敷金・礼金ゼロゼロでやってる大手仲介業者があるので、それに負けてしまって設定できないです。
敷金ゼロ、礼金ゼロにしていても不動産仲介業者は大家から仲介手数料を取ります。
仲介手数料2~3ヶ月分なども当たり前。
オフィスなら家賃3~4ヶ月サービスもあります。
入居するお客様が不動産仲介業に支払う仲介手数料の金額以上のお金を、大家が支払っていることなど普通にあるようになってきています。
仲介手数料を多く支払うことで、優先的に紹介・客付けしてもらいたいと、多めに出す大家が現れたものですから、それに旨みを感じた仲介業者が、数ヶ月分要求することが当たり前のようになってきています。
*仲介業者のやり方が悪者というわけではなく、業者は業者の事情があります。
私の所では厳格にして一定以上は絶対出しませんが、それも立地が良い人気物件だから出来る事。
郊外のマンションなんか可哀想なぐらいです。

和室は嫌われ、キッチン、洗面、浴室が古い物件は見向きもされず。
供給過剰で賃料は下落一方で、全面改装で資金つぎ込んでも短期の回収は不可能。
外人向けの民泊マンションに転用で、一部のオーナーさんは一息ついていますが、ホテルがあちらこちらに多く建ってきましたからいつまで続きますやら。
従来の賃借人が定住しているマンションでは、風評被害が怖くて外人の民泊など出来ません。
地方都市ではアベノミクスなんて無いですね~。(゚∀゚)
大阪では金融・証券以外でアベノミクスの影響とか言う物、そんな物最初からありません。
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