山の古別荘のDIY記

ブレーカーにまつわるお話し

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 まず最初に。
 電気設備の工事を行うには電気工事士の資格が必要です。
 電気機器の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む)をネジ止めする作業には工事資格が必要です。
 ブレーカーの交換を行う場合も、電気機器の端子に電線をネジ止めする工事とされています。
 無資格の工事は電気工事士法違反となり、罰則があります。
*注
 無資格で行った工事で火災や事故などが発生した場合は、更にきつい罰則が待ち受けています。
 無資格工事が理由の火災などは火災保険なども出ません。
 ご注意を



 追記・補足します。
 *注の箇所:
 電気工事士無資格であるにもかかわらず、資格が必要となる電気工事に従事した者は、「3ヶ月以下の懲役若しくは3万円以下の罰金」となります。




 一般的な家庭用の配電盤は下の写真のようになっています。
 家庭によって小さいのから大きいのまで各サイズあります。





 左側の大きいフレーカーが「漏電ブレーカー」。(主幹ブレーカー)
 外部から家に入ってきた電線は、まず最初にこのブレーカーへと通じています。

 右側の小さな6個のスイッチが、一般的にブレーカーと呼んでいる「安全ブレーカー」です。(分岐ブレーカー)
 漏電ブレーカーから出てきた電気は、配電盤の中で各配線に分岐されて、それぞれの安全ブレーカーにつながっています。

 安全ブレーカーの役目は、許容量以上の過電流が流れた場合に、回路を遮断して火災などの発生を未然に防ぎます。

 漏電ブレーカーの役目は、回路全体に「異常電流」、ショートとか漏電とかが起きた場合に、回路を遮断します。
 漏電ブレーカーのスイッチが落ちて、何度入れ直しても落ちるようでしたら、家のどこかで漏電が起きていると思ってください。
 その場合、電力会社に電話して事情を伝えると調べに来てもらえます。


 他に、 サービスブレーカーというブレーカーもあります。
 これは、電力会社との契約電気量以上の電気が流れると遮断してしまうブレーカーです。






 安全ブレーカーの寿命は長く持っても15~20年ぐらい。
 10年以上過ぎたら交換を考えましょう。
 古くなってくると、全ての電気製品の電源を切っていても、過電流でもないのに勝手に落ちたり、一度スイッチを下げたら全く上がらなくなったりするのですぐにわかります。


 ご自分で交換される場合は、必ず同じ電圧の物を使用してください。(自己責任で)
 100Vなら100/110Vの物、200Vなら220V用の物。(100V/200Vという兼用ブレーカーもあります。)

 昨今の家庭でも、100Vと200Vが流れる単相3線式になっています。
 白・黒・赤と3本の配線が配電盤に来ており、盤内の回路の分岐によって、流れる電圧が異なる仕組みになっています。
 流れる電圧を変更する場合は、分岐の組み替えが必要です。
 (素人はいじらない方がいいです。(;^_^A)



 安全ブレーカーは保安部品ですので、実績有る製品を選びましょう。




 今から10年以上も前のことです。

 当時、新規入居の時は照明器具もエアコンも、入居者の方が随意に取り付けて、今のように家具・エアコン完備なんていう家主側のサービスの無かった時です。

 入居者の方が好みの電気製品を買ってきて、購入した電気屋さんや工事業者に取り付けてもらっていました。
 器具によっては使用電圧の違う製品もありますので、工事業者が勝手にブレーカーやコンセントの交換をしていきました。

 入居者が退室するときは変更されたまま、そのまま。
 エアコン用コンセントも適合形状に変更されてそのまま。


 退室後には原状回復でリフォーム工事を行いますが、破損していない限りは配電盤やコンセントまでいじりません。
 確認するのはブレーカーのスイッチが下りたらきちんと上がるかどうかぐらい。

 配電盤の表に書かれた表示の文字も、消えていたりシールが剥がれていたりします。
 ブレーカーを交換されていても、ぱっと見た目ではわかりませんし、次の方がその電圧を利用するかもしれませんのでそのままにしておくのが通常です。(リクエストがあれば業者を呼んで交換します。)

 エアコンなどの工事を行う方ならおわかりと思いますが、電圧もコンセントの形状も機種によって様々。
 エアコンなどを買いに行ったら、店頭で電圧やコンセントの形を聞かれるのは以前から一般的ですし、取り付ける時に業者の方が現場で確認するのは普通のことです。
 (場合によっては電源増設工事まで必要ですからね~。)



 ある時、私が管理するマンションの一室に新しい入居者が入って来ました。
 引っ越しが終わって間もなく、その住人さんから電話がかかってきました。

 「あの~、クーラーが動かないんですけど・・。」

 「え?電気は正常に流れていますよ。 業者の方が取り付け方を間違えたんじゃないですか? 電気屋さんにおっしゃってくださいな。」



 しばらく時間が過ぎて、今度はエアコンを取り付けた工事業者から電話がかかってきました。

 「お宅のマンションはエアコンの回路は100Vと違うんか!?」

 「は? 100V200Vといろいろありますよ。」

 「普通の家庭は100Vが普通やろ。 200Vのブレーカー付いてるがな。」

 「そりゃ、前の住人さんが高出力のエアコン付けてたからでしょ。 あの部屋は西日が強いですからね~。」

 「それやったら事前に替えとくべきとちゃうか。 エアコン壊れてもうたがな。 弁償せえっ!!」

 「??? 何言うてまんの。 事前に電圧調べんと取り付けはったん? エアコンの機種で電圧が違うの当たり前ですやん。」
 
 「そんなもん、一般家庭やったら100Vって決まってるやろ。」

 「おたく、ホンマに電気のプロ?(笑い) エアコンは100V用しか売ってないと思ってんの? それとも何も調べもせんと工事すんの? 逆に200Vのエアコンを100Vのブレーカーでも平気で付けるわけ??」

 「訴えるぞ。 弁償してもらうからな!」

 「どうぞご勝手に。 今から顧問弁護士の電話番号言うから、次からそっち通してくれ!!」


 いつも仲良くしている弁護士の先生の電話と名前を告げて電話を切りました。


 それから、一切その電気屋からは音沙汰無し。
 弁護士の先生に、内容を話して電話かかってきましたか?と訪ねても、「いや、無いよ~」との返事。 ( ゚∀゚)
 もちろん、住人さんも新しいエアコンに交換してもらったとか。


 こういう電気屋さんいるんですよ。(;´Д`)ノ



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