山の古別荘のDIY記

腕時計

★目次ページに戻る



 30年ほど使用していたタグホイヤーの腕時計の調子が悪くなってしまった。
 電池交換したのに、一日15分も遅れる。




 TAG HEUER professional 1000



 今ではもう終売になってしまっている古い型の時計。
 タグホイヤーの商品の中でも廉価版でそんなに高価なモデルではないけど、海外旅行に行った時になけなしの金をはたいて買った時計だった。
 オーバーホールすれば直るのだけど、メーカーにオーバーホールを出すとこいつがもう1個買えるぐらいかかっちゃう。( i ◇ i )
 傷だらけだしプレミアが付く可能性もないので、新しい時計を買おうかとネットを物色してみた。


 ブランドという物には全く興味の無い私ですが、腕時計はいい物を嵌めていたいという気持ちが心の片隅にあります。
 そこで、「腕時計 メンズ 人気」と入れて検索してみます。
 出てきた一覧には、「20代の人気商品」とか「40才からの腕時計」とかの表題が並びます。

 何気に一つのランキングページをクリックして見てみると・・・・
 ページの解説文には、

 『シニア世代の貴男にはこれぐらいの価格帯が人気です。』

 ロレックス、オメガ、タグホイヤー、etc

 1つが30万円から100万円オーバーまで高級時計がずらりと並んでいます。

 ブライトリングとかIWCとかもあって、パテック・フィリップなんて500万円オーバーだよ。(゚Д゚;)・・


 ヲイッ! 買えるか!こんなもん。(;´Д`)ノ



 さすがに、私の所得では分不相応な物ばかり。


 で、ブランド品はあきらめて先々代からのお付き合いのある馴染みの時計屋へ行きました。
 そこで見つけたのがこれ。





 セイコー5(ファイブ)


 世界で驚異的に売れている我が国セイコー社の普及品。
 ネットで買えば5-6千円で入手出来る逆輸入の安物です。
 もちろん、1970年代のアンティーク品ではなくて、中国組み立ての現行品。
 気に入ったのがクオーツではなくて自動巻の機械式というとこ。


 昔読んだ本に書いてあった粋な台詞を思い出します。

 「俺が死んだ後まで動いてるなんて腹が立つじゃねえか。 だから俺の腕時計は機械式でいいんだ。」

 コイツに決めました。(゚∀゚)アヒャ♪


 実際に使ってみると、クオーツのように正確ではない、2日もほったらかせば止まる、日付あわせが面倒、と言うデメリットがあります。(;´Д`)
 でも、老眼になってきた私の目でも針や文字盤は見やすいし、腕に嵌めていても違和感がない。
 たいへん気に入っています。




 腕時計は必需品と言うこともあって、現在は用途に合わせて3つ使い分けています。
 仕事用のKENTEXのJSDFモデル。
 アウトドア用のルミノックス。
 そして、休日にはめているタグホイヤー、からのセイコー5。




 Luminox F-117 NIGHTHAWK




 KENTEX JSDF TRIFORCE (chronograph)

 KENTEXという時計メーカーをご存じない方はたくさんおられると思います。
 KENTEXはセイコー社の元技術者であった橋本憲治氏が独立して立ち上げた会社で、最初は各国産メーカーのOEM製品を作っていました。
 その後、1997年にKENTEXの名前で自社ブランドを立ち上げオリジナルデザイン製品の販売を開始しました。
 時計の中身はミヨタムーブメントらしいです。

 防衛省公認のJSDF自衛隊モデルを発表するとたちまち人気急上昇。
 限定モデルが発売されるとあっと言う間に品切れになるぐらい。
 日の丸がカッコイイ!と評判でファンは多いです。

 ちなみに、最初は自衛隊がこの時計を装備品として制式採用したのではなくて、KENTEXが勝手に作って持っていって防衛省にお伺いを立てたところ、「まあ、いいよ。」とロゴを使用するお墨付きをいただいたとか。f(^ー^;
 現在は自衛隊協力の下で企画製作されています。
 KENTEX オフィシャルページ

 


 腕時計のことに興味を抱いてネットでいろいろと見ていると、変なのに出くわしました。
 教えてQ&A的なあのページですが、とある質問者が、
 「いい年こいた社会人が、安物の時計なんか身につけているのは変だ。頭おかしい!どう思いますか?」
 と言う内容の物。省略しすぎf(^ー^;
 さすがにネタ質問だと思うのですが、回答者もおもしろがってはいるものの真摯な回答を寄せていて興味深かったです。

 で、結論は価値観の違いというやつ。

 

 私など、下賤の生まれでもともと家が貧乏だったもので、いい年こいて安物の衣服や備品しか身につけていません。

 いや、本当に私の家は貧乏でした。(・ω・;)
 ただ、戦前からそこに住んでたと言うだけで、資産価値が勝手に上がっただけで、そのせいで生計を立てるのが苦しかったんです。
 小学校は制服でしたが、靴は市販の運動靴。
 両親が買うお金が無いので、すり減って穴が開くまで履いていて、いつもボロボロになるまで使っていました。
 それを見たちょっとお金持ちの家の同級生の女の子達が、いつも私のことをからかっていましたけどね。
 子供の世代にありがちなことですから、当時も今も気にもとめていません。
 
 今でも靴はボロボロになるまで履きますし、定期入れや財布だって穴が開くまで使います。
 腕時計も壊れて動かなくなるか、修理するなら新品買った方が安いよというぐらいくたびれるまで使用します。
 年を食っている分、これまで幾つも購入したけど、外装が破損したり、年式が古すぎて修理不能とかになったり、使用する上で使い辛いとかの理由で、他にも物入れに幾つか眠っています。
 どれもこれも3万円程度迄の普及品です。
 壊れたG-SHOCKもあるなあ。(´ヘ`;)





 シチズン プロマスター ナビホーク ブルーインパルス
 約20年前ぐらいに購入。
 つい5年ぐらい前まで仕事用に使っていたけど、パッキンが劣化したのか中に水が入って電子部品が全て破損。
 今でもオーバーホール出来るらしいが・・・。

 



 G-SHOCK RAYSMAN
 ソーラーパワーを搭載したマルタモデル。
 アウトドア用としてずっと使っていたけど、外装のウレタンが経年劣化で破損。
 外装交換パーツさえ見つかれば使えるのだが、中身は何ともないけどお蔵入りに。






 そんな私ですが、ただ一つだけブランド物の高級時計を所持しています。

 それはロレックスエクスプローラーⅡ

 現行の型番ではなくて一つ前のモデル。
 並行輸入品やニセモノではなくてちゃんと正規代理店で販売された正規品。
 円安のせいもあって現行モデルで約70万円。
 私が所持した当時でも50万円前後した高額な商品。








 たいへん親しくお付き合いしていただいた人がいました。
 それこそ親友を越えて家族同然の間柄にまで意気投合して、悩みでも何でも打ち明けられるようなお付き合いでした。
 この方を取りあえずAさんと呼びます。

 Aさんがある時、旅行のお土産物か何かを送っていただきました。
 一つの小さな箱が入っていました。
 それがこのロレックス。
 正規代理店の保証書もユーザーカードも同梱されています。

 「なぜ、こんな物を? こんな高価な物受け取れない。」
 とお断りしたのですが、Aさんはこんな話をしてくれました。



 このロレックスは知り合いの資産家の女の子が婚約して結婚することになり、結納品の一つとして購入された物。
 お相手も中堅どころの会社の若社長。
 ところが、結納直前になってこの会社が倒産。
 同時に家は破産。
 保証人として巨額の借金を抱え込むことになった若社長は、悲嘆のあまり自殺してしまったとか。
 婚約は自然破棄。
 女の子は悲しみ1年ほど家に閉じこもっていたままだったけど、全てをあきらめ再出発しようと、思い出の品物を処分し始めました。

 このロレックスは、お金に換えたいということで知人だったAさんの手元に来ました。
 Aさんは、「私は使わないから君にプレゼントしようと思って。」と、私に送ってきたのです。

 あまりにも高価な贈り物です。
 私は何度も断りました。
 でも、Aさんはどうしてもと言って聞いてくれません。
 そこで、一旦お預かりする、ということにして私が所持することにしました。


 時が経ち、Aさんと私は次第に疎遠になり、やがてAさんからの連絡も途絶え、住所も電話番号もわからなくなってしまいました。
 それからしばらくして、ふと思い出したのがこのロレックス。
 物入れから取り出してきて、これをどうしようか悩みました。
 返したいけど返すことが出来ない・・・・。

 それからまた数年が経ちました。
 今でもロレックスは新品未使用のまま私の家の物入れの中で眠り続けています。
 機械式の自動巻腕時計。
 時が止まったまま。







 割り切りのいい人なら、こういう物は自分の物として愛用するか、中古品として売却しちゃうんでしょうね。
 私にはこのロレックスに思いが入り込みすぎて未だにどうしていいか判断出来ないままです。

 当時は、ロレックスなんて身につけるなんてまだ早い。
 と思っていたのですが、そろそろ身につけてもおかしくない年齢になってきました。

 今やロレックスと言えばバブル成金の不動産屋か土建屋か、水商売の派手好きか、背伸びをしたがる似合わない若者が身につけるという、マイナスイメージがどっぷりと付いてしまったブランド品。
 でも、いい物はいいんですよね~。



 お金に困った時売るか・・・・

 40万ぐらいにはなるぜ!ヒヒヒヒ






★目次ページに戻る

▲このページのトップへ



トップページに戻る