高枝ノコを使って木を剪定
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昨夜に降っていた雨は朝方にやみましたが、お天気はどんより曇り空。
暖かい空気が流れ込んできたのか山には霞がかかり、高みから見下ろすと雲海のような見事な景色が出現していました。(゚∀゚)
山小屋周辺は標高が低いのでちょうどこの雲の中。
周囲は霧がかかり水墨画のような景色となっていました。
こういう日は風があまり吹かず、真冬ですがさほど寒さを感じない一日となります。
この霞は着替えなどしている間に徐々に晴れて、いつもの曇天に戻って行きました。
雨後の森にはあまり入りたくありません。
まだ濡れそぼっているし、地面も湿っているでしょう。
身近なところから作業を行います。
樹木の剪定にはあまり適さない季節ですけど少しずつ行います。
ベランダの前に生えている雑木の剪定をやります。
雑木の剪定は今に始まったことではなく、随分と前から行っていました。
放っておくとベランダより高くなってきて視界が大幅に遮られてしまいます。
伸縮式の剪定バサミで刈り取るのですけど、高枝バサミが届く範囲の木だけ。
しかも剪定バサミで切れる太さ、1センチ未満程度の枝が限度です。
毎年、春の新緑が芽生え始める頃に、手前の物はカットしているので高くならないです。
高枝バサミはせいぜい3mほどの長さ。
手元に持つ長さ70-80センチ分が必要なので、せいぜい2m程の範囲の樹木しか剪定出来ません。
以前から気になっていたこいつ。
今は落葉していますが、葉が出ると大幅に視界を遮られます。
すぐ左の木が栗の木で、葉が生い茂ると栗の木に陽光が届かなくなります。
そのせいか栗の木はひょろひょろでくねくね曲がった生え方。
高枝バサミは届かないし枝は太いし。
この木はチェンソーで根本から切ってしまおうと考えていました。
木の高さが8mぐらいあるので、これを伐採するとなると倒す方向の周辺の木々の整理から始めなければならず、この木の周囲は未だに入ったことがない藪地帯。
いつかはやんなきゃな~、でも面倒だな。と思ってました。
ふと思いつきました。
「この距離なら枝打ちノコが届くんじゃないかな?(´・ω・`)」
枝打ちノコは長さが6.5m。
木までは目測で4mほど。
木を伐採して殺してしまうより、剪定するに留めておいたほうがいいんじゃないか?
思い立ったが吉日。
早速実行に移します。
物置から高枝ノコギリを持ってきました。
購入した時はあんまり使わないだろうな~と思っていたのですが、けっこう便利で頻繁に持ち出して使用しています。
脚立が立てられないような場所の剪定に使用しますが、ちょっとした枝とかを切るのに使うぐらいなのでほぼ記事にはしていません。
今回はがっつり使用するので使用感を絡めてのレポート。
本来、このノコを使用する時は、樹木の下方から伸ばして高い場所にある枝を切り取ります。
枝にノコ刃を引っ掛け、ノコギリや柄の重量を利用して引くので案外力が要らず、たやすく太い枝を切断出来るのです。
今日はベランダから柄を伸ばし、前方にある枝を切断します。
ほぼ水平方向に伸ばすため、枝打ちのこの全重量が腕に乗ってきます。
最初は伸縮1段目だけ伸ばした約4m。
クソ重いっ!(゜ロ゜)ギョェ
細い枝がじゃまをしてなかなか主要部の幹に届かない。
柄がしなってフラフラ~、フワフワ~。
ノコ刃は何とか一番手前の枝の幹に届きましたが、重いので切断予定地点に留まってくれません。
幹のコブのような場所にノコ刃を引っ掛けて前後に刃を動かして切っていきます。
1本目が切れたら途中で他の枝に引っかかる。
引っかかった枝にノコ刃を引っ掛けて引き上げ下へふるい落とします。
それだけでも重くて操るのが大変。
1本目を終えたら次、2本目が切れたら次と切っていきます。
そして最後の一番向こう側の枝。
今の長さでは最奥の枝に届きません。
2段めを少しばかり伸ばします。
更に重いっ!!(;´Д`)ノ
腕が痛くなって柄を支えるのが辛くなってきました。
時間をかけて全ての枝を切り終えました。

今回切った木の向こう側にももう1本背の高い木がありますが、これはさすがに届きません。
またの機会に伐採しましょう。
作業を終えたら腕がパンパン。(>ω<)
明日はきっと筋肉痛だ~っ!!
高枝ノコを収納し一服します。
ベランダから見える景色が少しばかりスッキリした感じ。

動画:
一休みした後、木に引っかかったままの剪定した枝を地上に落としに行きます。
雨後で草木が濡れそぼっていて、森に入りたくはないのだけどな~。(;´Д`)ノ
枝打ちノコを引っさげて母屋の外へ。
剪定した木はちょうどベランダの高さと同じぐらいまで短くなっています。
草をかき分け木の根元に近づきます。
暖かい昆虫のいる時期なら決して入ろうとは思わないエリア。
将来はこの先の斜面一帯も開拓していく予定です。
剪定した枝は下の低木の枝に引っかかっています。
手の届くものは引っ掴んで地面へ下ろします。

広がった枝があちらこちらに突っかえて非常に扱いにくいです。
手ノコを持ってこなかったことをちょっと後悔。
手の届かない場所にある枝は、高枝ノコを伸ばして刃をかけて引きずり下ろします。

足場は悪いし、引っ掛かり引っ掛かりしてなかなか落ちてこないし、腕はもう疲れ切ってるしで、時間かかりました。
動画撮ったけど、体にカメラを付けていたので、何がなんやらわかんない映像。
スナップショットだけ抽出しました。
人が手を入れていない自然のままの森というのは、太くて大きな木というのは殆ど育ちません。
植物にとってよっぽど環境の良い場所に根付き、様々な生存競争に勝ち抜いた物だけが大木となります。
何年もこの森の中を散策していますが、大きな木というのは数えるほどしか無い。
多くの木が細くひょろひょろで曲がりくねっていて、何らかの障害を受けたら簡単に他の物に侵食されて死んでいく厳しい世界。
こういう藪のような場所には森の動物達も入ろうとはしません。
今は冬場で木々が葉を落としているので見通しは良いですが、夏場は視界が遮られ数メートル先に何があるかもわからなくなります。
森の中に入って木を伐採して整備できるのはこの数カ月間だけです。
よく、木を切ることで「
自然破壊だ」と言われる方がおられますが、重機を使って大規模な森林伐採でもしない限り自然破壊など無理。
人間一人の力では、自然にかすり傷を付ける程度で、破壊することなど出来ない。
私が数本ほどの木を切っても短期間で元の森に戻っていきます。
自然の力はそんなに柔ではないです。
木の枝葉が茂りすぎると重なりあって日光を遮るようになり、昼間でも日光が十分に地面に行き渡らなくなります。、
それは様々な植物の生長に悪影響を及ぼし、地表の栄養は全て雨などで流れだしてしまい、木も満足に栄養を吸収できず、根も十分に張れない弱々しい木になります。
弱い木ばかりが生えた森は「線香林」と呼ばれ、風雨で折れやすくなり、土砂崩れが起きやすくなったりします。
山小屋のある地域は自然保護区域でもあると同時に、重要な水源地の一つでもあります。
木々をある程度間引く作業は、自然を森を守る上で重要なのです。
木は昼間は光合成をして大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を排出します。
一方で夜間や曇天では木は呼吸をして酸素を取り込み、二酸化炭素を排出もします。
若木は二酸化炭素の排出量よりも吸収量の方が多いのですが、成長すると排出量の方が多くなってしまいます。
なので、十分に成長した木は伐採して、若い木を植林して育てることで森林全体の炭酸ガスの吸収力を高めることができます。
マダニとかいるかもしれないので長居は無用。
用事を済ませたら藪から這い出ました。
まだ木々が濡れているので昼からは母屋周りの用事をします。