山の古別荘のDIY記

プロローグ

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私にとって田舎のセカンドハウスというのは長年の夢でした。

 大都会に生まれ、コンクリートに囲まれて育った私にとって、自然の中で生活をしてみたいという感情は、物心ついたときから心の中でくすぶり続けていました。
 田舎に育ち、生活が豊かで便利な大都会に憧れ、故郷から出てくる人達の心理の、全くの裏返しと言っていいでしょう。

 単に余剰のお金が入ったとか、老後のスローライフを楽しみたいとか言うようなきっかけではなく、もともと数十年も心の中で暖め続けてきた欲求だったのです。






 きっかけは2011年3月11日の東日本大震災。

 
私たちの家族は都市圏に固まって住んでいるため、災害が起きて何もかも失った時には逃げ場が無いのです。
 地方には親戚がいるけど、既に疎遠な関係になっているし、おもいっきり遠隔地だし・・・。

 老いて体が不自由になっている両親の面倒を見ながら、生活に、仕事に復旧を進めていくなんて容易ではない。
 大災害に遭遇して下手に生き残ったら、東北三県と関東地方の混乱だけで手一杯になっている行政は殆どアテにならず、頼れるのは己だけ。
 
 せめて雨露しのげる家屋だけでもあれば何とかなる。
 こう考えたのがきっかけです。


 老いた母親とも相談してセカンドハウスを購入しよう!という話しになりました。

 私自身そういうのが欲しかった上に、私自身人嫌いになって近年ますます輪がかかってしまって、せめてたまの休日にでも都会の喧噪から離れて過ごしたいと常々考えていました。
 家族達も、そんな贅沢を!という意識はありましたが、東北沿岸沿いや福島の凄まじい現状を眼にした私の家族達は、「これはいけない」と痛切に感じたらしく、具体化してきました。


 主目的は大規模災害時の親族の緊急避難先確保。




 と言うことにしておこう。(゚∀゚)

 実際に災害が起きれば、家族だけ避難させて私一人だけは復旧のために都会に残ることになるのですけどね。(・ω・;)







 セカンドハウス購入は私の趣味、好きなことを実行に移すことに加えて、緊急避難場所、自然環境の中での生活、果ては自給自足出来るか?という問題まで含めて、私にとっては壮大な実験場でもあります。

 セカンドハウスを購入しても、家のある土地と往復する生活に疲れたり、所有する意味合いが乏しくなったり、維持が出来なくなったりして簡単に手放してしまうかもしれません。

 セカンドハウス購入にまつわるこれらの連載は、これから購入してみようかと考えている人、どういう物か知りたいと思っている人へ向けての実録でもあります。

 別荘地の管理をする係員さんとお話を交わしましたが、実際に田舎物件や古民家という不動産は、実際に取引されているのかどうか聞いてみました。
 いい物件はあっという間に売れてしまい、どうしようもない物件はいつまで経っても価格を下げても売れないらしいです。

 震災からこちらは、私と同じ目的で田舎物件や古民家を購入する人は確実に増えたそうです。



 予算は限りなく安く。
 ローンは組まずに払える金額。

 所有する車が12万キロを走破し、買い換える時のために少しずつ貯めていた貯金を崩して、セカンドハウスの購入資金とすることにしたのです。




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