山の古別荘のDIY記

混合水栓カートリッジ交換(KVK製キッチン用)

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 昨年から自宅キッチンの蛇口(シングル混合栓)から水があふれるように流れてきて、水道を使う度にシンクの上を水が這うようになりました。
 水栓ハンドル内のパッキンが老化してきたせいです。






 このキッチン水栓はKVK社製(旧MYM)
 このタイプはハンドル内部にあるカートリッジの交換が必要なので、KVK社のホームページで検索してカートリッジの型番を調べます。

 水栓の裏側にあるシールを見るのですが、文字がかすれていてはっきり読めない!(;´Д`)
 KM336までは何とか読み取ったので、該当する製品を探します。

 ホームページ掲載の写真を丹念に見ていって見つけたのが「KM336A」。
 今から20年前ぐらいに生産されたキッチン水栓で、生産終了品です。
 で、カートリッジの型番を調べると「PZKM110C」という製品でした。

 んじゃまあ、ネットで買おうかとネットショップのページを見て商品説明を読んでいくと・・・
 このカートリッジは形状が同じ物で前期型と後期型がありまして、微妙に形が異なります。

 これと、




 これの


 画像はAmazonさんより拝借しました。

 二種類が存在している。(・ω・;)

 水栓の型番がはっきりしていないのだからどちらの製品を買えばよいか自信が無い。

 カートリッジは少々お高い価格です。(>ω<)
 買ったはいいが間違っていたら開封後の返品は出来ないことは普通にあります。

 カートリッジ式混合栓は、必ず適合する部品を交換しないと装着すらできません。
 これでいいだろうと適当な物を購入するのは絶対に禁物です。

 そこで、一度水栓を分解して中身を確認をしてみることにしました。





 最初に書いておきます。

 こいつのカートリッジ交換は難物です。


 ・KVK社の専用工具が必要です。
 ・カートリッジ締付ナットを外すための大型の工具が必要です。
 ・カートリッジ締付ナットはおそらく工場で機械締めされていて固いです。


 私は職業柄こういう作業に慣れているのですが、カートリッジ締付ナットの開放はああでもないこうでもないとレンチの角度を変えたりして、最後にはフルパワーで格闘して10分近くかかりました。
 錆により固着していたのだと思われます。
 渾身の力をこめてやっと開いたぐらいなので、女性や腕力の弱い方ではビクともしないでしょう。


 用意する道具は、下に写真の専用工具。
 『KVK カートリッジ取外し工具 PG26』
 KVK製品、旧MYM製品はこれが必ず必要となってきます。






 マイナスドライバープラスドライバー各1本と先端の鋭い精密用のマイナスドライバー。
 それとカートリッジ締付ナットに適合するサイズのスパナかモーターレンチ。
 別に用意したのがウォータープライヤー。
 それとネジ外しが面倒になったので使用したドリルドライバー。

 この製品の頭の締め付けナットはナット径が39ミリ
 手持ちのモンキーレンチの幅ではとても足りず、KVK社からG22という専用工具も販売されていますがこれだけのために散財する訳にはいかない。
 そこでモーターレンチを出してきたわけです。

 モーターレンチは1本あるとこういった大きなナット類を外すのに便利。(いざという時、鈍器にもなるし。(;^_^A)


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 シングルレバーカートリッジ
取外し工具 PG26

 KVK 固定ナット外し工具 G22

 モーターレンチ MF230

 モンキーレンチ ワイド
アジャスタブルレンチ






 まずは水を止めます。

 キッチン水栓やキッチンの止水はたいてい下の収納ボックスのカバーの奥にあります。
 最初にカバーを取り外します。





 私のところはネジ6箇所で留めてある大きな開口板。
 ドライバーとかドリルドライバーで外していきます。





 板を取り去ると蛇口が2個出てきます。
 この場合、右が水、左がお湯。
 両方ともきっちりと締めて、洗面のハンドルを操作して水が出てこないことを確認します。

 止水栓が見当たらない場合は、直結されてあったりしますので、家の大元の給水栓(たいていは玄関の周辺にある)を閉めなければならないこともあります。



 水が止まったらいよいよ解体に取りかかります。

 最初はハンドルから外していきます。
 KVK社製はハンドル内部にネジがあります。
 キャップの隙間に先の鋭いドライバーか千枚通しなどを用いてこじ開けます。





 少し隙間が開いたらマイナスドライバーでゆっくりと真上に持ち上げていきます。





 ピッタリとはまっていますので真っ直ぐ上に持ち上げていきはずします。








 ハンドルが外れるとハンドルを止めてあるネジが出ますので、プラスドライバーで緩めて外します。





 ハンドルが取れました。
 中心の緑色の物がカートリッジ本体。





 カートリッジを固定しているカートリッジ締付ナットを取り外します。
 まず、専用工具を水栓の裏側にある小さな穴に引っかけて、回らないように固定しておきます。
 水栓全体が回ってしまうと配管の損傷につながりますのでご注意ください。






 カートリッジ締付ナットを取り外すには、モーターレンチ、又は、パイプレンチか大型のモンキーレンチを用います。
 ナットの径が38㎜もあるので、中ぐらいのモンキーなどではアゴの幅が足らずに不可能です。
 少なくとも40ミリ以上を挟めるレンチを使用します。

 今回は代用品のパイプレンチを使っていますが、ナットの山が薄いため引っかかりが少なく下手をすると山を潰してしまうので、モーターレンチが欲しいところです。





 外す方向は左回り。

 ネジが固着している場合がありますので、固い場合はナットの山をなめないように気をつけてください。

 このパーツは超絶、固いです!!





 ご覧のように結構錆が回っていました。

 ネジを緩めるのが成功したらあとは簡単です。





 カートリッジを引っ張ってやるとするっと取れました。

 取り出した古いカートリッジです。




 三角形の穴ですから型番は「PZKM110C」。

 外したカートリッジは上部分。
 下部分は廃番になって交換パーツはありませんが、周囲のパッキンを交換すれば良いらしい。





 現状を確認出来たのでこの日は元に戻しました。





 新しいカートリッジが届きました。

 カートリッジは上部分。
 下部分は水道管と一体になっているので取ることは出来ませんが、パッキンが2つ装着されています。
 このパッキンも老朽化しているので、ついでに買い求め装着します。

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 前回と同様の手順でキッチンシンク下の蓋を開けて水を止めます。
 水栓のナットを外していきます。
 二度目で錆の固着が取れているので今回は楽。







 カートリッジも全て取り外したら、今度は吐水口の長いアームも取ります。
 吐水口上部に被さっている半透明の薄いリング「スリップ板」を取ります。
 スリップ板は吐水口の上下に挟まっていて、回転を滑らかにするためのリングです。

 このリングはただ填っているだけなので、先の尖った千枚通しなどで持ち上げればするっと抜けます。





 吐水口のアームは少し固いのですが、真っ直ぐ上に引き抜くように上げればすぽっと取れます。





 吐水口が取れると下部分が全部見えます。



 白い三角形の物は古いカートリッジに装着されていた物が取れて落ちただけ。


 下部のスリップ板とXパッキンを全て交換します。

 Xパッキンは溝にきちんと填っているので先端の鋭い物で引っかけて外します。





 パッキンの交換が完了したら吐水口を嵌めて、上からもう1枚のスリップ板を被せて下半分は完了。






 上部カートリッジ下側を見ると、突起が2つ出ています。。
 この突起を下部に開いている穴に合わせてはめ込みます。








 カートリッジは前後があります。
 前後を間違えないように嵌めてください。




 ↑実はこれは前後が逆。
 間違えてしまって再び分解する羽目になった。(>ω<)

 正解は下側に口の開いている方が前。↓


 

 上部カートリッジは下部カートリッジ上に乗せるだけです。
 このまま固定ナットを被せて締め付けていきます。





 最後にハンドルを取り付けて終わり。

 止水栓を開放して水を通してやりテストします。





 水漏れが起きなかったら完了!!





 注:
 止水栓を開けた時に吐水口の隙間から水が噴き出す場合は、Xパッキンの挿入が間違っている可能性があります。
 その場合は再度開けてもう一度やり直します。






 ちょっと失敗したよ。(;´Д`)

 ナットの山に適合したレンチを使わなかったのと、固着であまりにも固かったので、何度もナットの山が削れてしまった。
 



 潰してしまうとプロを呼ばないと手に負えなくなるところだった。
 道具はきちんとした物を買い求めてからやりましょう。


 この固定ナットは替えパーツが売られています。
 この水栓のハンドルの型番は「ZK1S336C」。
 締め付けナットの型番は「Z409L」でした。


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KM300S用レバーハンドルセット
白 ZK1S336C

KVK カートリツジ締付けナット
Z409L





 これは知っておいて欲しい! 管理人からのアドバイス

 止水栓を開放する時は目一杯開放した状態で止めずに、少しだけ、ハンドル1/4ぐらい戻しておいてください。
 固く止まるところまで回してしまうと、中の金属同士の接点面積が大きくなり、ネジ同士の隙間の遊びも無くなってしまうので、錆びてくれば固着しやすくなります。
 こういう止水栓は、一度開けたら何年も開閉することが無いので、錆による固着が生じやすい箇所です。

 内部でバルブ等が固着してしまうと、次に修理を行う時には、建物全体の給水を止めなければいけなくなります。
 ハンドルを少し戻しておき、内部の金属の接点を小さくし、遊びを持たせることで、固着して動かなくなる確率を下げるようにします。
 マンションでも一戸建てでも、キッチンでもトイレでも同じです。



 年に数回点検をされている場合は必要ありません。



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