山の古別荘のDIY記

油性ステイン(カラーオイル)

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 きっかけは、仕事で管理しているマンションの一室の原状復帰から始まりました。

 このページの掲示板でさわりだけ紹介していましたが、サッシからの雨の吹き込みによるカビと窓枠の木部汚損が生じたこの木部。






 築30年を経過して、ホコリ、カビ、タバコのヤニなどで汚れまくった木部を、きれいにリフォームしようという試みから始まりました。


 掲示板内の一記事で終わらせる予定だったのですが、あれもこれもとやっていくうちにデータ量が多くなってきたので、メンテナンス記事として紹介していくことにしました。


 まずはオイルステインの紹介です。


 その前に・・・
 ここで使用している木片はホームセンターで、1本20円ぐらいの杉の端切れを購入しました。
 研磨には100番と300番前後のサンドペーパーで表面を滑らかに加工した材料を使用しています。
 *一部除く



 それにしても、100円ショップの10枚100円のサンドペーパー詰め合わせはあかんわ。(´ヘ`;)
 一番荒いのが60番、次が100番、そして400番の三種類入りパック。

 なんで間が無いねん!( ̄∩ ̄#


 しかも一見すると素地が布ペーパーのようで丈夫そうに見えるけど、使ったら木が削れていくと同時に、ペーパー表面の研磨材まで大量に取れてくる。
 気がつけば、周辺が木屑より黒っぽい研磨粉だらけですぐに使えなくなるよ。
 安いのはダメだわ。(;´Д`)ノ











 オイルステインとは

 オイルステインは木材に着色するための塗料の一種です。
 従来用いられているペンキは、素材表面に塗料の膜(塗膜)を乗せて色を付けるのに対して、ステインは木材内部に染みこませて色を付ける着色剤です。

 オイルステインという着色剤は、最初に主成分に油(シンナーやトルエン、亜麻仁油など)を用いて作られたのでオイルという名前が付いています。


 オイルステイン塗料のメリットは、塗膜を作らず素材に浸透するので、素材(木材)の地肌が隠されることが無く、素材の触感がそのまま残ります。
 木目を活かして家具などを作るのにうってつけの塗料です。







 色の種類も豊富で、無色のクリアから濃い色、ハンドクラフトに用いられる明るい色や変わった色など数多くの種類があります。
 色を混ぜたり、塗料を薄めたりすることで、ナチュラルウッドのような自然な風合いや、ビンテージやアンティークな色合いに染め上げることが可能となります。
 仕上げに木部用ワックスや蜜蝋などを使用することで、その色の数はほぼ無限になると言ってもいいかと思います。


 オイルステインのデメリットは、
 木材の木目の色が反転して見えるようになります。
 屋内家具用ステインは屋外用と異なり、木材を保護しません。
 水に弱く、水分が付着するとその部分だけ色抜けしたようになります。
 衣服に色移りする場合があります。
 ペンキを塗った木材やワックスを塗った木材には浸透しないので塗ることは出来ません。
 塗膜を作らないので他の色(食材など)が付くとその色に染まってしまいます。

 着色した木材を保護するためにオイルステインを塗った後にワックスやニスで仕上げます。


 少しばかり手間のかかる塗装方法ですが、製品を仕上げたときの美しさは他では出せない色合いです。
 木工には欠かせない塗料です。











ワトコオイル

 木工用屋内家具用塗料で有名な「ワトコオイル」です。
 イギリスの製品で主成分は亜麻仁油を使った人体に安全な塗料です。
 ワトコオイルオフィシャルページ

 厳密にはこれはステインではありません。
 木材の表面に保護膜を作るので「カラーオイル」、又は「フィニッシュオイル」と呼ばれるものです。


 この製品はステインと称されることが多いのであえて紹介してみます。
 お間違えの無いように。






 国産のオイルステインの商品の1.5倍から2倍の価格で販売され ています。

 レアな色でなければたいていの大手ホームセンターで入手出来、ネットで購入する と送料が付くので実店舗の方が安かったりします。
ビバホーム、ロイヤルホームセンター、コーナンに数色ずつ置いてあるのを確認し ました。

 成分は油性で、油性と言ってもラッカーやシンナーではなく、亜麻仁油が主体で揮発油が混ぜられています。
 筆洗いは水ではダメで、ラッカーなどのペイント薄め液が必要です。
 今回購入した色は「チェリー」。

 紙ヤスリで研磨した木材に塗ってみます。 さらさらの液体ですので筆でさっさと塗ります。








 チェリーと言っても日本のサクランボの色ではなくて、アメリカンチェリーの濃い目の赤い色ですね。
 ブラウンでもなし、マホガニーのような赤い色でもない微妙な色合いです。







 匂いは甘酸っぱいような臭気。

 最初はこの匂いなら問題無いなって思っていましたが、時間が経つにつれ刺激的な 酸っぱい匂いが鼻についてきます。
 匂いは部屋中に充満していき、次第にそばに木片を置いておくのが嫌になりました。(;´Д`)

 木片でこれですから、家具などに塗ると部屋内には置いておけないでしょう。

 約30分ほど乾かします。  




 ワトコオイルを解説してあるページを読むと、30分ほど乾燥させたら塗装面を軽く拭いて余分な塗料を取るとあります。

 で、この嫌な匂いは完全乾燥すれば無くなるそうなのですが、完全乾燥までは約1週間・・・(;゚◇゚)
 ワトコオイルのみでフィニッシュにするなら、製品完成まで何日もかかりそう。


 私はクロスでささっと拭き上げて更に乾燥させます。
 ワックスで表面コーティングしますから1週間も待ちません。
 このまま24時間ほど置いた方がいいそうですので一晩放置します。



 翌日、第一回目塗装&乾燥後に、一度表面をクロスで磨いて二回目の塗装をやってみました。
 匂いは鼻を近づけて初めて刺激臭が匂う程度にまで落ち着いています。







色が濃く乗ります。
これをまた24時間放置しました。







 部屋中に臭いが充満して時々換気しないと頭が痛くなりそうです。
 シンナー臭とはまた異なり、これはこれで嫌になります。(>ω<)

 写真では光線の加減でツヤがあるように写っていますが、実際はあまりツヤはありません。


 更に1日放置した木片を仕上げます。

 本来ならばここで耐水ペーパーの#400程度で研磨すると色に深みが出るらしいのですが、ペーパーが無いのでウエスで磨きます。


 ウエスに色が殆ど付かなくなるまで拭き上げてからワックスを塗りました。

 このテストを行っている際に、他メーカーのオイルステインも同時進行でやっていたのですが、色合いがとても良く塗った瞬間にきれいだと感じたのはこのワトコオイルでした。
 全世界で使用されていて一番有名なのがわかる気がします。

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カンペオイルステイン


 関西ペイント社のオイルステインです。
 カンペオイルステインオフィシャルページ


 色は「ナチュラル」。







 ナチュラルと言っても無色透明ではなく、少し黄色みがかっていてハチミツの色をしています。
 ビンを振ると、溶剤にとの粉が混ざっているみたいな感じで塗料の細かい粉が見えます。



 木に塗ってみると自然な感じでかすかに色が付きます。
 無塗装と塗装後とを並べてみないと違いはわからないです。
 自然な感じのナチュラルウッドの家具を作るならこういうカラーを選びます。







 溶剤は油性ペンキと同じラッカー系で、強烈なシンナー臭がします
 屋内では使用したくないです。
 他の色も買おうかと思いましたが、この匂いのせいでこれ1本だけにしました。

 さすがに揮発性塗料です。
 木材への浸透はこれが一番のような気がします。


 乾燥時間は一番早い約20分ほどで乾いてきます。(ラベル表示では1~2時間で乾燥)
 急ぐ場合には使えますね。

 (広告) Amazonではこれぐらいの値段で売られています。
 カンペハピオ 油性オイルステインA 新ウォルナット



 これらの油性のオイルステインですが、いずれも匂いがきつくて嫌になりました。
 家具など塗った後に屋外へ2-3日放置出来るような代物ならいいのですが、屋内の窓枠や柱などに使用すると数日は臭気に悩まされることになります。

 ワトコオイルは色合いはとても良くて、木目が十分活かされる深みのある色が出ますが、匂いが出なくなるまで3-4日はかかります。
 匂いを気にされる方は室内での既存の木部に使用することは避けた方が良いと思います。




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