山の古別荘のDIY記

木材用ワックス

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 オイルステインで着色した木材はそのままですとあまり光沢はありません。
 光沢を求めない落ち着いたフィニッシュを求めたい方はステインで着色したままで良いかと思います。

 ですが、ステインのみのフィニッシュは、衣服に色移りしたり、机に濡れたコップなどを置くとシミになりますし、食べこぼしで他の色が付着したりします。

 そこで、塗装した木材表面を保護するために、上塗り保護材として使用する様々な製品があります。








 一番著名なのは「ニス」。

 ニスは本名は「ワニス」。
 英語の「Varnish」が日本語に移入される際に「ワニス」と訛り、さらにその語を短縮して「ニス」と呼ばれるようになりました。
 Wikipediaより

 ニスにも様々な種類がありまして、最も多く使用されているのが石油系溶剤のラッカータイプ。
 仕上げに光沢があり、木材の上に固い塗膜を作り木材を汚れや水分から保護します。

 テカテカ光ったフィニッシュを好まない方のために”つや消し”や、人体への影響が少なく扱いの容易な”水性”タイプも発売されています。




 日本には古くから木材着色&保護剤として用いられる「」があります。

 ウルシ科のウルシノキと言う植物から採取した樹液が主成分で、乾燥すると水分をはじき、防虫効果もあります。
 顔料を混ぜて木工用の表面塗装として古来から用いられています。

 肌に原液が触れるとかぶれるので扱いに注意が必要です。









 今回ここで紹介するのは「ワックス

 ワックスにも様々な種類がありまして、
 ミツバチの巣から取れる”蜜蝋”、ブラジルロウワシから取れるカルナバ蝋、などの自然の動植物から採取される物と、パラフィンなど石油から合成されて作られる物とがあります。
 自動車の塗装の光沢を出すことでおなじみですよね。

 いずれも素材表面に塗ることで薄い膜を作り、水分や汚れをはじいて素材を保護する役目を持っています。

 木材には木材専用として作られた製品を用います。
 いや、別に自動車用でも構わないが、自動車用は光沢だけで色は付かない。
 木材用は保護や光沢を出すだけでなく、着色顔料が含まれていて着色も兼ねています。
 これまたいろんな成分の木材ワックスが販売されています。


 木材ワックスは素材の表面を保護しながら、木材の通気性を阻害せず、木目などの素材感を活かす性質があります。
 そこがペンキとは異なります。

 オイルステイン同様、木材の表面に浸透しますので、ニスやペンキを塗った素材の上から塗ることは出来ません。

 また、摩耗等に弱いので、ニスやペンキのような長期の保護効果は望まれず、特性を活かす場合は定期的なメンテナンス(再上塗り)が必要です。




 と、偉そうな蘊蓄を垂れていますが、最初は私もどんな物かわからんかったので、百聞は一見にしかず、実際に使ってみることにします。



 塗り方:
 サンドペーパーで研磨した板を使い、ワックスを塗った後に自然乾燥させます。
 30分から1時間放置して乾燥させたら、たわしなどでこすって木材内部になじませます。
 その後ウエスで拭き取り。
 ウエスに色が付かなくなるまで磨き上げます。










 今回はホムセンで見つけた「ビンテージワックス」。
 国内メーカーのニッペの製造販売品です。
 ビンテージワックスオフィシャルページ







 素材は天然成分の植物油ベースとあります。
 ブライワックスのような石油臭ではなくて、天然素材の独特な匂い。
 車のワックスのカルナバロウをもっとひどくしたような匂い。

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ニッペ VINTAGE WAX
ウォルナット 160g


 色は濃い茶色の”ウォールナット”。
 木材のクルミ材の色と同じく濃いブラウンです。


 使用する木材はサンドペーパーの150番で荒削りして、300番で仕上げた板です。







 今回の板きれは、表面の導管が荒く浮き出ている木材で、どんなに磨いても導管の細かい点や筋が消えることはない素材です。
 また、赤っぽい木は表面の傷を多く残した板です。


これにワックスを塗っていきます。








 ワックスを塗るとこんな風になっちゃいました。







 左下の板材は木目がくっきりと浮き出ていて、どんなに塗っても消えることはありません。



 しかし、このワックスは臭いです。(;´Д`)ノ
 こんな小さな板きれなのに、匂いが部屋中に充満しました。
 家具にこのワックス使ったら、乾くまで換気が必要。


 説明では30分ほどで乾燥ですが、念のため1時間ほど置いて磨きにかかりました。

 このワックス、自然系のオイルを使っているせいか、どんなに拭きあげても色移りします。

 オイル成分が乾燥してしまうまで色移りは止まらないのでしょう。
 *1週間以上放置してもかすかに色は取れてきます。








 最初に木目くっきりの板です。
 あれだけ茶色かったのに、磨くとワックスの色が薄れてしまって、染まったという感じではなく汚れが付着したような色合い。 (;´Д`)
 ある程度拭いてから乾燥するまで置いておいた方が良かったかも。




 残りの板も磨いてみます。







 う~ん、何て言ったらいいんでしょう。
 汚らしいです。


 特に、傷のあった赤系の板は、ワックスの塗りむらがあったんじゃなくて、まだらになってしまってどうしようもない。

 汚れが染みついたり、傷が大きな木はこんな具合に余計に汚く見えます。
 ビンテージ感を出すならばこれでもいいんでしょうけど、木材の材質や木目、表面の具合によってうまくいかないと思われます。

 やっぱり、最初はオイルステインで染めてからワックスをかけないともう一つのような気が・・・

 オイルステイン下地でこのウォルナットを実際に塗ってみた木材の画像はこちら



 色の付き具合が気に入らないのでワックスを2度塗りしてみました。


前回






2度目






 あんまり変わんね~っ! (;´Д`)


でも、実物はちょっぴりいい感じの光沢と渋みが出てきましたよ。








 次回は木材ワックスで有名なブライワックスを紹介します。



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