小物をアンティーク化 その3 ミルクペイント
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			 木の端材を使って棚を作ったり、室内木部の塗装を施すのに、オイルステインやワックスを利用するのには限界が訪れてきます。
			 その限界というのは、「
ワンパターン」。(・ω・;)
			
 両者とも木目を活かして木材の良さを前面に出して演出するのにはもってこいの製品なのですが、どうしても茶色系統の色合いから離れられないというジレンマに陥ります。
			 ヨーロッパ調の古い家具などを見ていると、白やらピンクやらの塗装が劣化して出来た塗装面が絶妙な風合いを出しています。
			
 アサヒビール大山崎山荘美術館の庭に面した扉。
			 アサヒビール大山崎山荘美術館の庭に面した扉。
			 自然な感じで枯れた塗装がたまんない。
			 これもアサヒビール大山崎山荘美術館の調度品の一つ。
			 これもアサヒビール大山崎山荘美術館の調度品の一つ。
			
			 新品の家具でこのアンティークな塗装を施して、オールド感を作り出す家具職人さんがおられるんですね。
			 それこそ100年も前に作られたのかと思うような色具合なのですが、間違いなく新品なのです。
			 最近、こういうアンティーク家具が流行していてあちらこちらのショップで見かけるようになりました。
			 この独特な風合いは従来の油性ペンキやステイン類で塗装することはかなり困難なことです。
 調べていくと、アンティーク塗装はとある塗料で簡単にアンティーク感が出せることがわかり、私はすぐさまその塗料を購入して実際に使ってみました。
			 
ミルクペイントです。 ミルクペイントは数社が出回っていますが、一番入手しやすいのがターナー色彩株式会社から発売されている、「
ターナーミルクペイント」。
			
			
 
			
			 この塗料、アンティーク感や古びた感じを演出するのには最高!!(゚∀゚)アヒャ♪
 誰でも簡単に作り出すことが出来ます。
			 超オススメ。
			 
			
			 このミルクペイントは水性塗料。
 カラーは全部で16色。
			
 
			 赤や青などの原色は無く、淡い中間色ばかりです。
 一度塗りでは素材の色を消すことが出来ないので、
二度塗り以上の工程が必要です。
			
 ミルクペイントはつや消しで、ラッカー塗料のようなピカピカ、テカテカのような質感ではなく、柔らかく優しい質感。
			 乾燥してもあまり光沢は出ません。 
			

			 水性ですので、濡れた雑巾などで激しくこすると塗装は落ちてきます。
 また水がかかる場所での塗装は出来ません。
			 木材、紙、布、コンクリート面などはそのまま使用出来ます。
 金属は下地に「
マルチプライマー」を塗ると塗膜がくっつきやすく安定します。
			 ポリエチレンや塩ビ、プラスティック系は塗料をはじいてしまうので塗れません。(塗れたとしても乾いたらパリパリとめくれてくる。)
			
 水に弱いとは言え、一度乾いてしまうと容易に取れません。
			 塗装時にこぼしてしまったり、垂れてしまって乾ききってしまった場合は、ラッカー薄め液を用いると簡単に取れます。
			
 複数の色を塗り重ねたりまだらに塗ることで、素材の質感を際だたせます。
 更に、16色のペイントの他に、5種類の
メディウムという加工用塗料が用意されてあります。
			 この加工用ペイントを上手に利用することによって、単純なペイントをアンティークな物へと変身させるわけです。
			
 左から、アンティークメディウム、ダストメディウム、マルチプライマー。
			 左から、アンティークメディウム、ダストメディウム、マルチプライマー。
			 メディウムはこの他に、クラッキングメディウム、ブラスターメディウム、ラストメディウムがある。
			 つや消しのままの柔らかい雰囲気を楽しみたい方は、塗料を塗っただけで充分です。
 ある程度光沢を出すためには、塗装面を細かい番手のサンドペーパーで滑らかにした後に
、トップコートクリアを塗るか、クリアのラッカーを吹き付けたり、ワックスなどで光沢を出します。
			 
 オールド感を演出するための、様々な塗装のテクニックをネット上で見つけることが出来ます。
			 そんなページを参考にして試行錯誤中ですが、使ってみた様子を少しだけここに記述してみます。
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			 「
スノーホワイト」をリフォーム現場に使用してみました。
			
 ↓これは、リビングと洋室の間仕切りの枠縁の木部です。
			
 
			
			 経年変化と長年の使用により、すっかり木部が痛んでしまっていて、どんなにクリーニングしても細かい傷やまだら模様は消えません。
			 本来ならば全部新品に作り替えてしまうのですが、それをやるとコストばかりかさむので、塗料を塗って古い傷を隠します。
			 オイルステインやワックスを使っても良いのですが、傷自体が目立ってしまうので、今回はミルクペイントを使用しました。
			
			
 
			 白い壁クロスに溶け込んでしまって、木部の傷などが目立たなくなりました。
			
 
			 よーく見ると、刷毛の塗り跡が残っているのですけど、つや消しの塗装が目立たなくしてくれています。
			
			
 
			 白に限らず、ピンクやイエロー系を使ってかわいい部屋の感じにしてみたり、濃い色を使って落ち着いた質感も出せます。
			 石油系のラッカー類と異なり、ギラギラした光沢がありませんから非常に自然です。
			
			 100円ショップで売られている小物に、ミルクペイントをほどこしてみました。
			
 
			 使用色は黄色っぽいのが「ハニーマスタード」、白が「スノーホワイト」です。
			 ただ色を塗るだけならば何の面白みもありません。
 「かわいい色だね」って言われるのがオチです。
			 これにメディウムを使って古びた感じを作ってみます。
 一番利用度の高いのが「
アンティークメディウム」。
			 焦げ茶色の塗料なのですが、ミルクペイントの塗装面に使用することで、痛んだ木材や錆び付いた鉄製品を作り上げることが出来ます。
			
			
 
			 エッジに薄く塗るだけで「使い古し感」を出せます。
			
 
			 本当に
削ったのではなく塗装した。のです。
 実際にお部屋の備品に用いてみました。
			 使ったのが棚板。
 ヒノキの端材にミルクペイントを塗って、アンティークメディウムを重ねます。
			
 
			 木材のエッジにアンティークメディウムを散らしていくことで、古びた使いこなされた感じを演出しています。
			 ぱっと見は木材がこすれて傷ついたように見えるのですが、これは塗装なんですね。
			
 
			 古びた感じの新品です。
 トイレットペーパーホルダーもこの塗装で統一。
			
			
 
			 賃貸マンションの味気ないトイレが、少しばかりオシャレになりました。
			 この備品の製作ですが、けっこう手間がかかっています。f(^ー^;
 木部にミルクペイントのスノーホワイトを3度塗り。
			 真っ白になった製品のエッジにアンティークメディウムを塗って加工。
			 メディウムを塗りすぎた箇所とかもありますので、もう一度スノーホワイトを上から塗って整えます。
			 塗装面の乾燥には最低でも30分は必要なので、丸一日がかりの製作になります。
			
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			 様々な塗料を駆使して少しばかり応用してみました。
 ↓これは上に出てきた物と同じ材質の棚板。
			
			
 
			 木材にブライワックスのジャコビアンを塗って磨いただけの物。
 これが上面。
			 下面に一工夫施しました。
			
 
			
			 
			 木材にミルクペイントを一度塗り。
 サンドペーパーの280番で塗装面を荒く削って傷を付けます。
			 濡れ布で削りかすを拭き取って乾かした後に、ブライワックスのジャコビアンを塗って磨き上げた物です。
			 どこかの古材から木片を取ってきて作ったような質感を出してみました。
			 棚は下から上を見上げることが多いので、下面に塗装をやってみたわけです。
			
			 こちらはどこにでもあるステンレス製のトイレットペーパーホルダー。
 TOTO社の刻印入ってます。
			
 
			 こういう金属製も古くなってくると小傷だらけで、中古感がいなめません。
			 新しいペーパーホルダーにチェンジしたらこれを捨ててしまうのかと思うとちょっともったいない。 
買うと結構高いんだよ。
			 そこで、こいつにも塗装を施して、刷新して再利用することにしました。 
一つは男前感が漂うグッズ。
			 男前インテリアとは、部屋にどことなく男の無骨さが漂うようにレンガ調や板壁調の壁紙や、ヴィンテージ感のある家具調度品などを取り入れたスタイルです。
			
 こちらのページが詳しい。
 上記文中より引用
			 「男前インテリアで、新品であることは憎むべきものだ。 そう 木製も、古材感のあるものが歓迎されるそうです。
			 -中略- いかにも自然にエイジングしたように見える加工は、「男前」で尊ばれるテイストです。」
			 ペーパーホルダーはステンレスですからこのままですと塗料が乗ってくれません。
			 そこで表面全体にプライマリーを塗ります。
 プライマリーは乾燥しても少しべたべたとしている透明の下地剤。
			 その上からミルクペイントのディキシーブルーでシックな色を塗っていきます。
			 金属の下地がなかなか隠れてくれないものですから3度も色を重ねました。(;´Д`)ノ 
			 乾燥したらフラップの部分だけスノーホワイトを塗ります。
 そしてその上からまたディキシーブルー。
			 要所要所にダストメディウムでホコリが付いたように加工して、エッジはアンティークメディウムで錆びた感じに。
			 トップのフラットの塗装面が分厚くて滑らかでないので、サンドペーパーで荒く削ってホワイトの下地がこすれて見えるようにしました。
			 
メチャ手間がかかりすぎっ!!(>ω<)
			
			 うわーっ!ぼろっちい。(;´Д`)ノ
			 うわーっ!ぼろっちい。(;´Д`)ノ 
			 こういうペーパーホルダーは嫌だな~。
			 エッジの錆び感はこんな具合。
			
 
			
			 
			 充分ビンテージ感が出てきたところで、100均で買ってきたシールで装飾。
			
 
			 こういう男前インテリアを好む女性が増えてきたって言うんだけど、ホントかな~。(;´Д`)ノ   
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			 こういうのを好まない方もいるだろうと思って、もう一つ作ります。
			 今度はプライマリーを塗った後に、黄色系のハニーマスタード塗ります。
			 全面を2度塗りした後に上からフロリダピンクを荒っぽく塗っていきます。
			 変にムラになった場所を軽くサンドペーパーでこすって、その後エッジをアンティークメディウムで錆び付きをアンティーク加工。
			 アンティークメディウムを塗りすぎたりして失敗した部分を、もう一度ピンクで修正。
			
 
			 サイドはこう。
			
 ピンクは簡単そうで難しい。(ノД`)・゚・
			 ピンクは簡単そうで難しい。(ノД`)・゚・
			
			 この画像は見えにくいですが、ハニーマスタードのイエローがところどころチラ見してます。
			 更にかわいいシールを添えてみたんだけど、これは失敗かな~。(;´Д`)ノ 
			
 
			 これからリフォームする部屋をどういうスタイルで統一していくかは、やりながら考えていきます。
			 男前部屋にするかかわいい女子部屋にするか・・・・。
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			 以上、ミルクペイントを使ったアイテム製作の一例でした。