愛する大事な家族

寛解

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前回のあらすじ
 愛猫のさんかくがある日突然下痢、嘔吐、食欲不振に見舞われました。
 急性膵臓炎と診断された愛猫。
 ペットの膵炎に絶大な効果がある膵臓炎の新薬が昨年発売された。
 しかし、それは犬用。
 さんかくの病気は治るのか?


 注:今回の記事に出てくる薬の使用は製薬会社の指標に基づくものではありません。
   従いまして製薬会社には何の責任もありません。
   薬の使用については、ペットの飼い主である私の意思、承認同意のもとに使用を行っています。
   登場する獣医師は私の決定に従って薬剤を投与しただけで何の責任もありません。
   お読みになられた読者が同様の行為を行い、何らかの損害が生じたり、何らかの被害を被っても、私は一切関知しません。
   また、一切の要求にも応じませんのでご了承下さい。






 どうするって・・・・

 薬を投与するに決まってるじゃないっすかっ!(>ω<) 

 嘔吐と下痢で体重が減少してきてぐったり。
 何も食べたがらなくじっとしている愛猫を見続けるのは辛い。
 このまま衰弱して命を失ってしまうのなら、先生が提案するこの新薬にかけるべきだ。

 お金もいつまで続くか不安だし・・・。

 と言うわけで二つ返事で薬の投与をお願いしました。


 それじゃあ準備する間、お熱測っておきますね~。

 看護師さんが薬の用意をしている間に体熱の測定をします。
 体温は39度5分。
 相変わらず体温が高いままです。

 さんかくは最初の頃に比べて大人しくしています。
 キャリーバッグに入る時は嫌がりますが病院に来たらあきらめたのかじっとしています。
 ここに来れば体が楽になるとわかってきたのでしょうか?


 「薬の投与が終わるまでの間、守ってもらいたいことがあります。
 院長先生が体温計を見ながら話を続けます。

 「これから3日間の間、絶食絶水をお願いします。」

 



 暴走して暴れ回っている膵臓を沈めるため、消化酵素で傷ついた周囲の臓器を回復させるため、一旦食事も水も絶たなければいけないそうです。

 ちなみに、犬の場合は7日間。
 人間の場合は30日間にも及ぶことがあるらしいです。

 食いしん坊のさんかくにとっては試練の3日間になりそうです。


 「それでは、第1回目の薬を投与しま~す。
 輸液の袋が繋がった針をさんかくの背中に刺し、注射器で順番に薬を入れていきます。
 「これがいつもの鎮痛消炎剤、次に膵炎の薬、解熱剤と下痢止め、吐き気止めも入れますね。
 
 これから絶水になるので輸液は多め。
 輸液の中には生存に必要なビタミンやら栄養剤が最初から含まれているそうな。
 「はい、終わりました。 また明日来てください。

 最後に院長先生から宿題を出されました。
 お時間があればこの薬のことをネットで検索してみてください。


 これで薬剤投与1日目が終わりました。

 いつも、病院から帰ると我慢したご褒美にちゅーるをあげているのですが、今日は無し。
 水の入った器も下げて食事にまつわるものは全て無くします。
 さんかくは病気のせいで元気が無いので食事はほぼ欲しがりません。

 1日目が終わりました。

  



 2日目。
 会社を早めに切り上げ、帰ってきてすぐにさんかくを病院へ連れていきます。
 出発する前にトイレをチェック。
 便は相変わらず軟便。
 尿のネコ砂の塊は黄色みが消えていつもの色になっていました。

 病院に着いて見てもらうと「どんな具合ですか?」と聞かれます。
 今日は尿の色が通常に戻ったと言うと、
 「良かったですね。 鎮痛消炎の薬の効果が出てきたんでしょう。
 とのお答え。

 すぐに昨日と同じ薬剤を輸液で皮下に入れていきます。
 さんかくの足は連日の輸液の水分で膨れてタプンタプン。
 歩くと揺れます。


 病院から帰ってきたら、さんかくがいつものお食事場所でじっと座ったままこっちを悲しそうに見る。
 どうして食事が無いの?
 どうしてお水も無いの?


 無視していたら、しまいにはニャーニャー鳴き出す。

 これには参った。(>ω<)

 「先生から許可貰ったらお食事上げるからね。 今日はまだ我慢だよ。」
 そう言ってさんかくをなだめるが伝わらない。
 プンプン怒ったようにふて腐れて箱の中でじっとしている。





 3日目。
 さんかくの便は食べ物を与えていないので小さくなってきている。
 そしてまだ軟便。 
 薬の効果が出ているのかどうかわからない。
 輸液で水分補給をしているので尿だけはしっかりと出ています。
 輸液の量が多いせいでおしっこの猫砂ボールが4つぐらいある。


 夕方に病院へ行く。
 「明日の朝からご飯も水もあげていいですよ~。

 やっとお許しが出た。

 先生:「食事は出来るだけ脂分が含まれていないものにしてください。
 私:「ヒルズのa/dとi/dの缶詰を買ってきてありますが、どっちがいいですかね?」
 先生:「絶食明けなのでi/dがいいでしょう。 a/dは全部終わってから。」

 *ヒルズi/dは消化器ケア用、a/dは病後の回復期ケア用の食事療法食。      
  「腸内バイオーム 繊維&消化ケア」という缶詰も後日買ってきてあげた。


 明日は病院も定休日なのでさんかくも少し休める。
 今夜も食べ物を欲しそうにしているが完全無視。


 4日目、今日は病院はお休み。
 絶食明けだから食事は少しずつ与えてと指示して私は会社へ。
 家族が缶詰の1/4ずつ与えて朝と昼で半分ほどあげたら満足して寝ちゃったそうな。

 夕方缶詰の残りをあげて、カリカリも少しあげる。
 大食いのさんかくがこれだけで満足している。
 嘔吐も無く、食後もいつものように元気。





 5日目。
 病院へ行って4回目の薬剤投与。

 就寝前のトイレ掃除。
 おしっこボールの数がすごい。
 猫砂があっという間に無くなっていく。

 軟便が止まっている!(・へ・;;)

 便は小さいけどしっかりと固まった健康的なうんちになっていました。


 6日目。
 薬剤投与最終日。
 私:「便が固まってましたよ。」
 先生:「良かったですね。 たぶんもう大丈夫ですよ。」

 最後の薬を投与し終えました。
 先生:「異常が出たらまた来てください。」
 
 長かった。
 とりあえず今日で終わり。
 再発しないことを祈って病院を後にしました。





 治療後から現在まで約2ヶ月経過しました。
 さんかくは再発すること無く元気に過ごしています。
 治療に努力していただいた獣医師と製薬会社に感謝。

 次話が最終話になりますが、通院中に獣医師から聞いた様々なお話と、この2ヶ月間のさんかくの病後のことを書いておきたいと考えています。
 もうしばらくお付き合いください。 



 次話に続く



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