山の古別荘のDIY記

予想以上に深刻な状態

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 前回、ウッドベランダの床板の腐食部分を取り除いた時点では、まだまだ楽観視していました。


 ベランダは合計で6本の柱が立っています。







 デッキ板が腐ってしまったのは左から2番-3番間と3番-4番の間の板。

 今日はその2枚を交換します。







 まあ、これぐらいの腐食は想定内。
 『上板を取り替えれば済むだろう』ってなもんで、通販で交換の材料を仕入れて山の家に運んできました。



 早朝に自宅を出て到着したらすぐに着替え、いつもの掃除などは省略して早速作業に取りかかりました。
 まずは痛みのひどい方の2番-3番間の板から取り外していきます。







 各種道具をベランダに持ち出して、板に打ち込まれた釘を抜き始めます。

 釘抜きをしっかり噛ませようと、釘回りの木をえぐりながら釘抜きの背を金槌で叩いていきます。

 釘抜きに力を込めると、板に当たる支点の部分の板が腐っているためどんどんめり込んでいくし。
 手すりがじゃまで力が思うように入らないけど、何とか力任せに釘抜きを倒していきます。

 ところが、これが・・・抜けない。(;´Д`)ノ

 そして、初っぱなから1本目の釘の頭を潰してしまいました。







 仕方がないのでノコギリとドリルを持ち出して、切れ目を入れながら穴を幾つも開けて、弱ってきたところをバールでこじてもぎ取りました。

 柱の下に挟まった状態の木を抜いてどけてみると、根太が想像以上に腐敗が進んでいます。







 ミスト設置どころじゃないですよ。


 これの補修が完了するまでは水気は厳禁。(×_×;)
 って言うかまだミスト噴霧器は買ってない。



 柱の下はこういう構造。







 どうも柱のほぞ部分にも腐敗菌が回っているようですが、どれぐらいやられているのか全くわかりません。
 ほぞより上の部分も一部腐ってスカスカになり始めています。

 この部分の掃除は後回しにして、順々に板を剥がしていくことにします。


 しかし、釘はなかなか抜けず。
 もうボロボロに錆びていて、途中で折れてしまう物もあります。







 苦労しながら30分ほどかけてようやく1枚を除去しました。








 根太、と言うより「大引き材」なのですが、途中で継いであり下の鉄骨にはボルト止めしてあります。
 大引き材には根太が絡んでいるはずですから、こいつを交換するのは私の技量では無理。












 腐った部分をノミで削り取ってかき出し、木屑を掃除してやります。
 かなり悪い状態だと言うことがわかってきました。









 全体はこういう感じ。







 ベランダの2番柱の下部を見ると、大引き材の腐食はたいしたことはないのですが、1番-2番間のデッキ板は中心に穴が開いていてボロボロの状態。
 次回はそちらの板もめくる予定です。




 柱に打ってあるかすがいも錆びてボロボロ。



 続いて、向かって右側の3番-4番間の板の撤去に取りかかります。

 とにかく釘が抜けなくて時間がかかります。
 森を抜ける風はそこそこあって爽やかですけど気温は30度ほど。
 暑くて、頭に巻いたタオルは汗を吸水しきれずボタボタと落ちてきます。
 隠し釘が1本打ってあってメチャ手こずった。(;´Д`)




 4番柱側の状態は腐敗は殆ど無く、柱も健全な状態でした。








 ボルト穴付近には腐敗菌がビッシリ!∑(´□`;)
 こいつが木を腐らせていくんですよね。







 で、3番柱側の端は腐敗がひどい。
 ノミを突っ込んで腐敗した部分をかき出していくのですが、かなり深くまで腐っています。
 大引き材は100ミリほどの角材ですが、ほぼ半分ほどの位置まで穴が開いてしまいました。






 腐敗した範囲は限られているのですが、かなり深くてノミの刃が届かないところまで腐っています。
 おそらく下の鉄骨に触れる部分も相当ひどい状況と思われます。
 本来ならこの木材は取り外して新品に交換するか、腐った部分をカットして継ぎ木をすべきぐらいの状況。

 この木材を外すためには、ボルトを外した後に、手前のデッキ板を外して根太の噛み合わせの状況を確認しなければいけません。
 下手な外し方をすると柱がずれてたいへんなことになりかねない。(>ω<)

 どうやって補強するかは帰ってから考えます。(泣)








 端のひどく腐った部分以外は程度がいい。

 この時点で1時間以上経過していました。
 水分補給のため少し休憩。
 手すり板の上から腕を回して釘抜きなど使っていたため、腕の上部にあざが出来てしまいました。
 今でも紫色になっています。(;´Д`)ノ


 板材の腐った部分をもう少し削り取った後は、防腐処置とエポキシとパテによる補強、防水処理の作業にかかります。
 使用する材料は過去に紹介した、ロットフィックスなどのエポキシ材を使用します。









 休憩している時に撤去した板を裏返してみました。






 亀裂が大きく入ってもうボロボロ。

 表側はしっかりと塗料が乗っていて何ともない状態ですが、裏側はこんなにも腐食が進んでいました。
 こりゃ根太もダメになるわ。

 いくらこのエポキシメーカーの製品が信頼あると言っても、ここまで腐ってしまうとちょっと無理です。
 形状は成形できますが、強度の復活はほぼ無理。



 *注意
 今回の補修は、本来ならばプロに依頼して腐敗した木材を交換せねばならないぐらいの状態です。
 大引き材や根太、柱が容易に取り外せない状態なので、仕方なしに行っている処置です。
 お金があれば修理をプロに依頼してます。

 防腐剤を塗ってもしっかりと内部まで浸透しませんし、エポキシ剤もきちんと内部まで浸透しきるかどうかも確証はありません。
 また、木材が健全な状態で持っている強度まで回復できるかどうかもわかりません。
 私自身、木材の強度は薬剤では回復できないと思っています。
 強度不足をこれからどうするかについては何か別の方法も検討中です。
 最終的にどうにもならなくなれば業者に修理を依頼します。

 ですので、このページに記載の内容を真似て作業を行われて、損害があっても何も保証できませんし、何か事故が起きたとしても責任は一切持ちません。






 このページを立ち上げた当初にこう書きました。

 『私にとっては壮大な実験場でもあります。』
 購入編、プロローグ記述内



 自分がどこまで出来るのか、出来る限りやったらどうなるのか。
 極力DIYで何もかもの手入れを行ってみる趣旨でいろんな作業をやってます。

 おかげでこの山の家を入手してから膨大な知識と経験値を得ました。
 でも勇者になるにはぜんぜん経験不足。

 まだまだラスボスは登場しないと思っていたら、小ボスにぶつかった感じです。( ̄▽ ̄;)


 って言うか、


 お金があったらこんな苦労はしねえよっ!!o(≧◇≦*)o








 たわごとはこれぐらいにして・・・  (´・ω・)


 久しぶりにオータビルサンダーを出してきました。








 柱の根元に薬剤が染みこむように塗料を剥離します。







 大引き材表面の痛んだ部分をサンダーで削っていきます。








 作業風景はこんな感じ。








 次に防腐、殺菌効果のある薬品を柱や大引き材に埋め込みます。






 ドリルで適当な場所に穴を開けて、薬剤を挿入します。
 ドリル穴は斜め下に向けて、深さは5センチほど。
 その穴に薬剤を押し込みます。

 この薬剤は水分に触れると溶けて木の中に浸透していきます。






 穴は木工用コーキングで塞いで、後ほどパテで栓をします。





 次に殺菌防腐剤の粉を水で溶かして表面に塗っていきます。






 規定以上の濃い目の水溶液を作って塗りました。
 この薬品は表面しか浸透しませんが、一度乾いた後また水分を含んだ時にまた溶け出します。
 その時にじわじわと浸透していく効果を狙って濃度を上げて作りました。

 この粉材は殺虫効果もあるらしく、キクイムシがこの薬剤を含んだ木を食べると死んじゃうそうです。
 溶液作る時に粉を吸い込んじゃって、咳が止まらずひどい目に遭った。(;´Д`)ノ




 水溶液が少し余ったので、エアコンをどけて未塗装の箇所とか、塗料が剥がれてきている場所にも塗っておきました。







 塗りおえた後、早く乾燥させるために扇風機で風を送ってやります。
 前日まで雨が降っていて、木の内部まで水分が残っているので完全に乾きませんが、次の工程に入るためにとりあえず表面だけでも乾燥させます。













 3時間ほど後。
 もう山の影が対面の斜面に映ってきました。
 空の色といい秋の気配が漂い始めています。
 山の夕暮れは早い。







 大型台風が本州に近づいてきています。
 来週半ばには来るかもしれないので、むき出しになった木材に防水も兼ねてエポキシ剤を塗ります。








 使用するエポキシはとろとろの水溶液。
 塗ったそばから木材に染みこんでいきます。
 木の痛みが無い場所は染みこみにくく光沢がありますが、腐敗して空洞のある場所はどんどん染みこんで光沢はなかなか残りません。

 一度塗って光沢の残らない部分は何度も上から塗っていき、光沢が出るまで染みこませます。
 エポキシが染みこむ範囲は材質や木の状態によって異なりますが、あまり深くまで染みこみません。




 左半分はまだ塗っていない。



 2回目の溶液を作った時、思い切って大量に作りました。
 塗り込む作業をしていたら、徐々にコップが熱くなってきて持てなくなるほどに熱くなってしまいました。
 コップの中で急速に硬化が始まって化学反応により熱を持ち始めたようです。
 あわてて刷毛でかき回したら少し手にかかってしまい、熱くて洗面所へ行って水で冷やしました。

 その後ずっと指先がヒリヒリして、軽いやけど状態。
 大量に作るもんではないです。('◇')ゞ
 固まったエポキシはペンキ落としで拭き取りました。



 半分凝固しかかっていたので、一番肝心な腐食の激しいところに浸透させることが出来ず、上からコーティングしたような状態。(;´Д`)
 拭き取ってもベトベトした溶剤が残ってしまいます。
 完全硬化していないので、くっついた物を掻き取ることも出来ずに終わっちゃいました。



 その部分はまた後日再補修することにして、凹みのある場所をパテ埋めします。







 今度は手で混ぜる必要があるので、使い捨てのビニ手をはめて二種類のペーストをこね混ぜます。

 混ぜたパテを木材の凹んだ部分に埋めていきます。




 エポキシ水溶液は硬化していなくても、相性がいいのでしっかりとくっつきます。







 ちなみに、このボルト止め部分の凹んだ場所は、水が溜まってしまうので、ドリルで水抜き穴を開けてやっています。


 一通り凹んだ部分にパテを盛りつけていきました。







 なぜパテを盛るかというと、雨が吹き込んだ時に凹みに水が溜まらないようにするためです。
 エポキシの浸透が悪いと思われる部分や、強度不足かと思われる柱のほぞ部分は次回もう一度入念に手入れをする予定です。





 と、ここまで作業をやってきましたが、木材の横面をサンダーで塗装をはがしたまま、エポキシ塗るのを忘れてしまって何もしていません。
 雨水がかかれば横面から水が染みこみます。(;´Д`)ノ


 帰って来てから気付きました。


 一日の苦労が台無し。ガクッ!!_| ̄|○






 こんな風に作業したんですけどねえ。(;´Д`)





 今回の作業では、水分の侵入を完全に塞いだわけでもなく、木材の強度を回復させたわけでもありません。
 大引き材の中や下側がどうなってるのかもわかりませんし、柱のほぞの腐敗具合も見えませんでした。

 腐った板をめくってみて始めて気付いた点が山ほどあって、次回にそれぞれの対策を施す予定で、どんな作業をするか現在探っている状態です。


 今は柱がはずれたり傾いたりする状態ではありませんが、大きい地震や強い台風が来たらどうなるか。
 そんな時は損害保険を申請しますが。(゚∀゚)アヒャ♪



 これからの予定は、防水・強化補修→大引き材塗装→デッキ材組み付け、となります。
 天候の具合や、素材、薬剤、塗料の乾燥のために何日も費やすと思います。

 あと2枚あるベランダ両サイドの板交換もあります。
 全面の再塗装もあります。


 冬までには出来上がるんじゃないかな。(ノД`)・゚・





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