山の古別荘のDIY記

大引き材の補強

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 一人で行う補修作業の限界。

 いつかは辿り着くと思っていた事です。


 この山の家のウッドベランダが組み立てられて約30年。
 一部のデッキ材は途中で交換修理されたような跡はあります。
 屋根付きだから長持ちしたのでしょうけど、それでも雨が吹き込む場所の木が、この程度の腐食で済んでいるのは超優良選手。
 手で持ち上げただけでボロボロと崩れる屋外の木材を見ているだけに感心します。


 このウッドベランダがもっと低い位置にあって、安全に作業できる環境ならば、私は迷わず解体・素材交換の方法を選んだと思います。
 しかし、約5mの高さでの作業はプロの職人さんの領域。







 プロに依頼して足場を組んで解体修理の費用と、DIYでコツコツと修理していく費用とを天秤にかけてみてとりあえず自分でやれるところまでやってみることにしました。



 いいかチョッパー!!
 ・・・男にゃあ、どうしても戦いを避けちゃならねえ時がある!!
 ・・・たとえ・・・
 とうてい・・・勝ち目のねェ・・・相手だろうともよ・・・!!!
 アニメ、ONEPIECEより


 おお!何だかカコイイ!(゚∀゚)







 と、前置きが長いと嫌われるので早速本題に入ります。

 まず最初に、柱の配置図はこれです。








 このベランダの各柱の根元の構造がどうなっているのかというと。






 この写真から判断すると、上から見たらこういう感じ。







 デッキ板が乗っているため、根太と大引き材の組み合わせがどんな構造になっているのかがもう一つ判明しません。








 大引き材の大きさは、90x90以上の太い材木。
 前回厚さ100ミリと書きましたが、きっちりと測ったら90ミリでした。テヘッ

 今、上から見えている大引きの幅は約70ミリほどの部分だけ。
 写真から判断すると、縦方向に入っている根太は、残り20ミリの幅の切り込みにはまっていることになります。
 20ミリという幅が少し少ないので、大引き材に彫り込まれた穴に接がれてあるのかも。
 もしかしたらデッキ板2枚目の下、大引き材の内側にもう1本補強板があるのかもしれません。




 根太の様子は2枚目のデッキ板の下側の隙間から見えません。





 No2柱の付近を真横から撮影。

 見えているのは隠し釘かな? 
 1番~2番間のデッキ板が腐って中に穴が開いているのが見えます。
 こちらの修理も手こずりそう。



 大引き材をはずすためには2枚目のデッキ板も外す必要があります。









 屋根の軒を支えている柱が上に乗っているため、もし、柱のほぞ部分下部が脆弱になっていたとしたら、重みが乗ったほぞは簡単に破壊されて傾くことが予想されます。
 傾いてしまったら一人では戻すことが出来ません。
 母家から伸びている梁が支えているので倒壊の可能性は少ない。

 1枚目の縁板をはずして、構造と腐敗度合いを確認した私は、
 柱が2枚のデッキ板の上にその重量が乗っているのかもしれない。
 外側の1枚を外すことでバランスが崩れたかもしれない。

 『オレは何て危険なことしてるんだ!』ってビックリしたんですよ。








 倒れたり傾いたりしないのは、ほぞの強度がまだ保たれているのと、梁が支えていて屋根の重みがあまり加わっていないからだと思います。

 次に行ったら傾いていたりして・・・(;゚◇゚) 


 もしかしたら、外側に刺さっているボロボロに錆びたカスガイ1本でバランスを保っているのかもしれません。





 カスガイの刺さっている部分の外側から見た写真を、自宅のパソコンで拡大して見てみたら・・・・




 これはNo.3の柱。




 これはNo.4の柱。 カスガイはグラグラで手で抜けた。



 釘が打たれとる!! ( ̄□ ̄;)!!



 カスガイは何のために付いてるの!?


 デッキ板はカスガイの部分で二つに分割されていましたから、デッキ板を固定するための物ではありません。
 デッキ板には釘も打たれていたし。

 よくわからない構造です。




 腐った大引き材を外して交換するためには、柱を支えた上で行わなければ危険が伴うと判断しました。
 そんな作業をプロに依頼する予算はねえ。


 想像できることは、ベランダの外枠を組んでから柱が差し込まれたのだと思います。
 もちろん、腐食して解体修理することなどは念頭に置かれていないと考えられます。



 こんな構造にしておくなよ~。(ノД`)・゚・






 さて・・・

 大引き材を外すことなく3番柱の根元の腐った部分を補強するにはどうすればいいか?


 一つは、腐った部分をコツコツとノミで掘り出して除去した後、削りだした部分の形の木材を作りはめ込んで、従来の大引き材に接ぐ。


 ものすごい手間ですね~。(,,゚ x 。)/



 正直言って、90ミリ厚もあるような木材をコツコツと掘り出す手間はやりたくねえですよ。
 柱の表側は手すりが邪魔で頭すら入らなくて見えないし、うまく手が回らないし。
 留めてある釘を抜いたら倒れそうな気がするし。
 手すりは抜けないし。

 しっかりと木を接ぐための加工をするには、どちらにしろ外さなきゃ出来そうもないです。



 別に木を使わなくてもいいんじゃねえの?
 デッキ板に隠れて見えなくなる部分だし。


 金属で補強すりゃあええやん! (゚∀゚)アヒャ♪



 と言うことで、柱ほぞの左右の部分を少し彫り込み、金属板の補強材を埋め込むことにしました。
 前方部分は外側から鉄板をあてがいネジ止めします。










 いろいろと道具を揃えて山の家にやってきました。


 今日は朝方パラパラと小雨後晴れ。
 高原の朝は靄に包まれていました。







 晴れた日が続いていたので木材はすっかりと乾き、エポキシも完全硬化しています。

 翌週の天気は明日から連続の雨です。
 今日中にむき出しになった部分の防水処置を、ある程度完了させておかないといけません。







 本日持ってきた備品類。

 防腐剤・接着剤類  \22,490円
 ビス・金具・工具類  \10,044円


 痛い出費です。(ノД`)・゚・





 まずは柱が傾いていないかどうかを確認します。







 No4の柱、問題無し!








 No.3の柱・・・・・


 微かに外側に傾いてるね。( ̄▽ ̄;)

 角度にしたら1度未満。
 梁が支えてくれてるから倒れることはないだろうけど、もしかしたらジャッキアップしないといけないかもしれない。
 早く直さないといかんね。





 次に各柱のほぞ部分とかの寸法を計測します。
 一つ一つ計測してわかったこと。


 各サイズがビミョーにバラバラ!(,,゚ x 。)/


 現場合わせで作ったんでしょうね。
 少しずつですが柱の中心がずれています。




 様々な採寸をした後、金槌とノミを持って木を彫っていきます。
 まず最初は健全な部分が多い柱の右側から。







 深さは1センチほど。
 長さは金属板に合わせて20センチ。







 やはり手すりが邪魔で、左手の甲を何度も金槌で叩いてしまいました。(>ω<)


 ある程度彫り込んだら寸法合わせに金属プレートを置いてみます。
 金属プレートはステンレス製で厚さ3ミリ。
 人間の力では折れ曲がりもしません。







 これにステンレス製のビスで止めて、プレートごとエポキシパテで埋め込みます。



 右側が出来上がったので、続いて左側を彫り込みます。








 私、エポキシを舐めてました。(;´Д`)ノ



 完全硬化したエポキシは固い固い!


 木の腐食した筋に沿って接着剤が浸透していますから、木の柔らかい部分とエポキシの固い部分とが
混ざり合っています。
 簡単にサクサクと削れると思っていたらしっかりとしていて手こずります。

 固いと言ってもカチカチの堅さではなくて、何かこう粘りがある固さ。
 プラスティックを削っているみたい。
 深い場所まできっちりと浸透しています。







 表面が腐食で黒く変色していた木材も、少し彫り込むと健全な状態の木肌が出てきます。




 黒い筋が腐敗が進行した筋のラインで、エポキシが浸透して硬化しています。




 この後は、切削部分の肌が粗いので表面をサンダーで整え、穴を数カ所開けてエポキシ溶液が内部まで浸透するよう注入します。
 腐食が進んでいない場所には防腐剤も挿入します。



 腐敗材木を樹脂で固める工程は、すごい手間暇がかかることがわかってきました。
 手を休めて一息ついたら、ふと心の中で猛烈な疑問が沸き上がってきました。


 本当にこんなのでいいんだろうか?無駄な作業やってるんじゃないだろうか?


 もっと別の方法があるんじゃないのか。
 手間がかかりすぎて誰もやろうとしないことやるだけの価値があるんだろうか?
 馬鹿なことしてるんじゃないだろうか。
 大枚はたいてプロに任せれば良かったかな。

 そんな思いにとらわれました。




 この続きは次回で。





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