山の古別荘のDIY記

柱の中身はすっかすか~

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 それは4番柱のカスガイを手で抜いた時でした。







 パキッという音と共に、柱の表面がめくれた。



 え? ∑(´□`;)





 柱の下部の木口を触ってみると、穴が開いて中がスカスカ。


 指を突っ込んで次々とめくってみます。








 中が盛大に腐っとる!! (;´Д`)ノ




 デッキ板だけでなく柱ももう既に腐っていました。
 今まで固い塗装膜に包まれてていて外側は固くてわからなかったのです。


 耐震強度激減!!!


 震度5で屋根が傾くぜ。(゚∀゚)アヒャ♪




 柱の根元は一番雨が当たる部分です。
 前オーナーさんの時代には殆どメンテナンスされていなかったので当然と言えば当然。
 逆に芯まで腐らず持ちこたえているのが不思議。

 この木はナラ?ブナ?ケヤキ?
 よくわかりませんが広葉樹であることは間違いなく、芯は相当に硬いです。

 ちょっと前の淡路島震源の強い地震の際にも耐えていますから、直下型でもない限り簡単には倒壊しないでしょ。←希望的観測



 確実に言えることは、『また手間が一つ増えた』ということ。ヽ(´Д`ヽ)イヤァ~




 ベランダ側からは全く見えませんが、ノコギリとノミで手探りで腐食部分を削り落としていきます。







 メチャみすぼらしい姿に・・・(ノД`)・゚・



 後ほどサンダーで成形します。


 ”補強”と言う目的の修理はほぼあきらめて、”補修”という作業を主体にして進めていきます。




 また改めて思いがよぎりました。


 熟練の大工さんは笑ってるだろうな。
 無駄な事して馬鹿な奴だなぁって。

 補修剤どれぐらい費用がかかるだろうか?
 材料代だけなら絶対新しい木材買った方が安いし。
 足場と大工さんの人件費が修繕費の大半になるよな。


 『もう、プロに任せようかな・・・』


 だけど、直径160ミリ、長さ3m強の丸木なんて幾らぐらいするんだろう?
 杉丸太でもいいけど、角材は嫌だ!
 それを6本も交換するなんて・・・・


 きっと高いよな!! カネネエヨ (ノД`)・゚・









 切削した4番柱は後から補修するとして、3番柱を確認します。
 金槌で柱の根元を叩くとこちらもポコポコと空洞音がします。
 木口を指で確認するとこちらも穴が開いています。
 穴に指を突っ込むとこちらも簡単に表面が剥がれます。

 こちらは目で見える側面。
 ノミで腐った部分を削り取っていきます。




 腐食は中心部までに達していなくて助かりました。



 ため息が出てしまいました。ヽ(TдT)ノアーウ…




 この削り取った部分は柱の強度には問題の無い範囲なのですが、あまりにも不格好すぎます。
 エポキシパテを使って無くなった部分を作ってやります。


 エポキシパテは硬化すると硬度があり、きちんと付けてやれば簡単に欠けたり剥離したりすることは無いのですけど、付け方が悪かったり年月が経つとクラックが入ったりします。







 上の写真は4年前にデッキの一部を補修した場所です。
 デッキ板本体とエポキシパテとは相性が良く、クラックなど目立たないのですが、埋め木部分のブロックが浮いてきてクラックが入ってきています。
 パテを乗せる時に液体エポキシを塗っておくと密着度が良いようで、埋め木には何も塗っていないからこうなったのだと思います。

 この部分は塗装を剥がしてもう一度手を入れてやります。





 切削した柱とくり抜いた大引き材の断面をサンダーで滑らかにします。
 エポキシ溶液を注入する4ミリ径深さ約5センチの穴を複数箇所開け、防腐剤を入れる穴も開けました。








 柱の切断面に防腐剤水溶液をしっかりと塗ってから乾燥させます。




 ブロワーは木屑とホコリを吹き飛ばすため持ってきました。
 柱の中程に開いている小さな穴は防腐剤を挿入した穴です。



 木が乾くまでしばし休憩。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 休息後。
 デッキ板で亀裂の入っている板の塗装をサンダーで剥がします。






 こういう板も今のうちにエポキシでクラックの補修処理をしておきます。








 エポキシ溶液を作り、刷毛で塗っていきます。
 大引きの側面も同時に塗っていきます。




 次に大引き材に開けた穴に、スポイトを使って溶液を流し込んでいきます。
 流し込んであふれてくると次の穴、と言う風に順番に注いでいって、一巡したら浸透して溶液が見えなくなった穴にまた注ぐという作業を繰り返します。
 満杯になって染みこんで行かなくなるまで。

 注入する穴は真っ直ぐ縦に開けておらず、斜めとかいろんな方向に開けてあり、木の繊維の出来るだけ多くの筋に触れるよう予想して開けてあります。




 写真では見えませんが、この場所だけで6箇所開けてあります。



 一番腐食のひどい場所に近い穴など、何度入れても何度入れてもすぐに液が消えていきます。
 底が抜けてるんじゃないかな。(;´Д`)
 結局一杯になることはなかった。


 木材を半分樹脂木化する面倒な作業です。
 理想通りに行けば強度は材木単体に近い固さを持ちます。


 このやり方の一番の問題点は、
 溶剤が木の中の空洞部分を通って柱のほぞに到達します。
 下の鉄骨もくっついてしまい、根太もくっついて固着してしまいます。

 つまり、この周辺全部が一体化してしまうこと。

 解体修理する時は鉄骨から削り取って破壊するしかありません。

 いいんだ、どうせ解体修理する時は全て廃材になっちゃうんだから。( ̄▽ ̄;)




 エポキシ溶液は二種類の液体を1:2の割合で混合させて作ります。

 エポキシ接着剤について私は全く無知でした。
 混合比率をきちんと量を守って、しっかりと攪拌させないと、完全な強度が得られないらしいのです。
 前回まで適当な目分量で作ってましたから完璧とは言えません。
 混合不良できちんと硬化していない場所もあると思うので、再度全体に塗っていきます。


 商品に付いていた計量カップを使って作るのですが、この計量カップは最低3オンス(約88.7ml)からしか作れません。
 この量をカップに入れていると化学反応のため熱を持ってきて、20分ぐらいで硬化が始まってゼリー状になってしまいました。
 こうなると木の中に浸透していきませんので捨てるしかないです。

 毎回硬化が早く始まってしまうので、作った溶剤の1/5ぐらい無駄に費やしてしまって非常にもったいなかったです。
 エポキシ高いんだよ~。(;´Д`)

 少なめに計量するカップが無かったので、次回はもっと少ない量を計れる計量容器を買ってきます。



 ちなみに、使用したスポイトや刷毛は1度使用したら固まって使い物にならなくなるので、使い捨てになります。

 小さな5センチぐらいのスポイトですけどね、売っている小売店なんて皆無です。(´ヘ`;)
 ネットで探してまとめて購入したけど送料の方が高い。









 一通りエポキシを塗り終えてちょっと休憩。
 ずっとかがんで作業しているので腰が痛む。



 金属プレートを固定する作業にかかります。

 金属プレートを溝にはめたら採寸しておきます。
 デッキ板を上にかぶせると、どこにビス穴を開ければいいかわからなくなってしまいますから。







 下穴を開けた後に長さ30ミリのビスを入れていきます。







 これで横方向の強度は保てると思うのですが、ここまでしなくてもよかったかな?( ̄▽ ̄;)


 ネジで止め終えたらすぐさまエポキシパテをこねます。
 エポキシパテは2種類の粘土状のパテを混ぜ合わせます。
 色はアイボリーをちょっと濃くしたような色。

 まずは切削した3番柱と彫り込んだ大引き材の溝から。







 今回は埋め木はしませんでした。
 大量のパテを使用するのでちょっともったいないです。


 続きまして4番柱。







 4番柱は柱の外側なので全く見えず手探り状態で付けていきます。
 とりあえず切削面にきちんとパテ付けしておきます。

 このままの状態ですとかなり不自然ですし、汚く見えます。
 パテ部分だけぽろりと取れることも考えられます。
 固定は硬化した後に行います。

 いびつで不細工な表面は塗装の前に修正を行います。

 そこは管理人さんの腕の見せ所。

 普段の仕事でやってる、


 ごまかしのテクニック!! (゚Д゚;)!!



 期待しないでね。 (;・∀・)。









 作業を終える頃から雨が降り始めました。
 何とか間に合ったという感じ。


 次回はパテを盛りつけた場所をサンダーで滑らかにして、ほぞ回りをきれいにして25ミリ厚のデッキ材がスムーズに填め込めるように整えます。
 同時に柱の成型と修正と、3番柱のカスガイも抜いてその穴のパテ埋め。
 柱内部にまだある腐食部分の切削と防腐処置も行います。

 時間があれば他の場所の塗装もやっていきます。

 塗装は最低でも2度塗りはしたいのでそれだけ日数がかかります。
 柱は3~4度塗りしないといけない。

 手間が無限に続きます。
 外縁のデッキ材を取り付けるのは2~3ヶ月の後になるでしょう。



 でも、腐敗菌に取り憑かれたた木材って、簡単に直せるもんじゃないんです。


 本当にこれでいいのだろうか? (;´д`)





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