山の古別荘のDIY記

今後の作業の検証

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 帰って来てからの机上の検証です。


 なぜこんなにも手間と時間をかけてやっかいな修復作業を行うのか、疑問を抱いている読者の方もおられると思います。

 使用しているエポキシなどの薬剤類より、新しい木材を購入した方が安いです。
 単なるウッドデッキならばこんな面倒なことしません。


 このベランダの軒はこういう構造になっています。







 ベランダ外縁の6本の柱は化粧柱ではなくて、張り出した軒を支えている柱です。


 ベランダの柱を外すためには、太い軒桁を何かで支えておいてから行わないといけません。
 新しい柱を差し込む時は、軒を解体して軒桁を持ち上げるか、デッキの大引きや根太を取り去って下から差し込むかしないです。

 他の方法として、軒桁をジャッキアップしておいて、柱の腐食部分だけを切断して、新しい木を接ぐか金属の束を入れて組み直すことも考えられます。

 梁の保持だけなら単管の足場をベランダに組んで、軒梁が下がらないようにしておけばいいんです。


 問題は柱に付属するごっつい『手すり』






 それぞれが1枚板の重量物。
 これの抜き方がわからないと柱交換は出来ません。


 どんな方法を取るにせよ、これらは単独DIYで出来るような作業ではありませんし、高所なので安全を確保しながら行う仕事になります。
 熟練の職人さんに任せることになるので、それなりの費用がかかります。


 どうせお金をかけるなら、ついでに屋根の葺き替えと鉄骨の塗装もして欲しいので、雨漏りが始まるか、お金の余裕が出来た時に同時に依頼しようと思います。
 子供が大学生でね、学費がいるんだよ~。(>ω<)








 正直言うと、築30年、殆ど価値の無いような山の一軒家に、今更数百万ものお金をつぎ込むのもどういう物かな~?って思ってるんですよ。
 少しリフォームして二束三文で叩き売って、別の物件買い直した方が考え方によっちゃ安いかも。

 この山の家については、売って儲けるとか、別荘地の管理体制がどうかとかそんなこと一切考えてません。
 あと10年か20年体が元気な間、飽きてしまうまで遊べればいいかって思ってます。


 別荘の資産価値が~、とか、インフラ整備が~、とか、環境悪化が~、とかグチグチとネットで呟いている輩がいますが、知ったこっちゃねえ。
 嫌ならとっとと売っちまってよそへ行けよと。
 別荘ってなあ少し余裕の出来た大人が半分趣味で持つ物なのに、何をちまちまと細かいこと言ってんだよ、と。


 今のベランダの状態ですと、何も手を加えなければ腐敗がどんどん進み、10年も保たないです。
 強烈な台風でも直撃してくれて、屋根ごと吹っ飛ばしてくれたらな~。 ほけn(ry) 








 エポキシ樹脂の注入でどこまで強度が保てるか
 
 ネットでいろいろと検索するとたいていは、
 『エポキシは効果が無くやるだけ無駄だ。』
 『新しい木材に交換した方が早い。』

 という内容の文章に突き当たります。


 木材が持つ強度と柔軟性は金属やコンクリート以外に代用物が見当たらなくて、エポキシ樹脂注入で強度まで得るのは困難で、私もそう思います。

 救いはいずれもほぞの状態が良いのでほぞ穴周辺を補強すれば何とかなること。
 腐食が柱の中心部にまで及んでいないこと。








 今回の作業では下記の文章が大きなヒントを与えてくれました。

 重要文化財箱木家住宅の柱の修復処置
 http://www.tobunken.go.jp/~ccr/pdf/19/pdf/01908.pdf
 腐食した古木を外見上現状のまま保存するために、樹脂と金属を使用しています。
 機械強度試験等も行っていて、木材単体以上の強度と耐用性を上げることに成功しています。


 樹脂含浸による木材接合部の強度向上とその利用
 http://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/5059.pdf
 木材(スギ)に様々な樹脂を浸透させ接合した場合の機械試験データです。
 ほぞの接合部の試験データがあります。


 私は木材や樹脂の専門家でもなく職人でもないし、道具も不揃いなので、上記のようなしっかりとした仕事は出来ません。
 でも、現在の状態ならば市販のエポキシ樹脂で十分じゃないか。
 やってみる価値はあるなと思えたのです。


 コツコツと物を作る楽しみもありますからね~。
 楽しくなきゃやらんよ、こんな作業。(´ヘ`;)


 カーボンクロス巻き付けるという手もある。
    ↑釣り竿かいっ!( ̄▽ ̄;)










 『他の柱の中はどうなっているのか?』

 金槌で柱の木肌を叩いて中身が空洞かどうか確かめました。

 1番、2番、3番、6番。
 どれにも空洞音があります。
 1番は特にひどくて全周囲がスカスカ。(>ω<)
 まともで腐食がほぼ無いのは5番柱だけ。





 で、1番柱。

 写真を眺めていて気付きました。









 しっかりと傾いてしまっている!!!!




 ( ´Д⊂ヽモウダメポ




 オワタ、オワタ~よ。......\( ><)シ エ~ン





 「ええ~っ!いつから傾いてるんだ!?」
 と思って過去に撮影したこの柱の写真を探します。




 2011年11月撮影


 あ!木が反っているだけなんだ!!Σ(゜д゜;)

 少し安心しました。

 でも、傾きが増してきている気が・・・


 この柱の場所は一番雨がかかるところで、その横のデッキ材も痛みが激しく一番最初に修復を施しています。

 根元の全体に腐食が及んでいてほぞの部分も深刻な常態だろうと予想できます。
 下手にデッキ板を抜いたら取り返しの付かないことになりそう。

 大引きとほぞの状態を確認するために、最初に柱の根元に穴を開けて覗いてみようと思います。


 もう既に腐敗しきっていて梁にぶら下がっているだけの状態かもしれないです。
 最悪の場合は柱を切断して接ぐか、金属の束を挿入する方法を考えます。








 ここで、話の流れをわかりやすくするため柱の配置図をあげておきます。







 2番柱は3番4番と同様の状態で少し手を加えればOKのようです。








 5番柱はほぼ問題無しで、やっかいなのが最後の6番柱。







 外側から撮影してみます。



 靴が写っちゃった。f(^ー^;


 この柱にだけカスガイが打たれてありません。
 釘が2本、柱固定用に大引きに打たれてあるようです
 デッキ板を止めている釘が柱の下に隠れているようです。

 大引きは手前に大きく亀裂が入っていて、補修の跡が伺えます。
 鉄骨の段差に無理矢理乗せたせいか?

 鉄骨に近い下方が腐って崩壊が進んできてます。



 次に側面から。







 デッキの2枚目の板が割れちゃってますね。
 大引きにも亀裂が入って、白く点々と付着した物は腐朽菌です。

 この柱はほぞがどこにあるのかわかんないので、2枚目のデッキ板から外そうと思います。







 あ!デッキ板が潰れて・・・・


 食い込んでる!!∑(´□`;)



 外すのは簡単だけど、新しい板を挿入するのは苦労しそう。(;´Д`)ノ










 現在は外縁のデッキ板の交換の作業を進めていますが、それが終わったら全ての箇所の2枚目のデッキ板も外してみる予定です。



 唯一健全な状態の5番柱付近。



 2枚目のデッキ板を外す理由は、根太の状態確認と組み方を見るためで、同時に補修と腐食防止の作業も行います。


 完工は、え~~と・・・・・


 2年後ぐらいかな?(;´Д`)ノ










 今年9月に入ってからの長雨には正直参ってます。(;´Д`)ノ



 天気の神様のイジワル!o(≧◇≦*)o



 水害で被災に遭われた方々へお見舞い申し上げます。m(_ _)m



 現時点での補修箇所は、一応表面はエポキシで防水処理はしてあるとは言え、ほぞ回りや鉄骨に触れている下側、他のデッキ板の側面、柱などはむき出し状態。
 ほぼ毎日が雨天か曇天で木材が乾く間が無く、木材腐朽菌は大喜び!Σ(゜д゜;)


 補強のこととか考えるより、とにかく腐敗が進行するのを止めるのが先決!!

 木材内部の防腐処理方法でいい案が思いついたので次回試してみます。
 その様子は次回で。





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