山の古別荘のDIY記

干割れ次々

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 生木の木材が乾燥してくると『干割れ』が発生してきます。
 木材内部の水分が乾燥する時、太陽熱による気温差による収縮、などが原因でクラックが生じます。



 自然乾燥により干割れした丸太。


 干割れは目次の繊維方向である縦に亀裂が入っていきます。
 干割れが生じると木材の強度は落ちてしまうのか?と問われると、そんなことはないそうです。
 理論上の難しい話は私は理解出来ないので、詳しい解説は検索されて専門ページをご覧ください。(*。*)

 ずいぶん以前にどこかで読んだ話ですが、老いた大工さんの語るところによると、
 「木材が乾燥して割れが発生しても、内部がどんどん乾燥すればするほど木材の強度は増していく。」
 と言う内容の話がありました。

 築100年も経過しているような古民家に使用されている梁や柱は、それだけ乾燥が進み強固になり、また、現代では同様の木材が稀少となっているため非常に価値のある物なのだそうです。
 古い素材だからそれだけ強度が落ちていると考えるのは間違いで、木材に関しては古い物の方が強いのだとか。
 もちろん内部が虫食いや腐敗がしていないという条件がありますが。


 木材を丸太の形状で使用する場合や、芯が中心部にある形で使用する材料は、干割れによる無数の亀裂が生じると見栄えが悪いため、予め中心部まで切り込みを入れる『背割り』という技法を使います。



 ベランダの柱に使われていた丸太。
 よく見るとこれは干割れで背割りではない。



 一筋の切り込みを入れることで他の部分にひび割れや亀裂を起こさないようにするための加工法です。




 玄関前の化粧柱。
 裏側に背割りが施されています。






 この干割れは木の材質によって、生じやすい木材と生じにくい木材とがあります。
 SPF材は反りや歪み、割れが生じやすい部類に入ります。
 特に屋外の風雨にさらされている場所は、温度差が激しく水分の浸透乾燥が頻繁なので、より干割れが生じやすいです。

 SPF材は本来は家屋内部の構造材として使用されますが、防腐処理が施されたSPFを用いてウッドデッキを作られている例が多々あります。
 安価な材料で加工がしやすいので、コスト削減に持ってこい。
 ウッドデッキ用の材料を指定して作れと言わないと、たいていの工務店はやっつけ仕事でSPFで作っちゃいます。

 私の山小屋で使用されている木の材質は殆どがこの防腐剤圧入SPF材。
 腐食に弱い木材です。
 予算がなかったんだよ。(´ヘ`;)




 クラックだらけの板材。


 この干割れが生じやすいSPF材ですが、例え干割れが生じても屋内の雨水のかからない場所で用いるのには何の問題も無いのです。
 と、ここまでうだうだと皆様ご存知だろう事柄を書いてきました。


 実は!

 山小屋の手すり材に問題が多発しているのを発見。

 一昨年修理したばかりの手すりやら床材でまだ新品の部類。
 ところが雨が吹き込み、直射日光で太陽熱の影響を受けやすい場所なので、あちらこちらにクラックがガンガン入ってきていました。(゚Д゚;)






 このクラックを放置しておくとここからまた水分が入り込み腐敗の原因となります。
 木材保護塗料を塗ったとしても、この亀裂がの深さはわかんないし、塗料が奥深くまで浸透するわけがありません。
 
 しかも!

 よくよくこの手すりの外側を観察してみると、節やら亀裂やらが無数にあって非常に悪い状態。
 まったく安い材料使ってんな~。






 鋸刃の跡か何かは知らないが、無数に筋状の線が入っているし。
 塗装から約1年半経過して保護塗料の効能が切れかかっているはず。
 このままではいけない。
 100x100という既成サイズではない角材なので、腐敗して使い物にならなくなったら代替え品は入手困難。


 何とかせにゃいかん!!p(-x-〃)


 と言うわけであわててメンテを開始することにしました。






 床下の基礎材にも同じ角材が使用されているのですが、昨年床板をめくってふんだんに防腐剤のホウ酸スティックを挿入し、表面は保護塗料で再塗装してあるのでしばらくは大丈夫。
 とりあえず、今日はもう時間が無いのでクラックと節穴の穴埋めと、上部表面の再塗装だけを行うことにします。

 急遽サンダーを取り出してきて、怪しい箇所を全て研磨していきます。











 エポキシパテを練って亀裂や節の穴を埋めていきます。
 時間があまりないのでやっつけ仕事。

 パテは硬化に8時間ぐらいかかるので、おかまいなしに上から木材保護塗料を塗っていきます。


 ここから先は写真の取り忘れ。(;´Д`)ノ

 本当に短時間でのやっつけ仕事を行いました。



 驚いたのは、以前補修した亀裂の部分がまたひび割れてきたことです。
 パテののりが悪かったのではなく、木材の収縮が激しいと言うこと。
 木口には保護塗料が塗られていないので、そこから水分が入り込み、乾燥する時に大きな収縮の原因となっているみたい。





 正直言ってこれはどうにもならん。
 手すりを外して撥水材やら塗料やらを塗っても、数年経たないうちに同じ事が起こるでしょう。
 腐朽菌にやられないように絶えず補修していくぐらいしか手がありません。

 屋外に面しているウッドデッキの材料はやはり安価な素材は使うべきではないですね。(T_T)
 予算があるなら他の素材に変えたいぐらいです。


 今年は関西地方は雨が少ない空梅雨状態。
 運がいいと言うか、助かってると言うか。
 次回、再度チェックして防腐剤挿入と全体の再塗装を行います。



 でもね、猛暑のまっただ中でこんな作業やるの嫌なんだよ。( ´Д⊂ヽ

 秋にしようか。




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