山の古別荘のDIY記

手すりの再塗装

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 干割れで大きなクラックが多数入ってしまった手すりの最上段の角材。
 SPFの太い角材だけど木口には木材用保護塗料が塗られていません。

 水分が一番浸透しやすいのが木材の切断面である木口。
 吹き込んだ雨水などの多くはここから吸い込んでいきます。
 含まれた水分が乾燥していく過程で木材の伸縮が起こり、干割れが発生しやすくなります。
 木口を塞ぐことは木材の呼吸を大幅に遮断することになるので、浸透性接着剤などで完全に塞ぐことは出来ません。
 しかも、断面が鉄柱にぴたりとくっついているため撥水剤も塗ることが出来ません。

 防腐加工済みのSPFでも、防腐剤が浸透していない中心部に水分が入ると、あっと言う間に腐朽菌にやられて朽ち果てていきます。
 クラックが入ることでますます水分が染み込みやすい状況になるので、クラックが発生する度にこまめなメンテナンスをするしか無い状況です。

 
 前回、大きなクラックや節などの穴をエポキシパテで埋める処置をしました。







 現在の木材保護塗料が塗られてから2年が経過しています。
 そろそろ塗膜が劣化し始めているだろうと考えて、今回は既存の一度塗装を剥がし、パテ埋め面や木材の表面をきれいにした後で、新たに防腐効果のあるホウ酸と保護塗料を塗ることにします。



 オービタルサンダーを持ち出し、#80の紙ヤスリでサンディングしていきます。







 塗装を完全に剥がす作業となると、オータビルサンダーよりも、ヤスリ面が回転するランダムサンダーの方が、作業効率は遙かにいい。
 会社に仕事用で置いてあるのだけど、わざわざこちらに持ってくるのが面倒で、オービタルサンダーはこちらの山小屋に置きっぱなしにしています。


 使用されている塗料も防腐注入材の木粉も、防カビ防虫成分が入っていますので(物によっては発がん性有り)、大量に吸い込むと喉を痛めるだけでなく、アレルギーの原因にもなりかねません。
 粉塵マスクをして出来るだけ吸い込まないようにします。
 木粉は目に入ると下手をすると病院行きになるので、必ずゴーグルもします。
 



 サンダーで手すりの表面を削っていきますが、元もと製材したまんまで何の手入れもされていない状態の木材なので表面が非常に粗い。
 場所によっては凹凸のある場所もあって、その上に保護塗料が塗られてあるものだから、どうしても塗膜が完全に削れてくれません。





 木材の表面にある線状の細かい傷は、防腐剤を圧入するときに浸透しやすいように付けられた機械傷。
 結構深さがあるので、この傷まで除去することは出来ません。


 角材の面がきちんと平らになっていないのに加えて、凹凸が多すぎ。
 ご覧のようにゴルフボールのディンプルのような凹みが無数にあるですよ。(;´Д`)ノ












 塗膜を全部取り去ろうとするのは、時間もペーパーもたくさん必要でキリが無い。
 ある程度の削りムラが残るのは仕方がないと妥協していきます。


 研削面は手すりの上部と外側の面。
 それとパテ埋めの膨らみが残っている部分の面。






 2本の手すりを削ったところでサンディングをストップ。
 ブロアーで研磨粉を吹き飛ばした後に、防腐剤のホウ酸を塗っていきます。







 ハケでホウ酸水溶液をたっぷりと塗っていきます。
 
 ホウ酸水溶液が乾く間での間に次の木をサンディングしていきます。


 




 サンディングしていて気付いたのですが、手すり外側の面は塗膜がサクサクと削れていきます。
 外側は雨水が頻繁にかかる場所で紫外線も降り注ぎますから、塗膜の寿命が来つつあったのだと思います。

 今年の西日本は雨が少なくて木材が乾燥しやすい環境下でしたが、数年前のように高温多雨の環境だと、この手すりは劣化がもっと早まっていたかもしれません。









 手すりを終えたら次は床材の板をチェック。
 一番外側の板二枚は最も雨がかかり、最も痛みが激しい部分。

 ここも防腐SPF材ですが干割れが激しい。
 朝から昼にかけて直射日光が当たるからでしょうね。
 気温差も干割れ発生の大きな原因の一つ。








 節が多い材料で、節を中心に干割れが無数に入っています。
 本当にいい材料使ってない。(>ω<)








 反りとねじれと歪みがすごい。
 完全に板が浮き上がってしまってます。






 コースレッドでしっかりと止めてあるのにねじれが出てきています。






 この床板部分は捻れや反りが激しいので、塗膜がきちんとは削れてくれません。
 少しだけ塗膜を削って防腐剤を塗り、保護塗料を塗り重ねます。
 木材は割れと反りとゆがみはつきものとはわかっていてても、ここまで大きく歪んでくるとやっぱり使用する材料が大事だな~、と思います。
 近い将来、少しずつもう少し良い材料に換えていくつもりです。

 ↓2015年の交換当時はこんなにきれいな板だったんですよ。(ノД`)・゚・








 
 
 古い床板部分は一度腐朽菌に冒されかけてしまった板。
 浸水と乾燥を繰り返して干割れが無数に入り痛々しい。





 今のところ強度的には大丈夫。
 体重をかけてもしなったりきしんだりはしません。
 いつまで保ってくれるかわかりませんが、表面を軽く削り防腐剤を浸透させます。







 全てのサンディングを終えたら次は塗装です。


 で、今回から新しい塗料のテストをします。
 以前はホームセンターのコーナン社がオリジナル製品として販売していた「LIFLEX」(中身はアサヒペイント)、とアサヒペイントのウッドガードを用いていました。

 製品が終売になって、次に売り出されたのが関西ペイント社のカンペハピオというシリーズの木部保護塗料。



 これはコーナン社でLIFLEXシリーズで売られている塗料。






 オフィシャルページ
 
http://www.kanpe.co.jp/products/178/index.html



 なぜこれを選んだか?


 答えは単純。



 安いから!!(;゚∀゚)=3ハァハァ




 いや~、これだけ値段差がついてしまうと、例え少し性能が劣っても安い方を選んでしまうんですよ。

 一応、Amazonの評価覧の報告では、露天では10ヶ月ぐらいしか保たないとか。

 耐久性を重視する、撒布箇所が完全屋外にある、頻繁にメンテが出来ない、と言う方にはお勧めしない。
 屋根がある、頻繁にメンテが可能、安ければ何でもいい、という方に持って来いかも。

 この製品はネットでの記載が極めて少なくて、実績を殆ど見かけません。
 詳細な性能がわからない。
 と言うわけで、私自身が人柱になってデータを収集してみようというわけです。



 コテバケを持ってきて塗り始めます。





 塗料はウッドガードと比べて更にさらっとした感じ。
 どんどん伸びてするすると塗れます。






 既存の塗膜が残っているので、最初はまだらですがほぼ近似色ですので乾燥すると余り目立たなくなりました。

 切削した木肌にスムーズに浸透していきます。





 







 少し研磨した床板部分にも塗ります。
 重ね塗りになるわけですが、水性塗料なので塗膜を作っていくみたいです。
 手すりの木目は二度塗り以上すると隠れていってしまうでしょうね。







 本日の作業はこれで終わり。

 次回は手すり部分の二度目の塗装と、床のデッキ部分の清掃と重ね塗りを行う予定です。
 塗料の性能の結果は数年かかるので、変化があれば記述していきます。





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