山の古別荘のDIY記

大規模修繕

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 この山の家は2015年秋に大規模修繕を行っています。
 その経緯はこちらのページで書きました。

 今回は修繕にかかった費用を具体的に書いていきます。


 修繕を行った年は今年2020年と似たような気候でした。
 春先から夏の梅雨明けまで雨が続き、湿度が高い日々。
 ベランダに吹き込んだ雨の水分が乾ききらないうちに再び雨が降るという天候。
 高気温と湿気はカビ菌にとって最適な環境で、ベランダの軒を支える柱と一番外側のデッキ材が腐食してしまいました。





 一人でDIYで補修にチャレンジしたものの、破損の規模の大きさにお手上げ。
 しかも、屋根スレートの隙間から雨まで吹き込んで屋根裏を濡らしてしまうというおまけ付き。

 柱は屋根を支える柱だったのでとてもじゃないが個人の手に負えるような代物ではなく。
 泣く泣くプロの手に委ねる決断をしたのでした。





 仕事を依頼したのはこの別荘地の建物の新築から補修、売買仲介までを一括に取り扱う業者。
 もはやこの別荘地専属の工事業者と言っても過言ではない建設業者でした。

 家屋の修繕ですから、主要都市郊外の住宅のリフォームと何ら変わることはありません。
 異なる所は、
 平野部郊外一戸建てにはあまり無い大きな「ウッドデッキ」や「ウッドバルコニー」があること。
 山の斜面の傾斜地での作業が主体であること。

 費用がかさむとすればそこのところですけど、地元の業者は殆どの現場がそういう環境なので慣れっこ。
 平野部の仕事ばかりしている業者では逆に高い金額になってしまうでしょう。



 修繕の依頼内容は、

 先述のベランダ柱とデッキ材の交換。
 屋根洗浄と塗装、雨漏り隙間の補修。
 屋根軒下破損部分の補修。
 母屋外壁の木部の塗装。
 基礎鉄骨の錆取りと塗装。



 さて、当時の見積書を見てみましょう。





 内容は数ページに渡って明細が書かれてあります。
 全部書き出しても何のことかわからないので大まかな数字を拾っていきます。


 外壁塗装工事 : 665,000円

 
建物母屋の外壁塗装作業です
 木部だけの塗装で足場費用がこの中に入っています。




 鉄骨架台塗装 : 320,000円

 基礎鉄骨の錆取りと塗装です。




 屋根洗浄塗装 : 232,000円

 スレート屋根の高圧洗浄と塗装です。
 スレートは30年を経過していて寿命かと思われましたが程度が良く葺き替えには至りませんでした。
 もし葺き替えでしたらアスベストが混入しているので高価になっていたでしょう。
 (その場合は上からガルバリウム鋼を貼ったでしょう。)




 ベランダ鉄骨、床板、基礎材交換 : 496,300円

 ベランダの柱を鉄骨に交換。
 腐食した床板、基礎材を交換。
 根太の補強。




 樹木伐採等 : 65,000円

 建物周囲にある障害となる樹木の伐採と草刈り。





 屋根雨漏り、軒天修理 : 116,000円


 雨漏りで腐食していた軒天と雨漏り原因の隙間を補修しました。





 これに、
 諸経費 : 189,000円
 消費税 : 166,400円

 が加わり、

 総合計金額 : 2,246,400円


 この時は外壁の白い部分の再塗装と、サンディングは行っていません。
 その分、他の場所の修理に費用を振り分けました。
 もし全てを行っていたら、上の金額に20万円ほどが加算されていました。


 平野部郊外の3階建の住宅の屋根・外壁補修とあまり大差ないです。





 幸いだったのは屋根スレート材の老朽があまり進んでいなくて、塗装を施すことで延命が可能だったこと。
 ベランダデッキ材の腐食が一番外側の基礎材と板2枚のみで、それだけの交換で済んだこと。

 もし、屋根材全葺き替え、デッキ材全交換だったら総額400万円ぐらいに跳ね上がっていたと思います。
 この修繕でこの建物の寿命は10~15年ぐらい伸びることになりました。



 柱は丸から四角へ。



 さて、こういう建物の寿命なんですけど、木造の家というのは、自然災害による破損、シロアリなどの被害が生じないとしての条件付きですが、こまめなメンテナンス(屋根葺き替えを含む)をしておけば100年以上保つでしょう。
 日本国内でそんな建物というと寺社仏閣にある建築物や古民家などによく見られます。


 建物の老朽するスピードというものは本来ならば平野部の一戸建てとあまり変わりは無いはず。
 地域地域の特性に合わせて住宅が作られているからです。

 それはあくまでも人が多く住む平野部の建物ということであって、リゾート地の物件はその立地によって大きく左右されます。
 水の溜まりやすい窪地とか湿気が滞留しやすい盆地状になっているような場所ですと、木材の腐朽は著しく進行しやすいですし、コンクリートも劣化しやすいです。
 海辺の塩害があるところも劣化スピードは早いです。




 腐朽した根太は横に新しい根太を沿わせて取り付け、金物で留めています。


 この山の家は山の傾斜面に建てられていて、水はけが良いためか湿気の影響をあまり受けません。
 それでも、柱や軒が腐朽したのは、大規模なメンテナンスを一度も行っていなかったからだと思います。
 


 
 湿気の影響は少ない立地ですが不安な問題が潜んでします。
 この建物の建っている場所一帯の住所が『落地』。(おろち、と読みます。)

 おろち=大蛇。
 この文字が意味するのは水害。
 しかも山崩れを伴うような大きな災害。


 地名の由来を調べると、

 「スサノオノミコトに切り殺された大蛇ヤマタノオロチ。
 この魂がこの地に舞い降りて、里人を悩まして、原因不明の病気が流行しました。
 これより、地名を大蛇とし・・・云々」

 「伝承によるとここに巨大な湖があり、古事記、日本書紀に登場するヤマタノオロチがこの地に棲んでいた。
 そのため村の名も「大蛇(おろち)村」と呼ばれていた。
 ヤマタノオロチ退治は出雲ではなく、本当はこの地であったと地元では語り継がれていた。
 明治時代に「大蛇」から「落地」に表記が変更された。」



 いや、まんまやろ!それ!(゜ロ゜)ギョェ


 近年の毎年起きる激しい天候の変化は少し不安ですね。
 もともと人が住まないような山奥ですから何が有っても不思議はないですけど。(;^_^A


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