キッチンダブル混合水栓 シングルレバーにする(簡易編)
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今から30年近く前のキッチンは、水道と給湯を個別のハンドルでひねって水量調整していたダブルハンドルタイプが多く、現在でも多くの家庭で使用されています。
混合水栓には、壁から直接配管が出ている「
壁付き混合水栓」と、システムキッチンに組み込まれている「
台座付き混合水栓」の2種類に大きく分かれます。
壁付き混合水栓
壁付き混合水栓の交換は非常に簡単で、配管から水栓部分を外すだけで交換可能です。
台座付きダブルハンドル混合水栓の交換は少しやっかいです。
台座付き混合水栓
シングルレバーの混合水栓に交換するためには、既存の水栓の下側にある固定ナットを外して台座ごと取り外す必要があります。
ところが、そのナットというのは、流し台の裏側の奥深く、容易には手の届かない場所にあり、既存の配管が障害になっていたり、専用工具が必要であったりして、けっこう難易度の高い作業となります。
キッチンシンクの下で配管が露出してあるタイプならまだ簡単なのですが、背面の板の向こう側に隠されている場合は、点検口を取り外して内部に工具を差し込みながら作業します。
手の届かない場所にあるので、鏡を使ったり、手探りで工具を差し込んだりします。
配管の位置によっては、背面板を大きく切り開いたりする場合もあります。
やっかいな仕事なので、この交換作業がもっと簡単に出来ないかと調べていましたら、こういう製品を見つけました。
メーカー:三栄水栓
製品名:シングル取替用台付混合栓 CK676-2
台座ごと全取っ替えする製品ではなく、既存の台座の上に乗せる製品です。
このタイプの製品はTOTO社からも販売されており、TOTO社の方が安いです。
二つの製品の違いは、
吐水パイプの長さが異なること。
吐水パイプは三栄水栓製が253ミリに対して、TOTO社製は237ミリ。
わずか2センチほどの違いですが、シンクの排水口縁に落下した水が当たって飛び散るので、ちょうど良い長さの三栄水栓製を選びました。
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どんな台座にも取り付けられるわけではありません。
KYK社(旧MYM)のカランにTOTO社製の製品は装着できない場合があります。
このページで紹介しているカランにはTOTO社製は装着不可でした。 ツーバルブ台座付き混合水栓で、ハンドル幅が201ミリから205ミリの間隔の台座にしか取り付けられません。
このタイプの混合水栓はキッチン用に用いられている物で、KVK社、INAX社、TOTO社などから同一規格で多く販売されており、同型の混合水栓ならほぼ適合すると思えます。
浴室や洗面での混合水栓は殆ど使用されていません。
取付を開始します。
使用する工具は、モンキーレンチ、+ドライバー、4ミリ六角レンチ(製品に付属)です。
箱を開けるとこんな感じ。
けっこう巨大です。(^^ゞ
まずは、水道栓の元栓を止めて水を止めます。
既存の台座に付いているハンドルや止水栓、吐水パイプなどを全て取り外します。
取り外し方は
こちらのページを参照してください。
取り外しが済んだら、配管内部に残っている水を除去します。
キッチンペーパーや雑巾を使って、中央の吐水穴から水を吸い取ります。
配管内部に水が多く残っていると、腐って食中毒の原因になったり、配管の腐食を促進させてしまいます。
完全に除去することは不可能ですが、出来るだけ吸い取りましょう。
ある程度水分が無くなったらパーツの組み付けです。
まずは、吐水口に蓋をします。
モンキーレンチを使用してしっかりと締め込みます。
吐水口の口径がメーカーにより異なりますが、この製品には各種サイズに適合できるようにアダプターが付属しています。
今回はアダプター無しでぴったりはまりました。
次に両サイドの止水栓口の穴にアダプターを挿入。
ここも止水の形状により異なっており、アダプターが不要の物があります。
いよいよ本体をこの上に乗せます。
台座の中央部に本体の中心位置が被さるように上から置いてみます。
左右のアームのパイプの長さがぴったり合っていれば、するっと抵抗なく入ります。
どちらか一方が台座左右の栓口に引っかかったり、入り口付近で引っかかって止まるような場合は、長さが合っていませんのでアジャスターを回して長さの調整をします。
するっと入ったら、左右の固定ナットを左右均等に締め付けていきます。
この時、本体が斜めに傾いていたり、がたつくようであれば、一度取り外して長さ等の再確認をして台座と平行になるように取り付けます。
二つのナットをモンキーレンチでしっかりと締め付けたら、本体のがたつきが無いか再確認します。
大丈夫であれば、中央の
止めネジを六角レンチで締め付けて固定します。
次にアジャスター横の
栓棒を六角レンチでしっかりと締め付けます。
以上で本体の装着が終わりです。
この後、止めてある水道栓を開いてテストをします。
きちんと取り付けが出来ていない場合は、ナット部や本体下部から水が漏れてきます。
水が漏れるようであれば、全て取り外して一から取付直します。
水が漏れていなければ、シングルレバーを操作して、正常に水が出てくるかどうか、水を止めたときに水漏れが無いかどうか、入念にチェックします。
何事もなければ正常です。
既存の台座の上に取り付けるものですから、シングルレバーハンドルの高さは結構高い位置にあります。
異様にでかいです。 ( ̄▽ ̄;)
普通のシングルレバー混合栓より10㎝以上高くて大きく見えます。
上に水切り棚があるようなキッチンですと当たってじゃまになるかもしれませんね。
通水テストが終わったら化粧カバーを取り付けます。
この製品は化粧カバーを左右からはめ込むだけの物。
カチッとはまったら、本体の固定ナットを手で回して固定させます。
プラ製なので手で締め付ける力で充分です。
完成!!
尚、吐水口先端の吐水パーツは取り外すことが出来て、カートリッジタイプの浄水器を取り付けることが出来ます。
但し、水道を開けたり止めたりする場合は浄水器側では行わないように。 水漏れの原因になります。
ご注意!!: この製品は三栄とTOTOの2社から販売されています。
KVK(旧MYM)の台座のカランにはTOTO社の製品はネジピッチが異なるため、製品によっては装着出来ず、また、アダプタ等も無い場合があります。
また、TOTO社のカランの一部に三栄の製品が適合しなかったという話も聞いています。
購入の際には必ず適合可能かどうか確認してから購入してください。
取付が完了した後に、両手の指先が痛いと思ったら、気付かないうちに両手の人差し指、親指を複数箇所が切れていました。
鋭い刃物、カッターやガラス破片で切れたような、浅いけれど血が出てる。(T_T)
ナットやアダプターなどの金属類に鋭いバリがあったようで、それが原因だと思います。
水道関係のメンテでは、手袋が水で濡れて指先の感覚が鈍くなるので、私は殆ど手袋をつけません。
ですが、この製品だけは次回から付けようと思います。
皆様も充分ご注意ください。