室内の間仕切り2(曲がるカーテン)
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前回、パネルドアを取り付けた部屋は、壁と壁の間を木材で橋渡しして鴨居を作ることが出来たから設置可能になった部屋でした。
前回の記事はこちら。
部屋の間取りによっては鴨居や桟を付けるために、新たに壁から構築しないいけないようなケースがあります。
左側に壁面がないため鴨居を作られない。
壁を新たに構築する費用が想定外なだけでなく、壁を構築したがためにその分部屋の寸法が変化してしまって、余計に使い辛くなると言う場合がこの部屋でした。
ドアの左側の空間が狭く、壁を構築すると中途半端な凹みとなり、既製の棚を置くには狭く、物入れを作ってはめ込むのも規格外寸法なので完全オーダーとなってしまい予想外の費用がかかってしまいます。
壁の構築なんてベニヤ板張ったら終わりじゃね?
って思われるかもしれませんが、そうはいきません。
人がそこにもたれたり、フックなど付けてちょっと重めの物をかけたりして、簡単に倒れてしまうような物は作ってはいけない。
で、壁作ったら終わりじゃないんですよね。
幅木とか付けてきちんと塗装して、壁紙も貼らなきゃいけない。
想定以上の費用がかかるんですよ。
月の家賃がたかだか数万円の小さな部屋に、何十万円ものコストかけるわけにはいかんのです。
おまけに、この空間の手前にキッチンシンクがあるので、キッチンの横に食器棚なんかを置くとますます中途半端な変空間となってしまうのです。
だからパネルドアは付けられない。
扉を開ければリビングどころかキッチンまで丸見え!
これは若い年齢の入居者だけでなく、女性には決して受け入れられない部屋タイプです。
昭和の時代はこれで良かったんだろうけどね~(;´Д`)ノ
この部屋の間仕切りに当たってはかなり苦慮しました。
ポール立てて開閉式の鎧戸作ろうかとか、パーテーションを購入して最初から置いておこうか、とか。
ロールスクリーンを設けて天井から吊そうかとか。
パーテーションはそれを支える脚がじゃまですし、ロールスクリーンも一直線の物なので開口部には大きな隙間が空く。
デザインとか色合いとか入居者の好みの問題があるので、勝手な判断が出来ない。
カーテンを吊れるように、カーテンレールを設置すれば、あとは住人さんの好みに任すことが出来るのだけど、天井の高さは2.4m。
市販の既製品のカーテンは通常2mぐらいまで。
何か良い物は無いかと頭をひねってふと思いついたのが、
病院のベッドなどに使われている間仕切りカーテン。
ベッドごとに単独の空間を作るためのカーテンです。
「あれは、レールが天井から吊されていたよなあ。 業務用探せばあるんじゃね?」
そう思って検索したら、ありました。(^ー^)
H型リブレールという商品です。
でもね、これ業務用だからごついんです。(´ヘ`;)
天井の高い病院なんかだと違和感はありませんが、これが一般家庭の玄関だとちょっとバランスが悪い。
吊り棒が長いので天井部が大きく開いちゃう。
レールは曲げることが出来ないのでカーブ用パーツなんかも買わなきゃいけない。
ちょっと不経済だなと感じて、一般家庭用に用いることの出来る商品はないかなと更に検索したら出てきました。
MAGEX (まげっくす)
軽量で細身、手で簡単に曲げることが可能で、部屋の形状に合わせた加工が出来るので自由度が高い。
シングルレールでもダブルレールでも付けられる各種パーツが揃っています。
これにしよう!
と、とりあえず1セットを購入するつもりで商品ページをよく読みます。
ん~、セット品だけだと天吊り棒が無いのか・・・・、金具もいるのか・・・、
レールは2mか・・・、こんなに長いのいらないからランナー(カーテン吊る輪っか)余っちゃうよな。
単品で買うのとセット品とどっちが安くなるんだろ???
天吊り棒の間隔は? 何本いる?
ダメだ!寸法測ってこなくちゃ。(×_×;)
きちんと寸法を測ってきて、一つ一つ計算し直します。
どういう取り付け方するのか、どんなパーツが必要なのか、幾ついるのか。
これが最初わからず思案六法。
単品ばかりで購入するとたいへん割高、なので、セット品+オプション品で発注。
発注するまでいろいろ悩んでけっこう時間がかかりました。
これだけしっかりと計算して発注したはずなのに、パーツが足らず最発注するというミスを犯しました。
送料分無駄な金がいりました。
この商品のデメリット。
とてもわかりにくい!!(;´Д`)ノ
オプションパーツも買うならどっちかと言うと楽天のショップの方がわかりやすい。
注文してすぐに商品が届いたので早速取付を開始します。
使用した工具類はこれ。
メジャー、レール切断用の金鋸、プラスドライバー、千枚通し、マーカー。
まず最初に天吊り棒を天井に取り付けします。
この部屋の天井はジプトン
(天井用化粧石膏ボード)。
石膏ボードなので無闇にネジを打ち込んでも固定出来ません。
天井ボードの裏側に隠された「野縁」
(天井板を支える枠組み)を探し出さなくてはいけません。
そこで、ここぞと思う箇所に千枚通しを突き立てていきます。
この部屋の枠組みは全て木材。
千枚通しが突き通れば野縁は無し、当たれば止まります。
数カ所千枚通しを刺してみて、だいたいの枠組みがわかったのでマーキング。
そして付属のビスで天吊り棒を止めていきます。
事前に測ったとおりに等間隔で天吊り棒を取り付けていきます。
・・・あ、やっちゃった!(;´Д`)ノ
石膏ボードは柔らかいのでねじ込みすぎてボードが凹んでしまいました。
ネジを緩めて外すとこの部分だけ跡が残ってしまうのでこのまま、このまま・・・。
取り外すと凹みが残ります。 凹みは木工ボンドや木工パテなどで埋めて白のマーカーやペンキを上塗りして誤魔化します。
天吊り棒は前後に動かすことが出来、レールの取り付けに余裕があります。
複数の天吊り棒の取り付け位置が前後左右に数ミリずつずれても、遊びがあるので一直線上に厳密に取り付けなくても大丈夫。
あまりずれると変になるけど。
次に現場の寸法に合わせてレールを切断します。
金鋸で1分もかからず切断出来ます。
切断したレールを曲げて直角にRを付けます。
ショップでは曲げ用治具の「カーブベンダー」なるものが売られていましたが、1個3000円以上もするのでそんな物買ってられません。
さて、どうしようかな?とあたりを見回したらちょうどいい物がありました。
消火器!(゚∀゚)アヒャ♪
ちょうどいい感じの円筒形をしています。
消火器の外径に合わせてレールを押しつけていきます。
レールはそんなに固い素材ではないので、簡単に曲がってくれます。
一気に曲げてしまわずにゆっくりじわじわと力を加えていきます。
直角にRを描いて曲がったら完了。
いい感じです。(^ー^)v
*この曲げ作業は適当な大きさの円筒形の物ならば何でもいけそう。
鍋とかポットとか、茶筒とか太めのスプレー缶とか。
但し治具なしで曲げるのは厳禁。
折れちゃいます。
曲げたレールに取り付け金具を付けて天吊り棒に付けていきます。
ネジは完全に締めずに緩めにして仮固定。
天吊り棒両サイドから取り付け始め、天吊り棒の長さを調整しながら順次仮固定していきます。
レールの水平が出ているかどうか、長さは十分かどうかの最終チェックをして、良ければねじを締めて完全固定していきます。
天吊り棒取り付け金具の発注個数を間違えてしまって、真ん中がありません。(>ω<)
慌てて不足分を注文してメール便で送ってもらうことに。
後日金具が届いて、全部ねじを締め終えたら終わり。
ガイドローラーと両端のストッパーを取り付けて、動作チェックを行えば完成です。
玄関とリビングの間仕切りが簡単に行えるようになります。
これに、のれんを吊るか、すだれを吊るか、カーテンを吊るかはお好みで。
このカーテンレールのパーツは、このシリーズ専用の物でないと装着出来ず、従来窓辺にあるようなカーテンレールのランナーなどは付けることは出来ません。
そのため、パーツが足りないとか、発注をミスしちゃったりするといちいち取り寄せしないといけないので割高になっちゃいます。
また、パーツが余ったりすると、他の汎用カーテンに流用することが出来ません。
注文の際にはよく検討して無駄にならぬようにしてください。
このページの一番上にアップした写真の部屋は、玄関の間口が広いのでちょっと長めのレールとなりました。
少し長いので、ガイドローラーの間にマグネットローラーを取り付けて、2枚のカーテンも吊すことが出来るようにしました。
カーテンレールの長さはセット品で2m、3mとあります。
延長のための専用のジョイントもあります。
トラックの内装パーツ用で、5mというロングレールも販売されているようです。パーツに互換性があるかどうかわかりません。 この天吊り棒の長さは様々。
天井の高さに合わせてパーツをチョイス出来ます。
天吊り棒を使わず、レールを直接天井に取り付ける金具も販売されています。
商品ページを見ると、天吊り棒同士の間隔は90センチまでとありますが、重いカーテンや二重にする時はこの間隔を狭く取った方が天井に負担がかからず良いかと思います。
賃貸住宅の場合、ビス穴などを開ける時は許可が必要な物件が多くあります。
必ず事前に管理会社やオーナーさんの許可を得てください。
ジプトンだと、ビス穴は木工ボンドで埋めて白のマーカー塗っておけばわからんけどね。f(^ー^;
要は出る時に補修して、わからないようにしておけば良いって言うことですよ。
賃貸オーナーが言うのだから間違いは無い。
後日、入居された部屋に用事があって入らせてもらったけど、レースのカーテンを付けておられていました。
室内から見て玄関が目の前にあるように見えませんから、ずいぶんと雰囲気が違う部屋になっていました。
*文中に紹介している各社の製品はカタログより抜き出した物です。
全てを使用したわけではありませんので性能や特徴を質問されてもお答えできません。
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