山の古別荘のDIY記

リメイクシートを貼ってみる 前編

★目次ページに戻る



 昨今、テレビの影響があってDIYで部屋や家をプチリフォームしようという方が多くなりました。
 以前は、建材や資材などは専門店にしか無く、素人が素材を入手するのが困難で、ホームセンターで販売されていてもロール単位とか、気に入ったデザインが無くてなかなか手の出しにくい物でした。

 ここ数年、サイズは限られますが100円均一ショップなどでこれらの素材が容易に入手出来るようになってきて、簡単な室内装飾が誰でも手軽に行えるようになってきたのはありがたいことです。


 今回は、その中で人気のアイテム、『リメイクシート』の施工方法を記述いたします。



 リメイクシートは、ウォールシートやウォールステッカー、壁紙シートなどと呼ばれてショップで販売されています。
 基本的にはカッティングシートの薄い物で、木目やレンガ調などの絵柄がプリントされたデザインシートのことです。




 ダイソー社で販売されているシート



 シート裏面にのりが添付されており、シートをめくればどこにでも貼り付けられます。



 プロの世界では建材用装飾シートは住友3M社から「ダイノック」という製品が製造販売されています。
 サンゲツ社や積水化学などからも同様の製品が別名で作られていますが、建築現場などではそれらが主に使われています。
 100円均一ショップで販売されている商品より、耐久、耐水性に優れ、防火性能に優れています。
 シール面に気泡抜き溝などが設けられ、エア抜き構造になっているので非常に作業がしやすいです。
 ネット通販で入手可能です。
 ただし、これらは性能が良い分やはり高価です。
 屋外や耐久性、耐火性を求める現場の場合には、ダイノックなどの製品をご使用ください。




 施工後のサンプルや基本的な張り方はネット上に多く上がってます。
 いろんな作例をご覧になりたい方は検索してそちらをご覧ください。

 このページで記述する内容は、

 1.気泡を出来るだけ入れずに貼る
 2.失敗した時のごまかし方


 以上の2つです。



 注意1:
 賃貸物件などにお住まいの方は、退室時に原状回復の義務があります。
 造作設備や備品に勝手にシートを貼ったりして元に戻せなかったり、破損・汚損させてしまった場合には損害賠償の対象となってしまいます。
 必ず事前に大家さんや管理会社に施工していいかどうか確認してから行ってください。










 今回の施工場所は30年前に作られたシステムキッチン。







 遠目から見たらわかりませんが、よく見ると長い間の使用で細かい傷や油染みが付き、日焼けで色落ちして汚らしく見えます。

 そして何よりも、

 デザインが古くさい!!(゚Д゚;)!!


 このキッチンを少しでもきれいに装飾してやります。



 キッチンの表面素材は「メラミン樹脂」という素材を用いた化粧合板で作られています。
 簡単に言うとプラスチックの板です。
 この表面は一般的なペンキが塗れません。
 プライマーなどで下地をきちんと作って塗っても仕上げをきれいにするのは難しいですし、時が経てば剥がれやすくなり、手間暇ばかりかかってリスクが大きいのです。
 こんな場所にはリメイクシートが最適。(*゚∀゚)



 まず、用意する道具は、家庭用洗剤雑巾
 そして、家庭用洗剤を水で溶かした水溶液(濃度は1~2%程度)をスプレーボトルに入れた物
 洗剤を入れるのは水の表面張力を無くすため。







 注意:水で濡らすことが出来ないような素材の物にシートを貼る場合は、これらを使わないようにお願いします。



 道具は、壁紙用撫でブラシ(又は乾いたタオル)、スクレイパー(又は定規など)、カッターナイフ







 これらの道具を使用します。
 基本的に壁紙を貼る道具と同じセットを用います。

(広告)

Amazon

壁紙を貼る道具5点セット

Amazon

壁紙 スムージングツールキット

Amazon

壁紙施工道具7点セット










 1.気泡を出来るだけ入れずに貼る


 最初に、キッチン化粧板の表面を家庭用洗剤できれいにします。
 表面に付いた汚れや小さなゴミ、油分を除去します。







 この時点で化粧板の表面をチェックしてやります。
 表面に凹凸がある場合や、大きな傷などが付いているとどうしても気泡が入り込みやすくなります。
 完全な状態を求めるのは非常に困難ですのでそこは我慢してください。




 リメイクシートを袋から出してやり広げます。
 このシートはダイソー社で販売されているシート。

 折り曲げて販売されているので、この折り目を取るのに一苦労します。(;´Д`)ノ
 セリア社だと丸めて売られているので、折り目のクセが無く作業しやすいんですけどね~。
 近所にセリアがないのでやむを得なかった。








 シートを貼る方法は二通りに分別されます。

 一つは、最初に化粧板のサイズぴったりにカットしてから貼る方法。
 もう一つは、ある程度の近い大きさにして、貼り付けた後に余分なシートをカットする方法。



 私は失敗が少なく、後で手直しのしやすい後者の方法をとります。



 このシートの長さは90センチほど。
 化粧板の高さは約60センチほどですので、3センチほどの余裕を持たせ、63センチの部分から切っていきます。








 最初に余分な部分をカットするのは、裏紙を剥がした後にあちこちに張り付いたり、折れ曲がってくっついたりするのを防ぐためです。



 こういうシートは工場できちんと裁断されているので、四角はたいてい直角。
 一辺は真っ直ぐにカットされてあります。
 時々バラツキのある物が混ざってるので注意。
 この、製造出荷の状態を利用してきれいに貼り付けてやります。


 一つのコーナーと化粧板のコーナー一点を合わせて起点とします。
 この起点を中心にして上下左右の辺を真っ直ぐに貼り付けていくための基準点です。







 右利きですので右端に起点を置くのがやりやすいです。
 上から下方向、右から左方向へと貼り付けていきます。



 どこから貼り付けていくかを決めたら化粧板を洗剤薄め液をスプレーして濡らします
 車のガラススモークシールを貼るのと同じ要領です。

 濡らすのはシートの粘着力を和らげる目的です。
 ずれたりした時に剥がしやすいようにするための物であり、粘着力が弱いので入った気泡を抜きやすくなります。







 化粧扉全体にまんべんなく多めに吹き付けます。
 液が落ちて垂れてきますので床には雑巾を並べておいてください。



 液を吹き付けて充分に濡らしたら、シートの裏紙を剥がしていきます。

 剥がす時は、先ほど決めた起点とは反対側からはがし始めます。
 






 シートは非常に薄く出来ていますので、裏紙を取る時にシワになったり粘着力が損なわれたりしやすいからです。



 裏紙の上辺部分の約10センチ分ほど剥がしたら、化粧板に貼り付けていきます。
 起点同士を合わせて、まず最初に上辺を貼り合わせてみます。







 上辺を合わせていく時は出来るだけピッタリと合わせていきますが、決して上に押しつけないこと。
 髪の毛一本分ほどの隙間が出来るぐらいで合わせていくとうまくいきやすいです。

 上辺との隙間が出来ないようまっすぐに。
 シワが途中で出来ないようピンと張り詰めて。
 隙間が大きく出来てしまったり、シワが出来たりしたら剥がして貼り直してください。
 水分が乾いてきて粘着力が強まってきたら、再度スプレーして板面を濡らしてください。
 


 上辺に合わせ、右から左まで裏紙を剥がした分の10センチほどをくっつけたら、残った裏紙をゆっくりと剥がしていきます。
 粘着力が弱いので、上辺のくっついた部分がずれないように押さえながらゆっくりと裏紙を取っていきます。






 裏紙を半分ほど剥がし終えたら、今度は右辺を合わせていきます。



 ここで問題にぶつかってしまいました。
 どんなに真っ直ぐに張り直ししても、右辺が沿わない!!ΣΣ(゚д゚lll)







 どうやら化粧扉が微妙に傾いているようで、きちんとした長方形になっていないようです。
 最終端の下端では、後から誤魔化すことが出来ないほどの隙間が出来てしまいます。


 仕方ないので、シートを全て剥がして、上辺ではなく、右辺を合わせるようにしました。
 今度は上辺が合わなくなってくるので、数ミリ少し上に持ち上げて、余分は張り終えてからカットすることにします。








 上辺と右辺中段までのラインが決まったら、しわを伸ばしながら気泡を抜きつつ全体を貼っていきます。


 ここで登場するのが、壁紙用撫でブラシ。

 無い場合は真っ直ぐな木片に乾いたタオルを巻き付けても代用品となります。







 上から下へ、右から左へしわを伸ばすように、気泡を抜くように撫でていきます。
 大きなしわがあるとシートに折り目が付いてしまいますので、下から引っ張ってシートを張り詰めながら撫でます。

 どうしても取れないような気泡が入っている時は迷わず剥がして再度貼っていってください。



 上半分を貼り終えたら下半分の裏紙を取って、同様にブラシで貼っていきます。







 一番下まで貼り終えたら終了~!


 貼り付けたシートの面をチェックして気泡の有無を確認します。
 気泡が残っている場合は、ブラシで空気を押し出すようにいずれかの辺へ押し出していきます。
 濡らした化粧板が乾いてくると、シートの粘着力が高まってきますので、素早く行います。
 どうしても気泡が抜けない場合は再度剥がして、もう一度スプレーして貼り直すこともあります。


 





 シートと化粧板に着いた水分が乾いて粘着力が高まるまで、しばらく置きます(10分以上)。
 その間は他の場所をやりましょう。


 次に余分な部分のカットに入ります。



 後編に続く



 参考動画:リメイクシートを貼っている作業風景
 注:ハウツー動画ではありません。




★目次ページに戻る

▲このページのトップへ



トップページに戻る