趣味の沼の回顧録

レンズ沼にはまる

★目次ページに戻る


 カメラを触ったのは物心付いたときからでした。
 叔父がやはりカメラに凝っていて、自室に暗室を作り現像焼き付けまでやっていて、私が小さい頃には金属製の大きな引き延ばし機が置いてありました。
 そんな影響を受けてかどうかはわかりませんが、私もねだって安物のカメラを買って貰った記憶があります。



 最初に自身で購入したカメラは一眼レフ。
 時はまだフィルム時代。
 バカチョン機もレンジファインダーもすっ飛ばしていきなり一眼レフです。(^◇^;)

 大学に入ったばかりの私はアルバイトで稼いだなけなしのお金を握りしめて、心斎橋にあるカメラのナニワへ向かいました。
 購入したのはCANON T50
 注:目次ページの写真のCANON AE-1は後年貰った物です。


 本当に欲しかったのは爆発的に売れたMINOLTAα7000だったのですが、どうしても購入資金が足りなくて、同時期に発売されたばかりの少し安いキャノンの入門機種を選んだのです。




 画像はCmaera Wikiより拝借



 当時はカメラ本体とレンズ1本だけしか購入できませんでした。
 1年ほどこの機種で遊んだでしょうか。
 もっと望遠域のレンズが欲しいなと思い続けた頃、キヤノンはEOSと言う新シリーズを発売しました。
 それが何とマウント変更!!
 手持ちのレンズとは互換性が全く無い。
 で、このTシリーズは全て廃盤にすると言う暴挙に出やがりました。( ̄□ ̄;)!!
 手元にあるカメラがレンズの拡張性が失われ、全く将来性の無い機種に変貌してしまったのです。

 お金の無い学生時代。
 簡単にカメラをホイホイと買い換えるなんてできっこない。
 カメラの世界に足を踏み入れたばかりの貧乏学生。
 正直やってられません。
 無性に腹が立った私はキヤノンをたたき売って憧れの機種に変更することを決意したのでした。




 今のキミはピカピカに光って~♪



 画像はWikipediaより拝借
 ミノルタも過去に既存のマウントを捨ててαにしたんですけどね。f(^ー^;



 このα7000は本当に名機だったと思います。
 今発売されている全てのオートフォーカスの一眼レフカメラの原点と言える機種です。
 あまりカメラの知識のない初心者でも気軽に、ピント合わせ不要という仕組みで一眼レフを扱えるように、上手に写真を撮影出来るようにした功績は計り知れないです。
 家族に趣味に風景にと長い間活躍してくれました。

 いつしかボロくなって後継機のα7に買い換えましたが、当時使っていたレンズは今でも最前線で使用しています。


 そして、デジタル時代へ・・・・








 21世紀が始まると共にデジタル時代が幕開けしました。
 最初はコンパクトカメラから始まります。
 現像が必要無い、撮影したその場で写真を見直すことが出来る。
 パソコンやテレビなどの大画面で手軽に見ることが出来る。
 アルバムなんか買わなくても記憶装置にほぼ永久に保存しておける。

 フィルムは次第に片隅に追いやられ、あっという間に市場を席巻していきました。
 近い将来、「セピア色の思い出」と言う言葉は、アナログ時代の遺物として消えていくかもしれない。


 私もデジカメを購入して使用し始め、写真撮影の手軽さ、機材以外のコストがほぼ不要と言う点に魅了されていきました。
 ミノルタがデジタル一眼レフを発売してくれるのを心待ちにしました。
 でも、出なかった。(;´Д`)

 ミノルタは当時、アメリカでの特許訴訟に敗北して巨額の債務を背負い、デジカメの新機種開発がほぼ出来ない状態で、いつ発売されるか、発売できるのかどうかもわからない状態。
 待ちきれませんでした。



 我慢できずに最初に入手したデジタル一眼レフはPENTAX *istD



 今でも現役で使用しています。



 なぜペンタックスに変更したかというと。
 レンズ群が他メーカーより安い!
 マウントが変わっていないため昔のマニュアルレンズ群が使用出来る!


 Kマウントというタイプのマウントですが、ペンタックスは敢えてマウントの変更をせず、しかもアダプターを介して、Sマウント(M42スクリューマウント)という旧タイプのレンズも使用出来る機構を備えていました。
   ↑これがそもそもの間違い。
 旧マウントのレンズも新規格マウントのレンズも、全て使用出来るカメラメーカーってここだけなんですよ。

 普通は、新シリーズ商品が開発されたら、メーカーはそれを売ろうとします。
 旧商品とか中古商品とかが売れたのでは、メーカーは商売になりません。
 ところがペンタックスはユーザーの側に立った物の考え方で、古い物も使用出来るように商品を提供し続けてくれています。

 このシステムはペンタックスが経営不振に陥り、転々と会社が変わっていく中でも受け継がれて今に続いています。




 クリックすると別画面で原寸画像が出ます。

 これはTMRON社の古い28mmレンズ。
 タムロン独自のアダプトールと言うマウントアダプターシステムではなく、Pマウントと呼ばれるM42のレンズです。
 型番CW-28をペンタックスM42専用に作ったのか、それとも輸出用に作られたのか、検索しても該当する物が出てきません。
 こういう古いレンズもマニュアル操作で普通に使えます。




 コンパクトカメラはやはりコンパクトカメラ。
 一眼レフカメラが写し出す映像とは異なるのですよ。
 最初に撮影した写真を見た時から、すっかり一眼レフカメラの魅力にはまってしまいました。


 レンズキットとして標準に付けられている安価なズームレンズを使っていると、どうしても写した写真に次第に不満を持ち始めます。


 観光地に行きます。
 絶景と呼ばれる場所で写真を撮ります。
 帰ってからモニターで見てみます。

 ・・・・あれ?(・ω・;)


 なぜこんなに味気ない写真なんだろう。
 見た目と写真が異なるし、雑誌の写真と違う。

 雑誌で見たあの美しい絶景はどこへ行った!!(;´Д`)ノ



 こういう経験はカメラに興味を持った方なら誰もが一度は経験したことと思います。
 雑誌などでプロが写す、くっきりとした描写、とろけるようなボケ、色乗りが際だった風景写真。
 これを写し出すことが出来ない。


 これはプロと機械が異なるからなんだ!
 きっとそうだ!



 せめてレンズだけでも良い物を使ってみなきゃダメだ!!p(-x-〃)




 と、思い始めるのです。


 実は機材のせいだけじゃないんですけどね。
 それがわかるようになるまで、長い間沼をさまよいます。f(^ー^;







 ところで・・・

 撒き餌レンズ

 って知ってますか?


 キャノンならばEF50mm f1.8、ニコンならばAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G。
 一眼レフ用レンズとしては1万円から2万円で購入できる格安レンズ。
 安価なのに写りはピカイチ。
 お求めやすい価格での単焦点レンズ。


 これ、罠です。∑(´□`;)




 そこで試しにこの購入しやすい単焦点レンズを購入してみると、自分でもほれぼれとするような素晴らしい写真が出てくる。
 各カメラメーカーが、ユーザーにレンズをもっと購入するようにと誘導するため、採算を度外視して販売されているレンズ。
 それが「撒き餌レンズ」。

 当時のペンタックスにももちろんありました。
 FA50mmf1.4。当時の新品価格は安かった




 クリックすると別画面で原寸画像が出ます。




 クリックすると別画面で原寸画像が出ます。


 色乗りの良さ。
 毛の1本1本まで写し出す描写。
 被写体前後が散らかっていても全くわからなくなるほどのとろけるボケ。


 全てはここから始まりました。









 この50ミリというサイズ。
 当時発売のデジタル一眼レフはAPS-Cという規格のサイズで、今のように35ミリフルサイズというカメラはまだ出ていませんでした。
 少し後からキャノンが発売しましたがプロユースで100万円近い値段でした。

 APS-Cは従来の35ミリフィルムサイズより小さいのですね。
 約2/3の大きさ。
 50ミリという焦点距離は、人間の目で物を見るときの標準視野に近い角度で映像を捉えます。
 (実際は43ミリぐらいらしいですが)
 これがAPS-Cに換算すると75ミリという焦点距離になります。
 少し望遠。
 風景などを撮っていると、この画角は少し使いづらい。
 となるともっとワイドな焦点距離のレンズが欲しくなってきます。

 いよいよ、沼の縁に足を取られ始めました。Σ( ̄д ̄ノ)ノ



 現在のペンタックスではAPS-C規格に合わせた撒き餌レンズ、DA35ミリという物が売られています。
 でも、当時まだまだ35ミリフィルムサイズに合わせたレンズばかりで、APS-C規格専用のワイド域のレンズなど有りません。
 おまけに現行製品の新品を次々と買うようなお金もありません。

 ペンタックスは古いレンズも現行レンズと同じように普通に使える。


 デジタル時代の幕開けと共に、Web上に存在していたのが、「Yahooオークション」!!

 地獄の蓋が開いてしまいました。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル・・
 今から思うと自ら沼へと一歩一歩はまって行き始めたのです。


 ワイドも撮りたい、望遠も欲しい。
 マクロ撮影もしたい、お散歩用標準レンズで何かいいのはないかな。




 リコーの古いレンズ、リケノン135ミリ。
 リコーはペンタックスの下請けに近い存在だったのですが、今や親会社。




 やがて、神レンズと呼ばれる写りが極めて良い銘玉レンズが欲しくなってきます。
 しかし、これがバカ高い、なかなか手が出ない。(;´Д`)
 手が出ない物だから中古で安価なオールドレンズで評判の良い物に手を出し始める。
 そのうち、レンズの描写の違いが少しずつわかるようになり、「レンズの味」に気付く。

 そうこうしてくるうちにカメラ本体の性能が古くなってくる、新製品が欲しくなってくる。
 三脚も要る、持ち運びのバッグも欲しい、レンズが増えることで収納庫が要る。

 超安値のジャンク品を物色するようになる。
 分解清掃の道具が必要になる。
 そして無限の泥沼へ・・・・




 まだ山小屋も所有していなくて、メインの趣味であった釣りにお金をかけ始めなくなってきた頃にはまったレンズ沼。
 一時はすっかり抜け出していたのですが、また最近ムズムズと・・・┐(-。ー;)┌ヤレヤレ



 次回から、カメラ沼にまつわる話などを書いていこうと思います。





★目次ページに戻る

▲このページのトップへ



森が呼んでるトップページに戻る