趣味の沼の回顧録

私は記念写真カメラマン

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 写真撮影に凝りだすきっかけとなったのは、メインの趣味である”釣り”のひとこまからでした。
 釣りのホームページ(現在でも運営中で、来年20周年を迎える)に使用する素材を撮るために、釣り場へカメラを持ち込んだのが始まりでした。

 と言っても、高価で水に弱い一眼レフカメラを海辺に持って行くわけにはいきません。
 当初はバカチョンのフィルムカメラを持って行きました。
 機種はキヤノンか何かだったと思います。
 まだ「写ルンです」が販売されていなかった頃です。

 現像して出来上がった写真をスキャナにかけてデジタル化して取り込んでいました。


 パソコンの性能も低く記憶容量も少なかった当時、画質も荒く解像度も悪い状態でしたが、業者でもプロでもない素人である私の当時の環境では目一杯。
 それでも、写真をホームページ上にアップしている個人ページなど少なくて先端を行っていた。




 和歌山県のとある場所。
 ファイルサイズが大きくなるため当時のPCではフリーズしがち。
 この大きさで取り込むのが精一杯だった。




 海辺に一日中佇んで目に飛び込んでくる移ろいゆく景色は、日常では見られない素晴らしい風景。


 これを写真に納めて見せることが出来たらどんなに優越感に浸れるだろうか。(^^ゞ


 まだ、写真が主体のページが少なかった時代だったので、誰よりも先行してアップロードすることで、自己満足していたんですよね。




 コンパクトデジタルカメラが一般化してきて、写真が容易にデジタル化することがわかると、すぐさま飛びつきました。
 発売当時のコンパクトデジカメなんて、今のように2万円や3万円では手に入らなかったですよ。
 最初に購入したデジカメはSONY製サイバーショットですが、なんと12万円!!!(,,゚ x 。)/

 ドイツのレンズメーカー、カールツァイスのレンズを身につけた高性能なデジカメでした。



 SONY CYBER-SHOT F505


 デジカメ特有のメリット。
 撮った写真をその場で見られて、現像する手間や費用がいらない。
 メディアの容量に応じて幾らでも写真を撮ることが出来る。
 ソフトで写真の調整が出来る。
 これは、貧乏なカメラマンにとっては非常に画期的なことでした。

 それから飛躍的にカメラを持ち出す機会が増えました。


 カメラは精密機械。
 塩分を含んだ海風にはとっても弱いです。
 まかり間違って波しぶきでもかかったらそれでおシャカ。
 磯釣りなんかに持って行くときは海水がかからないように、デジカメをタオルでぐるぐる巻きにして、ビニール袋の中に入れ、更に小さなビニールバッカン(釣り用のビニール製の四角いバケツ)に納め、釣りバッグの中に入れて釣り場へ持って行きました。



 やがて、デジカメの性能が徐々に向上していくと、今の製品では満足できなくなり、旧製品を売却してそれを元手に更に高性能な機種へと買い換え。




 後に買い換えた、SONY CYBER-SHOT F707



 デジタル一眼レフが最初に出てきて購入するまでの僅かな一時期。 
 重い、でかい、扱いにくい、このデジカメが大活躍していました。


 

 CYBER-SHOT F707で撮影。
 Photo Shopでリサイズ。 フードで四角がけられている。









 釣りばかりではなく、アウトドアフィールドへこのカメラを持ち出して撮影していくと、どんどん写真撮影のおもしろさに惹かれていきます。
 そして、念願のデジタル一眼レフも入手し、レンズも増えていき、どんどんカメラの沼に引き込まれていきました。

 どうやったらきれいな写真が撮れるんだろう?
 どこへ行ったらいい風景ばかり出会えるのだろう?

 そう言う思いから、風景写真専門の月刊誌などを見て、プロや諸先輩方のきれいな写真を真似て撮影したいがために、似たようなシチュエーション、似たような被写体を求めてあちこちをさまよい歩きます。




 やがて、

 「自分もだんだん上手になってきたな。」

 そう思い始めたときに、NIKON社のフォトコンテストの入賞作品を見る機会がありました。


 自分とは決定的に違う物がある。(・ω・;)


 何枚も写真を撮って経験値を積んだような錯覚を持っていただけでした。


 こんな写真は自分には写し出すことは出来ない・・・・


 私は大きな勘違いをしていました。
 取り付いていた何かがふ~っと抜けていきました。







 今までやってきたことは、ただ単に機械いじりしていただけだ。
 機材を揃えることで上達したような、写真撮影が上手になったと勘違いしていただけだ。
 機械の性能が上がっただけで、自分の技術など全く進歩していない。


 何年もかかってようやくそのことに気付いたのでした。(ノД`)・゚・




 それからの自分は、「記念写真カメラマン」「風景もどき写真家」と、旅行や散策の記録写真撮影をする人間と割り切って写真撮影するようになりました。

 レンズ収集はやめて、持ち出すレンズも1本のみ。
 撮ってくるのは記録写真。
 その場に行けば誰でもが撮影出来る景色を撮るだけ。









 桜の時期や紅葉の時期、人気スポットや観光スポットに足を運んだときに、時々自分のブログに撮影した写真を掲載していました。

 今、観光地はこんな景色が見られるよ。
 きれいな花撮りの時期は今だよ~。

 という感じで、読者の方に報告がてら記録として載せていました。


 ある時、写真ブログを運営している方が、それらの写真を見てコメントを残していかれました。

 『きれいですね。 絵はがきみたいでいいですよ。』

 
という内容の書き込み。
 

 何言ってんだ絵はがきだったらカネになるだろ~が。 
 俺のは便所紙にもならねーよ!!



 と、思いましたが愛想良く「ありがと~ございます!」とコメントを返しました。








 時々、とても素晴らしい被写体に巡り会って、レンズを向けて写真を撮るのですが、上手に表現しきれず、編集ソフトでもうまく編集することも出来ず、未だにボツ写真を量産している私です。


 自分の子供がデザイン学科のある学校に進学して、専門的な知識と技術を得てきます。
 デジタルデザインという、絵画からデジタル動画、果てはゲームプログラムまで学べる総合的な学科です。
 さすがに専門分野ですね。
 1年足らずで写真の腕前も表現力もあっと言う間に上達して、芸術の世界の彼方へと突き進んで行っています。


 子供が写し出した写真を見て、

 こんな表現方法は私には出来ない・・・・ガクッ!!_| ̄|○

 と、あらためて打ちのめされる今日この頃です。



 一番上のロゴに使っている写真にいる二人は、私の子供です。




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