どんだけ買うねん?
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釣りという趣味は水辺で魚類を釣るという遊びですが、環境や魚種に合わせて分野が多岐に分かれています。
環境下で大ざっぱに分けると下の図のようになります。
これが釣りの対象とする魚種、及び、釣りの手法に合わせて様々に分かれていきます。
道具もそれに合わせてそれぞれ専用の物が製造され、釣具店の陳列棚を飾っています。
例えば、一番馴染みの誰もが一度は行ったことのある防波堤ですと、
・ファミリーが行う、サビキ仕掛け
・投げ釣り用
・対象魚種がメバルやカサゴを狙う、小物
・クロダイやスズキを対象とする専用の物
・ルアー(疑似餌)を用いた物
・イカ、タコ専用の物
・シーズン物の魚種、タチウオ、スルメイカ、ハゼなどに合わせた専用の物
パッと思いつくだけでこれぐらい記述することが出来ます。
独壇場なのは海ならば底物大物用、トローリング用、池ならヘラブナ用、河川なら鮎用(おとり釣り用)でしょうか。
限定された魚種を釣るためにだけに作られている物で、長い年月の間に工夫と改良がなされてきて、高性能で先鋭化した製品へと変化してきました。
鮎用にいたっては他魚種への転用が全く効かない物もあります。
自然、道具一つ一つが高価な物になってきて、目の玉飛び出るぐらいの値段のする道具が販売されています。
アメリカのペン社のライトトローリング用のリール
釣りに興味を持ち、釣り場に通い始め、特定の魚種を釣ってみたいという欲求が生まれてくると、自然と専用の製品が欲しくなるんですね。
それは自動車の世界も同じで、軽自動車
(軽自動車が悪いって言う意味ではないですよ)に乗っていて思うようにスピードが出ない。
スポーツタイプの車が欲しくなってくる。
山間の林道を走破するなら4WD車がいると言う具合に、釣りの世界も目的とする魚種、釣り方によって所持する道具が異なってくるのです。
深い深い釣りの沼は道具から始まります。
釣りたい魚種が決まると専用の道具が欲しくなる。
↓
乏しい資金から安めの新しい道具を買ってみる。
↓
新品の道具を眺めて早く使ってみたくなる。
↓
釣り場に行って使ってみる。
↓
人が持っている道具を見て更に良い物が欲しくなる。
エンドレス・・・・
問題なのはその道具が竿とリールだけではありません。
ウキ、針、糸まで専用の物が作られていて、ウエアやバッグまでこだわっています。
上から下まで揃えたらウン十万円なんてすぐに飛んでいきます。
それでも、竿1本、ウエア1着あればいいんじゃないの?と思われるでしょう。
いえいえそうではありません。
釣りの沼の深みにはまっていくと、製品一つ一つの特徴がわかるようになってきます。
使い勝手が悪い、手にしっくり馴染まない、そんな理由から次々とタックルを購入するようになるのです。
ウキの形が気に入らない。
糸の太さが気に入らない。
クーラーの容量が気に入らない。
オモリの号数全て揃えなきゃ。
針だって魚種に合わせた物を使わなくちゃ、それに予備もいる。
釣りベストも欲しいし、タックルボックスもいるだろ。
ルアー1個だけなんてみっともない。 と、こうして膨大な数の小物が増えていきます。
何本も竿を出すようになると、カートでタックルを運ぶようになる。
中には、『
この竿だと魚が釣れない。縁起の悪い竿だ。』と、新しい竿を惜しげもなく物置の中に仕舞ってしまうような者もいます。
これに収集癖なんか加わると最悪!! xx名人作だとか、ABUとかルアーとか・・・
どんだけ買うの~!?
と言う状態になってしまいます。
近年はネットの発達によるオークションや個人間取引、大手チェーンの中古釣具店が広まってきましたので、安価に釣り具を入手することが可能になってきました。
私が釣りを始めた20年前は、釣り道具と言えば知人から不要な物を貰ってくるか、新品を購入するぐらいしか道は無かったのです。
現在は堤防釣りしかしなくなりましたので、あまり釣り道具を購入することはなくなりました。
釣りに夢中だった初期には堤防、磯、投げ、ルアー(バス) しかしませんでしたが、その頃の道具が今でも残っています。
所有する釣り竿だけ列記してみると、
磯上物用:5本
磯底物用:4本
投げ竿 :1本
落とし込み用:5本
筏竿 :3本
ルアー用 :2本
とまあ、記憶にあるだけでこんなにもあります。(;´Д`)ノ
実際に現在使用しているのはたった2本だけなんですけどね。
使わない竿は、製造中止になってパーツが入手出来なくて修理が効かなくなったためで、使用を中止して竿立て(傘立て)に保存してあります。
基本的に折れて修理不能、もしくは修理すると新品が買えるよというぐらいの破損が生じるまで使い倒します。
処分した竿を入れるともっと多くなります。
元竿(リールの付く一番太い部分)が折れて修理不能(修理すると新しい竿が買える)になった竿。
収集家というわけではありません。
普通に実用品として買っているだけでこんなになります。
リールに至っては数十個あります。
大半が中古品ですが、金属製品の寿命は竿なんかの比じゃありません。
一生かかっても使い切られへんよ!
ウキが100個以上、ラインや針は数種類。
更に磯用のウエアや道具、堤防用のウエアや道具、落とし込み用の道具など、全部でどれだけあるのか数えたことがありません。
(バスフィッシングのルアー用は性に合わず2年でやめたので、ルアーなど道具は殆どありません。)
もちろん、これらの物を1年や2年で揃えたのではなく、20年間に次第に増えてきてこうなってしまったのです。
これまでに釣り道具に費やしたお金は・・・
高級車が1台買えるんじゃないかなあ。(ノД`)・゚・
船釣り、川釣り、鮎釣りは絶対にやらないと誓っている。
もし泥沼にはまってしまったら、これの数倍の所有量となるでしょう。
この釣り道具ですが、釣り場へ大量に道具を持っていくわけではありません。
使用する最低限の物だけを持っていきます。
始めた頃はあれもこれも、それもかしこも、と使うかどうかわからない物まで大量に荷物を抱えて現場へと向かいます。
次第に慣れてくると、シンプルになり数が減り、必要最小限の物しか持っていかないようになるのは、登山家や旅行者と同じです。
落とし込み釣りの道具。
飲み物を入れたクーラーと、竿とタモ、これに小さな餌箱だけ。
針やら糸、オモリなどは全てベストなどのポケットに入れ身につけている。
磯釣りなどは大所帯の引っ越しのような道具なんか持っていったら、海が荒れてきたら避難に手間取ります。
最悪、エサや道具は全部波に飲まれて失ってしまう場合もあります。
ベテランになるほど所持品はシンプルになり、動きやすいよう身軽な出で立ちをしています。
対象とする魚種や環境にもよりますが、釣り人が所有する道具を見ただけで、その人の腕前や経験値が推し量られるようになってきます。
じゃあ、最初からそういう風にすればいいやん!
と思われるでしょう。
そうでもないんですね~。f(^ー^;
最初のうちは試行錯誤の繰り返しで、これ!と言う物が決まらなくていろんな物を買い揃えちゃいます。
これは、趣味全般に言えることで、「
人の業」って言うやつでしょうね。
この「釣り具」と言うやつ。
ここ20年ぐらい何の進化もしてません。
素材がハイテク化してきたぐらいで、基本的な能力が変わったというわけではないのです。
ですから、20年前に製造された竿やリールが腐食や傷などで劣化さえしていなければ、現行品と何ら変わりなく使えます。
スエーデンのABU社のリールなど、50年ぐらい前に作られた製品が現役だったりします。
1970年代に製造された、アブ・アンバサダー5000。
今の釣り道具には木や竹などの自然素材は用いられていません。
どんどん製造技術が進歩してきて経年劣化しにくい素材です。
新しい製品が出る度に買い換えていると、どんどん溜まってきてしまいます。
現在の私ですが、ここ数年釣り具は消耗品で無くなった物以外は購入していません。
糸と針とオモリぐらいのものです。
直近で竿を買ったのは5年ぐらい前になります。
そろそろ付いた傷が元で折れそうなんですが・・・。
金欠なのでもう少しもって欲しい。
この増えすぎた道具類ですが、2年ほど前からオークションなどで処分を開始しています。
釣りが出来るのはあと10年か15年ぐらいでしょう。
その間に全部使い切れないし、遺産として残してしまったら遺族が始末に困るから。
一山なんぼで古道具屋に売るぐらいなら一つ一つ金に換えていこうと。
中古相場が下落しちゃって、たいしたお金にならんのが悔しい。
なかなか片付きませんわ。(;´Д`)
私が管理するマンションの一室に数年前に新婚さんが入居しました。
ある時、家賃を持ってきた奥様が、
「今度主人と釣りに行きます。(*゚∀゚)」
と、楽しそうに語ってくれました。
その直後に、玄関扉前に釣り用クーラーとアウトドアグッズが数個置かれてありました。
それから約2年・・・
玄関前のグッズがどんどん増えだしています。(゚Д゚;)・・
先日、その奥様が久しぶりに家賃を持ってきました。
「その後、釣りには行かれてるんですか?」と訪ねると。
「主人がなんだかはまっちゃったみたいでして・・・・。」
と、渋い顔で答えました。
「気をつけてくださいよ。 放っておくと私みたいになっちゃいますよ。(・ω・;) 」
と、オフィスの片隅に並べてある私の釣り道具の一部を指差します。
「そうでしょうか・・・?」と、奥様。
「間違いありません! ちょくちょく所持品検査した方がいいと思いますよ。 気をつけて!!」
奥様は納得いかないような顔をしてオフィスを出て行かれました。
飲む・打つ・買うをやるよりはマシかな?(;^_^A