趣味の沼の回顧録

スキー道具

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 私が若かった頃はスキーに夢中でした。
 今から30年ほど前、18歳から23歳の社会へ出て行くまでの学生時代は、全てをスキーにつぎ込んでいたと言っても過言ではないほど。
 趣味と言うよりはスポーツであり、自身の生活そのものと言えるまでのめり込んでいました。


 28歳で完全引退してきれいさっぱりやめてしまうと同時に、それまでスキーにつぎ込んだ、時間、お金、知識、道具、情熱、あらゆる物は過去の物となり、単なる記憶、単なる記録として頭の中の整理箱で眠ることになりました。
 その中にはいい記憶もあり、苦い記憶もあります。



 当時の写真、動画などほぼ現存しておらず、ここで具体的に表示できる物は殆どありません。
 ですので、この項目では文章が主体になります。
 中には「そんなこと信じられない!?」と思われるような事柄も書くかもしれません。
 私にとっては単なる過去の遺物でしかないので、信じてもらえなくても別に構わないです。

 記憶が断片的になってきていますので、中途半端に終わってしまうことがありますがご了承ください。








 私はスキーが上手でした、

 というか周囲の友人達に比べて上達のスピードが他者より勝っていました。

 小さい頃に親父の会社の取引の関係で、スケート場の優待券が大量に手に入ったので、冬場は毎週のようにスケートリンクで滑走していました。
 その頃に「滑る」という感覚と、平衡感覚が養われたようで、球技が不得意で運動音痴とされていた私でしたが、スキーというスポーツだけはあっと言う間に要領を覚えていきました。

 上手いと言っても信州や上越の中学生にすら勝てなかった。 仲間内だけのお話。f(^ー^;



 スキーというスポーツは、これほど道具に依存するスポーツも珍しいと思います。
 身につける道具次第で、技術の上達が左右されます。
 今でもそうなのかは知りませんが、初級、中級、上級、エキスパートと、技術のランクに合わせて、道具立てもそれぞれに応じた道具が売られていました。


 どこの世界でも同じで、上級用、エキスパート用になると高価、高額になってきます。
 スキーがうまくなればなるほど道具を揃えるのにお金が必要になったわけです。







 スキー板

 今から30年ほど前のスキー板は、現在の製品とは全く異なります。
 長さも長く、形状もサイドカーブが緩やかです。
 先端も尖っていました。

 身長+20センチと言うのが基本的な長さで、身長160センチなら180センチの板。
 身長170センチなら190センチの板というスキー板選びの概算の長さがあり。
 上手になればなるほど、又は、競技志向を目指すほど長い板を履く傾向でした。


 スキーの板は消耗品。

 スキーの板の滑走面をチューンナップで削っていくようになると、板は消耗品という言葉がよくわかります。
 雪の少ない年など、露出した岩などを踏みつけて大きく削ってしまい、エッジを直角にするために大きく削らなければいけないことも多々あります。
 岩の上をカリカリ言わせて滑ってしまった時は泣きそうになります。(;´Д`)ノ


 スキー板は1本(左右ワンセット)5万円から10万円。
 上級モデルほど高価になります。
 そんなにぽんぽんと買える物ではありません。

 スキー板の買い換えはものすごく勇気が要ることでした。



 当時、私が愛用していた板。
 K2 712Competition SL用モデル 長さ2m
 発売は1980年、購入は1982年頃だったと思う。



 レイクプラシッドオリンピックの、スラロームでメダルを獲得した、フィル・メイヤー、スティーブ・メイヤー兄弟が用いていたモデルです。

 もう捨てたと思っていましたが、部屋の奥に残っていました。
 表面は黄ばんでしまって、もっと白かったんですが・・・。


 この板で3本目。
 その前はブリザード、クナイスルと2本履き潰して、3本目を物色していた時。

 学生でお金の無かった私は、とあるスキー店で1年型落ちのこれを見つけて、安く手に入れました。


 スキー板の内部コアは各社ともまだまだウッドが主流でしたが、アメリカ製のこの板はオーリン(OLIN)と共に、いち早くポリウレタンコアを採用していました。

 また、上級・競技用の板は殆どのメーカーの板が、前から後ろまで中央に直進安定性を高めるための溝が掘られてあったのですが、この板はグルーブレス(溝無し)という構造。

 グルーブレスについては回転しやすいと評判でしたが、直進安定性が損なわれる(スピードを出すと板がブレる)んじゃないか?と半信半疑なまま購入しました。

 


 初めてゲレンデで履いてみてビックリ!
 急斜面を滑ってみてビックリ!
 ちょうど私の体重とマッチしていたのでしょう。
 技術はまだまだ未熟でしたが、頭の中で描くターンが簡単にゲレンデ上で描けます。

 「10年来の友に出会った」
 と、感じた名品でした。




 岩の上を滑って内部まで達した深い傷。



 この後、スキー場でバイトした時はこの1本だけでなく予備としてもう1本持つようになり、ヘッド、フィッシャー、この712の次期モデル、と乗り継ぎました。









 ブーツ

 当時はもちろんのことプラスティックシェルで、革靴なんかありませんよ。f(^ー^;
 ただ、フロントエントリー全盛だったスキー靴に、リヤエントリーが製造販売された最初の時代でした。

 甲高幅広の足を持つ私は、それまでのスキーブーツには泣かされました。
 とにかく足形に合うブーツが無い!
 そんな時、サロモンがリヤエントリーブーツを製造して、すぐさま店頭に並び始めました。

 


これは最後に履いていたSX93Equipe。



 最初にサロモンブーツを履いてみて驚き!
\(●o○;)ノ
 今まで締め付けるどころか骨が曲がるんじゃないかと思われるほど窮屈だったブーツ内部がスカスカ。
 「こんなのでええんですかい!?」
 と何度も店員に聞いたほど。

 甲回りの隙間はインナーブーツの外側にチューニング用のパッドを挿入してフィットさせるという構造。

 リヤエントリーの構造上フロントから水は入ってこないし温かいし。
 まだ中級の技術ぐらいしかなかった私ですが、すぐさま中級モデルのサロモンSX70を購入しました。

 

 1年ほど経つともう技術が上に行っちゃってSX70では役不足。
 買い換えたのが上位モデルのSX90Equipe。


 SX90Equipeはボディが鮮やかな赤色のシェル。
 赤色が目立つのですぐにわかると友人からよく言われました。


 このサロモンSX90Equipeには外見上他のブーツと大きく違う点が一つありまして、それはインサイドに貼り付けられた金属のプレート。

 スキーが上達してパラレルターン、ステップターンをこなすようになってくると、片サイドのスキー板のインエッジがブーツのイン側に当たるようになります。



 エッジで傷ついたインサイド



 スピードを出して急斜面を駆け下りてくるようになると、猛烈な勢いでエッジがぶつかり、側面を削ってしまうようになります。

 サロモンSX90Equipeのシェルは材質の強度に問題があったのでしょうね。
 このエッジが当たるインサイドに幅2センチほどの薄いアルミ板が補強金具として貼られていました。

 で、アルミ板にエッジがぶつかると傷が付いちゃう。
 傷がどんどん深くなり削れて来ちゃう。
 で、最後にはペラペラになってちぎれてしまいました。


 ちぎれてしまって不細工になってもしばらく履いていましたが、それも寿命に達した頃に、写真のSX93Equipeに買い換え。
 これがスキー時代最後のブーツとなりました。







 スキーブーツの寿命はだいたい7~8年(今の製品はどれぐらい持つかわかりません)。
 劣化と疲労により半分に割れたり、底部分だけ割れて外れたりします。
 内部はカビも生えていなくて清潔なのですが、このブーツはもう使えないです。


 スキー場バイト時代に、ブーツが割れてしまい、ぴょんぴょん片足跳びしながら下りてくる人をしばしば見かけました。
 で、どうしても靴下だけの方の足を雪に付けてしまうので、冷たそうで可哀想でしたね。(;^_^A


 スキー板は消耗品ですが、ブーツは自分に合う物に巡り会えば長く使えます。
 その分出費は少なかったです。


 このリヤエントリータイプのブーツは後年需要が無くなり、今では初心者用のレンタルスキーの物しか見られなくなりました。








 昭和末期頃の懐かしいスキー道具です。

 次回はビンディングとかウェアとか少しずつ思い出して書いてみます。


 つまんないお話でスミマセン。





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