山の古別荘のDIY記

怪我とサビ取りと(後編)

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 前編からの続き

 お昼の休憩を済ませてすぐさま現場に入ります。
 サビ止めを塗った部分が乾いているか触ってみます。





 「ん~、まだしっとりしているが表面は乾燥している。」
 本来ならサビ止めが完全に硬化してから塗ったほうがいいのですけど。

 しかも塗料の相性がある。
 サビ止めは水性エポキシ。
 上塗りするのは油性のサビ鉄ペンキ。
 この組み合わせが吉と出るか凶と出るかわかりません。。
 下手をしたら塗膜の中でサビが進行してますますひどいことになります。

 月イチ詣での作業では、やっつけ仕事で手を抜きながらやってみるしかない。
 結果が出るのは数カ月後か数年後か。
 早いうちにサビが復活する可能性が高いので、常にチェックしておかないといけなくなります。


 脚立を鉄骨に立てかけて塗料をスプレーしていきます。
 まんべんなく均一にかけていきます。



 
 スプレーなので仕事が早い。
 柱と柱の間のワンスパンをすぐに塗り終えます。
 次は奥のワンスパン。
 こちらは距離が短い。
 午前中と同じように苔の除去、ケレン、サビ止め塗布と順調に作業を進めていきます。





 終端のケレンを終えた時、僅かな体重移動で脚立がガクンと来た。

 とっさに鉄骨を手で掴んで身を保持しようとするが遅かった。
 脚立と共に僅か数十センチの地面に着地するが、勢いの付いた脚立が顔面にヒット!
 脚立の脚を手で握って引き付けていたものだから、力が倍加して顔の左半分にぶち当たった。


 「アイタタタ! やっちまったあ。」 

 左目周辺に痛みが走る。
 目をやっちゃったか?

 かけていた眼鏡は衝撃でメガネレンズだけが外れて落下。
 フレームも歪んでいるのがわかる。

 恐る恐る左目を開く。
 大丈夫、目はやられていない。
 でも涙が勝手に出てくる。


 グローブをした手で一番痛みのある左目まぶたの横を押さえる。
 手を離してグローブを見ると・・・

 濡れてる! 

 グローブを外して素手で怪我の付近を触ってみてその手を見ると、血まみれ!
 2度3度と触る度にみるみる血の付着量が増えてくる。 


 「おーい!怪我した! ヘルプーッ!! ティッシュ持ってきてくれ~!!」


 しばらくして降りてきた子供が叫ぶ。

 「お父さん、だいじょう・・・・ うわぁああ! 大丈夫?」
 
 後から子供に聞くと、顔の左半分が血まみれで目が潰れたと思ったらしい。


 「ああ、大丈夫だよ。 目は見えてる。 メガネが壊れてよく見えないからティッシュが欲しくて呼んだんだよ。」

 貰ったティッシュで顔の左側を押さえる。
 一度離して確認するとどんどん真っ赤に染まっている。
 (こりゃあ、縫わなきゃいけない傷かも。)
 そう頭をよぎる。

 立ち上がって母屋に向かいます。
 傷の状態の確認と洗浄をしなくては。

 室内に入ってすぐに洗面台へ。
 一番怖いのは破傷風。
 傷口を開いて水で洗い流します。
 
 ぐ、ぐうぅ・・・

 あまりの痛みで気が遠くなる。


 ティッシュで濡れた顔を拭いて引き出しからバンドエイドを取り出します。
 心配そうに見ている子供に声をかけます。

 「大丈夫だよ。もう血は止まった。ヽ(^▽^)」

 「いやいやいや、お父さん。 垂れてきてるよ。( ̄▽ ̄;)」

 床を見ると数滴血痕がある。
 再び鏡の前に立つと垂れた血が一筋。
 もう一度拭き取ってすかさずバンドエイドを貼る。


 メガネレンズが取れちゃったので片目が見えない。
 車に積んであるサングラスを取りに行きます。

 母屋に戻ったら 「おいっ。サングラスだと薄暗くて見えにくいから、メガネレンズ探すの手伝え。」 と、声をかけて二人で現場に行きます。
 数分後、レンズを見つけて再び母屋に戻ってメガネにレンズをはめ込みます。
 ついでに真っ赤に染まったバンドエイドも交換。
 出血はようやく止まって病院で縫わなくても良いようです。



 「治った!(゚∀゚)アヒャ♪」

 出血が止まったらこっちのモンです。
 作業を再開します。



 *Youtube動画の画像が編集時に左右反転してしまっていて、この画像が正しい画像。


 メガネフレームにはしっかりとこすり傷が入っています。
 レンズは何とか無事。




 脚立から落ちたのは踏み外したのではなくて脚立の足下の地面が軟弱で崩落したから。
 きちんと確認せず脚立を立てて上ったのが原因。
 2段ぐらいしか上がらないから大丈夫だろうと油断しきっていました。


 脚立を使うのをやめて、塗装は手を伸ばしてスプレーしていきます。
 まんべんなく塗ってこれも数分で終了。





 まだ時間があるようなので鉄骨のコンクリート台座部分のサビ除去に取りかかります。
 一番端の北東角の鉄骨から開始します。
 H型鋼の溝の部分がサビがひどく、サンドパットがしっかりと入りません。
 マイナスドライバーで引っ掻いてサビを取っていきますが錆び付いた破片がボロボロと掻き出されてくる。
 かなりひどい状態です。
 ワイヤーブラシを持ってくるんだったな。





 ひとしきり掻き出したらサンドパットを突っ込んでゴシゴシと研磨。
 再びドライバーを突っ込んでサビを削る。
 その繰り返し。


 電動工具が無いし、有ってもこの隙間には入らないだろうし、手作業でやるしかない。
 
 こんなにひどいのは前回の修理できちんとサビ取りしていないから。


 職人さんの気持ちはわかるけど正直言って手抜きだよ。(-.-;)


 今の手持ち道具ではこれ以上無理というところまで錆を落とします。
 こちらのターンバックルも錆びて変形している。
 強めの地震が来たらたやすく破断するかも。





 この柱周りの作業するだけで30分以上費やしています。
 時間があるのでその上のもう1本もやってしまいます。


 適度にサビ取りを終えたらサビ鉄ペンキのスプレーで塗装をしておきます。
 こちらにはエポキシサビ止めを塗らない。
 近いうちにもう一度サビ取りをするつもりだし、夕方間近で気温が下がってきているので水性では乾燥しないから。





 錆びた基部と筋交いを塗装したところで時間切れ。
 太陽が山陰に沈んでいるので既に辺りは薄暗くなってきている。
 よく見えないからこれ以上やるのは無駄。

 道具を片付けて上へと上がります。





 今回の作業はあくまで応急処置。
 専用の道具も電動工具も無いので完璧な状態にするのは無理でした。
 基部のサビが酷くて個人のDIYでは手に負えません。

 サビの侵食がひどくて鉄骨の強度は明らかに落ちているでしょう。
 震災クラスの地震に襲われたら倒壊するかも。
 
 修繕は基礎鉄骨なのでかなりの金額になると思う。
 運を天に任せるしかありません。


 今日はこの作業だけで終わってしまいました。
 水抜きをして帰宅します。





 自宅に帰って傷跡を見てみるとたいしたことはない。
 出血量が多くてびびってしまった。

 傷はカタカナのの字に切れていてまぶたの二重につながっていて、メガネもあるので目立たない。
 ボクシングの試合で目の横を切られたという感じ。

 ただでさえ厳つい顔つきがますます厳つい顔になってしまった。(>ω<)


 目の回り全体が熱を持って腫れてきてめちゃ痛い。
 けっこう深いようで、しばらくは傷を触るとまた血がにじみ出てきた。
  
 今も顔をしかめたりぎゅっと目をつぶると痛みが走る。

 
 脚立事故は怪我の中でも多い部類に入るので皆さんも気をつけて。
 目を潰さなかったのは不幸中の幸いです。


 動画:

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