Part1からの続きです。
収益化について
リゾート物件を販売する不動産屋の最近のよくある謳い文句。
『不動産投資で資産運用が可能』 『お金を生む不動産として活用』
使わないときはレンタル別荘で人に貸すとか、別荘をシェアで所有するとか。 賃貸とか。
そのような言葉でリゾート不動産を販売されている業者を見かけます。
中には使い道のない土地を売ろうとする者も。
(原野商法にご注意を!) 少しばかり極論ですが、別荘に資産価値を見出すのは不動産屋か建築会社ぐらいのもの。
*業者の方のお商売の邪魔をしているわけではありません。 レンタル別荘にしようとか、投資物件として購入するのはすでにビジネスの類ですので別の話になります。
収益物件としてお金を生み出す物件は、正直言ってかなりの好立地でないとかなり困難でしょう。
そんな立地の物件1千万や2千万じゃ買えないと思うゾ
そんな場所、すでにホテルとか建ってると思うゾ
実際に長年都市で賃貸ビル経営を営んできた経験からしても、物件の立地というのは収益を左右する重要な点です。
建物保守維持、修繕、経営に関して、どこで営んでいても、かかる費用というのはほぼ同じです。
異なるのは固定資産税の金額ぐらいのもの。
会計士税理士の先生の顧問料も大きく差が付くとうものではありませんし。
水道一つ修理する、部屋をリフォームする。
同じ業者で同じ仕事内容なら金額は同じとみていいでしょう。
逆に都心中心部より離れた立地では交通費や輸送コスト、水道光熱などの諸費用が増加するため、保守維持コストは大きくなる傾向にあります。
好立地ですと交通の便も良くやはり人気があるため集客が行いやすく、例え空いたとしても次のお客さんがすぐに獲得できるため回転率も良いです。
また、賃料設定も需要が多いため高く設定しやすくなります。
同じ維持管理費ならば、賃料が高く取れるほうが利益率が良く、維持管理しやすいのは自明の理です。
けっこう都心中心部に収益物件を所有する私でさえ、もっと中心部や繁華街にあるような建物、表通りに面して建っている建物のオーナーを羨むことがあります。
不動産の賃貸経営を左右するのは90%以上が立地と言って過言ではありません。

リゾート不動産を短期のレンタル物件として貸すことに重点を置く考えで、購入するのはあまりお勧めしません。
後ほど出てきますが知人の旅行会社が長野県の山間部に貸別荘を営んでいました。
ひどい利用者に当たってしまうと、布団は敷きっぱなし、電気は通電したまま、生ゴミは玄関前に放置、冷蔵庫や電子レンジに食材が入ったまま、なんてのは毎回のこと。
家具が壊されていたり、庭の草木が切られたり折られたりなんて言う利用者がいたこともあるそうです。
片付けるのに1日費やすのが毎回だったと言います。
関西から車で7時間ほどもかかる遠隔地(当時は高速は伸びていなかった)。
人に貸す度に別荘の状態を確認しなければならず、業者に後始末を頼んだり、通うのに交通費で経費倒れだと愚痴っていたのを思い出します。
短期の別荘貸しは旅館業を営むようなものでたいへんです。
リゾート地に定住していて、すぐそばにレンタル用の物件を構えていて臨機応変に対応できるという方なら良いでしょうが、都会に住んでいて遠方の物件を収益物件にしようと考えるのは考えものです。

現状のリゾート地に住居を所有するオーナー。
具体的に言えば、都会を嫌って移り住む方、終の棲家として永住する方、もしくは私のような物好きは、転売や賃貸の目的で購入する考えはあまりありません。
なぜなら、定住する方にとっては「
マイホーム」であり、趣味(道楽)として所有する方にとっては「
遊び道具」だから。
購入する時に処分の難しさに重きを置いていません。
負の資産になるかもしれないことを覚悟の上で買ってます。
死後、子供から「オヤジの馬鹿野郎!」と言われるだろう。
将来の処分の時のことや資産活用にこだわりを持つ方は、よっぽど自信がない限り買ってはいけない物と言っていいです。
維持管理について 建築物というのは劣化します。
都会でも田舎でも海辺でも山辺でも全て同じ。
都市郊外の住宅でも20年もたてば大規模修繕が必要です。
外壁塗装したり屋根を葺き替えたり。
木材でも金属でもコンクリートでも放置しておけばカビや錆などで劣化します。
しかし、劣化を防ぐメンテナンスを行っておけばいつまでも良い状態を保てます。
建物の寿命というのはどれぐらいと思われますか? 30年?50年?
建築物は素材によって異なりますが、天災や火災による消失を除けば、メンテナンスを続けていれば数百年持たすことが可能です。
日本国内では代表的なのが昔に建てられた寺院やお社そして木造の古民家。
海外ではニューヨークのエンパイアステートビルはコンクリート造りですが建築後80年以上経過しています。(1931年竣工)
フランス・モンマルトルのサン・ジャン教会は、1904年に完成の築115年。まだまだ現役。
(これだけ古いと別の意味での価値が生まれてきます。)
コンクリートについては成分の中性化が進み次第に結合が弱まりボロボロと崩れていきます。
耐用年数は50年ぐらいと言われ、寿命が来た建物は壊され再建築されてきました。
近年はこの中性化しつつあるコンクリートに薬剤を浸透させ再活性化して寿命を伸ばすという技術が開発され、建物の延命を図る取り組みが進んできています。
将来はこの技術が一般化して資源の再利用、建物の長寿命化が捗ると思っています。
別荘も同じだ物と思ってください。
古くなって歴史的価値が生じるかどうかは別として、きちんとしたメンテナンス、どこか破損が生じた時に速やかに補修することによって、きれいで使用可能な状態を保つことが出来ます。
15年から20年に一度の屋根・外壁を補修する大規模修繕などはお財布との兼ね合いなので気軽には出来ませんが、ウッドデッキやサッシ周り、水回りなどは、個人でも整備が可能な範囲です。

建物など中古物件を購入しようと思う側の立場になって考えてみてください。
雨漏りのする屋根、腐って穴の開いたウッドデッキ、カビが生え虫の死骸だらけの部屋。
こんな物件、お金を出して買いたいと思いますか?
それ、ジャンク品と言う!
少しでも容易に早くに処分したい、
売るなら少しばかりでもお金にしたい。
そう思われるのなら傷んだ場所、劣化してしまった箇所は必ず修理しておくべきです。
建物が傷んだまま放置していて、売れないな~と、困っている方がいますが、そりゃ当たり前だろうと。
すぐに売れると思うほうがどうかしている。
建物基礎部分に重大な瑕疵があるなら別の話ですけど、ちょっと直せばまだまだ十数年使えるような箇所を放置して、ますます劣化させてしまうと手に負えなくなります。
せめて外見上、見た目だけでも破損部分は修理してから売却に臨むべきです。
劣化部分が目につく物件は購入希望者は一番に除外するものです。
DIYでも良い。 業者に任せても良い。
価値を高めたい、少しでも良い値で売却したいならば劣化・破損した箇所は直しておくべきです。
何もしなければ50万円だけど、100万かけて修理して200万で売る方が賢いと思いますよ。

敷地にも同じことが言えます。
日本の野山では、放置しておくとワンシーズンで草ぼうぼう。
数年で藪化します。
建物に入るのに草をかき分けて行かなきゃいけない、風光明媚なはずなのに窓から見えるのは雑木林。
そんな物件なんて購入希望者をうんざりさせるだけです。
草花植えてきれいにしておけとは言わないが、せめて草刈りは定期的にしてきれいにしておきましょう。
たった数時間、数日の手間を惜しむのは損と言う物。
敷地や建物の維持は、資産価値の維持につながります。
価値のある物は処分しやすいのです。 リゾート地などの資産価値の乏しい不動産を必ず処分出来るという意味合いではありません。ご注意ください。
資産の価値の変化
物の価値というのは変化します。
需要と供給のバランスで価値が上がったり下がったり。
リゾート物件の価値はバブル崩壊後下落一方でした。
最近、伝染病の影響で一部地域では上昇傾向だとか。
需要が高まったせいです。
建てられたときは数千万円、億超えもした別荘が、現代では、数百万円、数十万円で中古として販売される状況です。
現在の経済状況では、別荘などのリゾート物件の値段が、右肩上がりに上昇していくということは考えられません。
自動車は、買うときは数百万円でも売るときは数十万、数万円まで価値が下落してしまう。
人気がなく程度が悪ければ売るどころか廃車処分。 *車種によります。
別荘というものも同じ物と考えています。
異なるのは廃棄できないということ。
物の値段を決めるのは相場。
実際に売買された価格が基準となります。
この相場価格を無視して売ろうとする人がいます。
あわよくば誰か買ってくれる人が出てくるんじゃないかと考えてのことでしょう。
いつまでたっても売れずに結局どんどん
販売価格を下げていったりしています。
私自身の考えなのですが。
持ち物を売ってしまうということは不要になったということ。
ゴミとして廃棄できないものだから売るしかないわけで
値段は付けますが譲渡でも構わない。
今まで遊ばせてもらった、楽しませてもらったと考えて
処分の際は幾らでもいいのです。
私は子供には、もし私が死んだ後に使う気がないなら捨て値で処分しろ! と言ってあります。
今まで遊ばせてもらった、楽しませてもらったと考えて処分の際は幾らでもいいのです。
欲を出して相場より高いお金をいただこうとするから売れない。
需要があるならば相場より値段を下げれば早い機会に処分するチャンスは巡ってくる。
お得感の無いものなんて売れません。
そう思いませんか?

物の価値は状況次第で変化していきます。
今は価値が乏しいものでも何かのきっかけで高価値の物に変化したりします。
最近の伝染病の影響もそうですが、とんでもない過疎の田舎が、一大観光地として脚光を浴びたり、自治体の努力により、移住者が増加傾向の地域となったり。
その地域の不動産の需要が高まれば価値は上昇します。
法律や税制の改正がなされて、資産の移譲や廃棄、新築が進み市場が活性化されるかもしれません。。
逆もありうるが。(;゚◇゚)
近年のネットワークの発達と、昨年からのテレワークの普及は働き方の概念に大改革を起こすきっかけになっています。
企業も人も場所にとらわれない柔軟な働き方は「
ワーケーション」というスタイルも生み出しました。
生活様式もビジネススタイルも変わりつつあります。
*ワーケーション
リゾートなどバケーションも過ごせる地域でテレワークを行うこと。
出張先などでビジネスの前後に休暇として楽しむブレジャーも含む。
今後、何が起きどのようになるか、誰にもわからない。
そこのところをお含みおきください。
Part3へ続きます。
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