壁紙ペンキを塗ろう その3 応用編1
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			その2からの続きです。
			 壁紙の上から塗ることが出来る塗料に着目したのは、その1でも記述しましたが、
 『
たった1箇所の壁紙の汚れや破損のために、すべての壁紙を張替えしなければいけない』
			 という不経済と手間を解消するためです。
			
 壁紙ペンキの
欠点として、
 下地となる壁紙が破れていたり欠損していたり、めくれていたりした場合、それを塗装だけで補うことが出来ない。
			 というデメリットがあります。
			
 補修跡などで汚れてしまったり、見栄えが悪くなりがちな壁紙は、壁紙ペンキを塗ることでけっこう良い状態にまで戻すことが出来ます。
 今回のページではそんな壁紙ペンキの欠点を補うため、様々な試験を試みました。
			 その様子を紹介しますので、DIYでのリフォームの際の参考になさってください。
 尚、壁紙の部分補修の方法は下記のページで紹介する予定です。
			
 1.壁紙のめくれを治す。 ←2020年5月1日公開
			 2.壁紙が破れて欠損した場合の部分補修。 ←2021年1月27日公開
			    前編   後編
 3.下地の石膏ボードやベニヤ板に穴が空いている場合の補修(小穴)。
			
			 参考的に実例を紹介します。
 この壁はエアコンの室内機が付いていた壁です。
			
 
			 ご覧のようにホコリや汚れ、色焼け、ビス穴などで、洗剤で汚れを落としても元の状態に戻るような壁紙ではありません。
			 この面の壁はこの部分だけが汚いので、この部分だけ張替え補修していきます。
			 まずはスクレーパーなどで剥がす部分を切っていきます。
			
 
			 壁紙を剥がしていきます。
			
 
			 剥がす際はスクレーパーやヘラなどを用いて下地を傷めないように丁寧に剥がしていきます。
			
 
			 壁紙を剥がし終えました。
 段差ができた場合やビス穴などは剥がし終わった後にパテ埋めして修復しておきます。
			
 
			 この部分に同じ模様の壁紙を貼ります。
			 周囲の壁紙が経年劣化と焼けで色が変わっていますので、新しい壁紙を貼った場合殆どと言っていいほど色は合いません。
			 どうせ上から色を塗ってしまいますので、凹凸の模様などが同じならば、余り物でも古い壁紙でも良いわけです。
			 と言うわけで私は余っていた古い壁紙、ちょっと汚れてしまっている壁紙を貼り付けました。
			

			 このままだと汚いですし、コーキング跡などが目立って明らかに違和感があります。
 上から壁紙ペンキを塗ります。
			
 
			 塗った直後でまだ乾いていないので斑になっていますが、既にコーキング跡は目立たなくなります。
			 一日置いて塗料が完全に乾くと・・・。
			
 
			 貼り付けた壁紙にあった汚れやコーキングのムラなどは殆どわからなくなります。
			 壁紙の継ぎ目はよく見ると補修したなと分かる程度まで回復できます。
 実物をお見せしたいぐらいです。
			 暗色などを使用すると本当にじっくりと見ないと気が付かないと思います。
			 他にも数点、部分補修した際の写真をご覧ください。
 その1:我ながらうまく補修出来たなと思った箇所。
			 どこを補修したかわかりますか?
			
 
			 その2:
			
 ↓
			   ↓
			
			 その3:異なるパターンの壁紙を用いたため光線の加減によって目立ってしまう。
 蛍光灯下
			

			 太陽光
			
 
			 いずれも壁紙補修の段階で、コーキング等を用いて壁紙の模様に馴染むように下地作りをしています。
			 ちょっとしたコツがありますので、それはまた別ページで紹介します。 
 動画:壁紙ペンキ塗装の様子
			
			
			
			
			
 壁紙専門の職人さんのページで壁紙にペンキを塗ることに否定的な記事があります。
			 ・水分を含みクロスが膨れることもある
 ・クロスが剥がれることもある
 ・工事期間が長い(塗料の乾燥期間)
			 ・匂いがキツイ
 市販の木工鉄工用の汎用の油性・水性ペンキを塗るのでしたら、そのとおりだと思います。
			 壁紙の上から塗る専用の塗料でないと以上のようなことに悩まされることは間違いありません。
			
 実は、過去に市販の水性ペンキを壁紙に塗ったことがあるのですが、見事に大失敗。
			
			 実は、過去に市販の水性ペンキを壁紙に塗ったことがあるのですが、見事に大失敗。
			 ペンキをはじいてしまってきちんと塗れませんでした。
			 壁紙用ペンキでは、以下の特徴があります。
			 下塗り不要
 密着性が良い
 速乾
 ヤニ止め効果が高い
 防カビ
			 匂いが気にならない、乾くとすぐに消える
 健康被害がほぼ無い  
			 水分を含みクロスが膨れることもある → 乾燥するとピンと張る
			 クロスが剥がれることもある → 速乾性なので一度もなっていません。 のり成分が溶け出すほどベトベトに塗ればなるかもしれません。
			 工事期間が長い(塗料の乾燥期間) → 春~秋のシーズンなら24時間もすればほぼ乾燥しています。
			 匂いがキツイ → この塗料特有の匂いはありますが、油性系ではありませんのであまり気になりません、換気しておけば1日ぐらいで消えます。
			
 デメリットとしては。
 一度塗ると壁紙を剥がす時に剥がれなくて大変な苦労をする。
			 こと。
 ペンキがのりの役目を果たすのは間違いなくて、壁にしっかりとくっつく感じです。
			 まだ一度も塗りたてを剥がしたことがないのでなんとも言えませんが。
 でも、壁紙も貼ってから間もない物はなかなか剥がれませんよ。
			
			
 
*2023年11月重要追記
 上で、「
剥がす時に剥がれなくて」と記入しましたが、壁紙ペンキを塗って3年ほど経過した部屋の壁紙を剥がす機会がありました。
 
紙は少し硬くなっていて力が必要ですが、全く無問題で普通に剥がすことが可能できました。
			
 大事なことなので追記しておきます。
			
 様々なページを見ていてちょっと気になったことが一つ。  
・塗装してもクロスの劣化は防げない
			 というデメリットを挙げられているページが有るのですが・・・・。
 壁紙の寿命と言うのは何年ぐらいでしょうか?
			 20年?30年?
 私の家は25年前に作られた家ですが、壁紙は一度も張り替えたことがなく健在です。
			 山の別宅も35年前に作られた家ですが問題ありません。
			
 山の家の天井は壁紙。 少しめくれ始めているが問題無し。
			 山の家の天井は壁紙。 少しめくれ始めているが問題無し。
			 天井は6mほど高さがあるので補修をどうしようか悩み中。(;´Д`) ペンキの寿命の方が短いです。
			 古くなると色あせしてきますし、白化現象という白い粉を吹くようになります。
 鉄部に塗ったペンキだとペリペリとめくれてきます。
			
			 この壁紙用ペンキがどれぐらいの寿命があるのか、劣化してくるとどうなるのか、これから長い年月をかけて検証していこうと思っています。
			
			 このペンキは「壁紙の上に塗ることが出来る」という謳い文句ですが、壁紙だけでなく木材、金属、コンクリートに使用しても良いわけです。
			 上に記述した特性を利用して、今まで塗装することが困難であった場所に塗料を塗ることが出来ました。
			 次回は応用編2としてその実例を記述します。
			
その4へと続きます。